日本語教師養成コラム
日本語教師養成講座420時間カリキュラムの内容や費用について
公開日:2024.07.26 更新日:2024.09.10
監修者情報
ルネサンス日本語学院 日本語教師養成講座講師
日本語教師を目指している方に向けて、日本語教師養成講座420時間カリキュラム について解説します。
「これから日本語教師養成講座を受講したいけれど、オンラインではできる?どのようなことを学ぶんだろう」。
始める前に講座内容を確認しておかないと、不安に感じる方もいるのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、日本語教師養成講座について、学習内容や学校の選び方をご紹介します。
よくある質問にもお答えしていますので、参考にしていただければ講座の基礎知識をご理解いただけるはずです。
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日本語教師養成講座420時間カリキュラム について
「日本語教師養成講座」とは、国により定められた講座のひとつです。
大学などの養成課程と、民間で実施している養成講座があります。
この記事では、民間で実施している日本語教師養成講座420時間カリキュラムについて説明します。
420単位時間以上の受講が必要な理由
日本語教育において適当と認められた講座を、420単位時間以上受講した方を日本語教師として募集しているからです。
それではここから講座内容について説明していきます。
日本語教師養成講座にて受講する領域は、コミュニケーションを軸とする「社会・文化」「教育」「言語」の3つの分野から日本語に関する知識を学び、外国人に教えられるようになるために必要な時間が420単位時間以上というわけです。
日本語教師になるには日本語が話せるだけでなく、日本語を教えるための知識や文化的背景も知っておかねばなりません。
420時間の日本語教師養成講座で学習できる内容
それでは420時間の講座の受講では、どのような内容を学ぶのでしょうか?
学ぶ領域は3つです。
それぞれの学習内容について詳しくご紹介していきます。
学習内容1:社会・文化に関わる領域
「社会・文化」に関わる領域では、日本の歴史や文化を学びます。
外国の方に日本語を教えるには、日本のことについて広く知っておかなければなりません。
また外国に対して日本がどのように接してきたかも重要な学習ポイントです。
日本のこと、地域社会のこと、国際社会との関係、