日本語教師養成コラム

【2025年最新版】日本語教師になるには?仕事内容や、向いている人について解説!

公開日:2025.05.23 更新日:2025.05.23

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監修者情報

松田 良子 Ryoko Matsuda

ルネサンス日本語学院 日本語教師養成講座講師

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「日本語教師になる方法は?」「日本語教師に向いている人は?」
日本語は世界でも随一の難しさを誇ると言われていますが、
進学や就職のため、日本の文化が好きだからなど、日本語を学習する目的はさまざまです。

本記事では、日本語教師になる方法や必要資格、
日本語教師に向いている人の特徴を詳しく紹介していきます。

日本語を身につけたい方に日本語を教える「日本語教師」を目指している方は必見です。

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日本語教師とは

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日本語教師とは、日本語を母語としない人に日本語を教える仕事です。
義務教育で習う国語や、高校で習う現代文を教えるのとは異なります。

また、日本語教師という仕事は日本語を教えること以外にも、「日本の文化や慣習」を伝えるという役割があります。

なぜなら、日本で生活していくために言語以外に文化や慣習を学ぶ必要があることや、
日本語を理解する上で文化や慣習の理解が欠かせないからのです。  

日本語教師として活躍するには、学習者個々人の習熟度や、
知識に合わせた学習計画を立てる力も求められまるのです。


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日本語教師になるための条件

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日本語を学習したい生徒は日本語学校に集まるため、
日本語を教える場としては日本語学校が最も一般的です。

しかし日本語教師の職場は、日本語学校だけではありません。
大学の留学生別科や、在日大使館なども就職先になります。

資格がない人でも、ボランティアやオンライン上で日本語を教えることができる場合もあります。

しかし、日本語学校や大学の留学生別科のうち、
文部科学省が認定する認定日本語教育機関で教員として勤務する場合は、
国家資格「登録日本語教員」を取得する必要があります。

<関連記事>日本語教師の基礎知識

登録日本語教員日本語教師になるための2つの方法

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登録日本語教員になるには大きく2つの方法があります。
一つは、独学で勉強する「試験ルート」
もう一つは指定の大学・養成機関等に通う「養成機関ルート」です。

試験ルート

特定の養成機関で学習するのではなく、
ご自身の力のみで知識を蓄えて受験したい方に向いているのが、"試験ルート"です。
試験ルートでは、基礎試験と応用試験を通過したのちに、登録実践研修機関で実習を修了する必要があります。

養成機関ルート

"養成機関ルート"とは、文部科学省に認定された日本語教師養成機関で課程を修了することで、
基礎試験が免除される道筋のことです。

しかし注意が必要なのが、養成機関の種類が2つに分かれており、
「実践研修」が含まれていない養成機関も存在していることです。

【養成機関ルート】

項目

登録実践研修機関と
登録日本語教員養成機関の
両方で課程を修了する方

登録日本語教員養成機関のみで
課程を修了する方
対象者 ・大学等(26単位~)
・専門学校等(420単位時間~)
・大学等(25単位~)
・専門学校等(375単位時間~)
基礎試験 免除 免除
応用試験 受験が必要 受験が必要
実践研修 養成課程と一体的に実施 別途、登録実践研修機関にて実施

養成機関で実践研修が受けられない場合、別途実践研修を受ける必要があります。

登録日本語教員養成機関については、
文部科学省文化庁のホームページで対象となる機関の一覧が公表されていますので、
受講を希望している養成機関に実践研修が含まれているかどうかを確認してみてください。

参照元:「日本語教育機関の告示基準」(平成28年7月22日出入国在留管理庁策定)第1条第1項第13号ニに規定する
日本語教員の要件として適当と認められる研修について届出を受理された日本語教員養成研修実施機関・団体

くわえて、受講開始前にチェックしていただきたいのが、受講方法です。
文部科学省が届出を受理している日本語教師養成講座の大半が通学制となっているため、
受講者の生活スタイルによっては、少しハードなスケジュールを強いられることがあります。

しかし、なかにはビデオチャット機能を授業に採用したオンライン講座や、
動画を視聴して勉強ができる通信制の講座を導入している養成機関もあります。

一部通学が必要なケースもありますが、仕事をしながらの受講や、
家事・育児との両立を考えている方は、ぜひ活用してみてください。

【修了生の声①】:子育てしながらでも両立できる!~矢口ヒロコさん~
【修了生の声②】:働きながらでも無理なく効率的に学習できた!~小堀 雅史さん~

なお、同じ通学制の養成機関でも午前と午後のフルタイム制を選択できるところもあり、
フルタイム制であれば短期での修了も可能です。
自分のライフスタイルに合った受講形態を選択しましょう。

日本語教師養成講座を修了すれば、
日本語教師として働き始めることはできますが、
就職活動のフォローなど修了後のサポートをしてくれる養成機関も存在します。

アフターフォロー制度なども含めて調査が必要です。

ルネサンス日本語学院の日本語教師養成講座(eラーニング)は、手厚い就職サポートを行っています。
また、動画授業が講座の約7割を占めており、
ご自分のペースで勉強を進めることができます。

ルネサンス日本語学院の特徴とサポートはこちら

日本語教師になるまでのスケジュール

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ここでは、国家資格「登録日本語教員」になるための「日本語教員試験」を基準に、
登録日本語教教員になるまでのスケジュール例を紹介します。

養成機関ルートで、応用試験のみで国家資格(登録日本語教員)に合格するケース

8月:必要なのパンフレットや見学などの準備
9月~:日本語教師養成講座420時間カリキュラムに通学しながら学ぶ(約6カ月)
8月:日本語教師養成講座・実践研修420時間カリキュラム修了
11月:国家資格試験(応用試験のみ)の受験
12月:国家資格試験 の合格発表

<関連記事>日本語教師資格の難易度は?国家資格化による変更点

日本語教師になるために教員免許は必要?

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日本語を教えるにあたり、教員免許は必要ありませんが、
国外含め所属する教育機関によっては教員免許が必要です。

小学校で教える場合は小学校の教員免許が、
中学校であれば中学校の教員免許が必要になってきます。 海外でも同様です。

また、制度上は高卒でも日本語教師になることができますが、
やはり教育機関によっては、
学士(4年制大学卒業)以上の学位取得を採用条件としている場合もあります。

<関連記事>日本語教師になれる大学は? 大卒以外の方の日本語教師のなり方も紹介

日本語教師に向いている人

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日本語教師に向いているのはどのような人なのでしょうか。

単純に日本語が分かるからといって、日本語教師に向いているとはいえません。

以下の4つに該当する人は日本語教師が向いている可能性が高いです。

<関連記事>日本語教師に向いているのはどんな人?仕事内容も解説

向いている人①:日本語や日本の文化が好きな人

やはり、日本語自体に興味があって学べる人でなければ、
なかなか日本語教師はつとまりません。

同じく、日本の文化が好きで愛着を持っている人は、
日本語教師に向いているといえるでしょう。

日本語を教える立場になる場合、日本人が知っていて当然のことだけではなく、
さらに深い日本語の特性や成り立ちといったものも理解しておく必要があります。

そのためには、日本語に対して強い興味を持ち、
積極的に学ぶ意志が必要です。

時間を割いて勉強しなければならないことも多々あるため、
そのための過程を楽しいと思える方は日本語教師にが向いています。

向いている人②:人に教えることが好きな人

教師という立場になる以上、
物事を教えることに興味がある方に向いています。

人に教えるためには、自分自身が日本語を深く理解しているのはもちろんのこと、
それをわかりやすく人に伝えるための力や工夫が必要です。

また、中には日本語の習得に苦労する学習者もいるので、
そういった人にも寄り添いながら習得を支援する役割があります。

そのためには独自の教材を作ったり、
一人ひとりに合わせた教え方を考えたりすることも重要です。

人に教えていて楽しいと感じる方や、
人の成功を一緒になって喜べる人に向いています。

人と関わることが好きな人におすすめです。

向いている人③:適応力のある人

日本語教師になると日本について詳しい知識のない人とコミュニケーションを取ることになるので、
日本とは異なる考え方や価値観といったものを受け入れられる人でなければなりません。

そのため、適応力のある人に向いているといえるでしょう。

例えば、日本人の場合は授業が始まる時間には席についていて当然との習慣がありますが、
外国人の学習者の中には遅刻や無断欠席が目立つケースもあります。

また、教師と学習者の間だけではなく、学習者同士で意見の衝突が起こってしまうこともあり、
このあたりも教師としてしっかり支援していくことが必要です。

海外で日本語教師として働く場合も同様に適応力のある人が向いています。

<関連記事>日本語教師として海外で働くには?条件や必要なものを解説

向いている人④:異なる文化や言語に興味をもてる人

日本語教師は、日本に対して強い興味や関心を持っているだけではなく、
海外の異なる文化や言語といったものにも興味を持てる人が向いています。

日本語を教わる学習者は外国人ばかりなので、
学習者の国の文化に関して興味や関心を持つことにより、
コミュニケーションも取りやすくなるでしょう。

特にはじめのうちは日本とは異なる文化や言語に戸惑ったり、
学習を進めるにあたり苦労したりすることも多いはずです。

ですが、そういった場面に直面しても工夫を繰り返しながら、
学習者と向き合っていける人は日本語教師に向いています。

日本語教師として働く先輩の話なども聞きながら自身の教育に取り入れていきましょう。

<関連記事>海外に行ける仕事17選&業界8選!求められるスキルや経験とは?

日本語教師の仕事内容

日本語の学習サポート 授業のサポート 日本の暮らしサポート 日本語学習者以外へのサポート
  • ・読み方
  • ・書き方
  • ・発音の仕方
  • ・会話の指導
  • ・教材の作成
  • ・テストの採点
  • ・提出物の添削
  • ・進路相談
  • ・事務作業
  • ・生活ルール
  • ・文化や習慣
  • ・歴史
  • ・ビジネスマナー
  • ・企業
  • ・勤務先
  • ・保護者
  • ・親族
  • ・配偶者
  • ・お子様


日本語教師は学習者に対して日本語を教える仕事ではありますが、
具体的にどのような仕事内容を担当することかイメージできずにいる方も多いでしょう。

そこで、主な仕事内容を解説します。


<関連記事>日本語学校で働く日本語教師の1日のスケジュールと業務を紹介します!

仕事①学習計画に沿った授業

最も中心的な仕事として挙げられるのが、学習計画に沿った授業の実施です。

日々の授業の中で、日本語の発音や文法といったもののほか、会話や読み書きを教えていきます。

そのためには、教材の準備や、具体的な事業の計画づくりなどの作業も必要です。
日本語を教わるのは日本語を母語としていない外国人であることから、

日本人が相手なら簡単に理解してもらえるようなことでも伝えるのに苦戦することがあります。

そのため、単純に日本語について深く理解していれば務まる仕事とはいえません。
学習者となる方も、主婦や日本の文化に興味のある学生、ビジネスパーソンなど、実にさまざまです。
学習者に合わせた工夫が必要になります。

仕事②授業に伴い発生する業務

学習計画に沿った授業を行うために必要な各種準備やテストの採点・添削、進路相談なども日本語教師の役割です。

わかりやすい授業を行うためには教材の準備もよく考えて行わなければなりません。

教材に関しては、既存のものを使うだけではなく、場合によっては自分で作成することも多いです。
さらに生徒の出席 管理、出入国手続きの支援など、学校の職員として求められる業務も行うことになります。

日本語教師が活躍できる場所

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日本語教師が活躍できる場所は、実にさまざまです。
例えば、以下のようなところが挙げられます。

【日本語教師の就職先例】

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  • ・日本語学校や日本語教室
    ・企業内のレッスン
    ・NPO法人や日本語教室のボランティア
    ・プライベートレッスン
    ・小・中・高・大学などの教育機関
    ・インターナショナルスクール

活躍の場は非常に広いことがわかります。
日本国内だけではなく、海外の日本語学校や小・中・高・大学、国際交流基金による派遣なども含めると、
さまざまな場所で活躍できる仕事です。

日本語教師の採用で重視されること

日本語教師の採用で特に重視されることといえば、経験の有無や指導力です。

日本語に関して深い知識を有しているのは最低限の条件であり、
それをふまえて教師として教壇に立ち、実際に指導ができるのかが重視されます。

そのため、採用を勝ち取るためには実践向けの知識や経験を積んでおくことが重要です。

実際に面接時に模擬授業が行われるケースも珍しくありません。

<関連記事>日本語教師として海外で働くには?条件や必要なものを解説

日本語教師の求人状況

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日本語教師の求人を確認してみると、ボランティアや非正規雇用としての求人が多くあります。

近年は留学生が増加していることもあり日本語学校も増えているため、
日本語教師の求人ニーズは高まっているといえるでしょう。

【参考画像】在留外国人数の推移(総数)

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<関連記事>日本語教師の基礎知識

ですが、実際にはボランティアや非正規雇用が多いことを考えると、
好条件で正社員として就職可能な求人を見つけるのは簡単なこととはいえません。

好条件な求人を見つけるためには、
国家資格「登録日本語教員」の資格を取ることはもちろんのこと、日本語指導に関することだけではなく、
英語やITスキル、進路指導の経験などが必要になることもあります。

未経験からスタートする場合は、まず非常勤講師の求人に応募し、経験を積むのも良いでしょう。

<関連記事>日本語教師の需要はある? 海外と国内の現状を紹介

日本語教師になるための自分に合ったルートを探そう


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いかがでしたか。日本語教師になる方法や条件、必要資格がわかっていただけたかと思います。

登録日本語教員になるためには、

①独学で日本語教員試験(基礎試験・応用試験)に合格し、実践研修を行う
②文科省に認定された養成講座に通い、応用試験に合格する

と、大きく2つのルートがあることをお伝えしました。

どのルートが自分に合っているのか、よく比較検討してみてください。

今回の記事が日本語教師を目指すあなたの一助になれれば幸いです。


登録日本語教員を目指すならルネサンス日本語学院におまかせください!
実践研修機関としても認定されているため、応用試験のみで資格取得を目指すことができます。

また、日本語教師の国家資格「登録日本語教員」になるためのサポートをおこなっているため、
日本語教師に興味を持った方は、ぜひお気軽にお問合せください。

日本語教師養成講座ならルネサンス日本語学院

この記事の監修者

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松田 良子 Ryoko Matsuda

ルネサンス日本語学院 日本語教師養成講座講師

《資格》日本語教師養成課程修了・日本語教育能力検定試験合格

《経歴》日本語教師養成講座を修了後、約30年に渡り、大使館、留学生、インターナショナルスクール、企業などで日本語教育に従事。また、(社)国際日本語普及協会の「地域日本語教育コーディネーター研修」修了後は、地域の日本語教育、ボランティア支援や教育委員会日本語研修プログラム、NHK文化センター、一部上場企業などへの日本語教育コーディネイトや日本語教師養成に携わり、日本語教育総合支援など多方面で活躍中。

《専門分野》就労者・生活者・年少者に対する日本語教育。

《監修者からのコメント》

日本語教師の勉強は、「知識」だけでも、「技術」だけでもだめです。 両方揃って初めて「学習者」という同乗者が安心して授業を受けられます。単なる知識の講座ではなく、皆さんより少し先を歩く私たち現役日本語教師が考え、悩み、苦労してたどり着いた答えを多く取り入れた「現場目線」を意識しています。
私自身、国語教師を目指し、日本語の文法にも自信があったにもかかわらず、「こんにちは。」の使い方を外国人に教えられなかった…というショックから、「日本語」に興味を持ち、日本語教師になりました。日本語教育業界は、わかりやすそうでわかりにくいですから、この業界の専門知識のある人に相談することがおすすめです。ぜひお気軽にお問い合わせください。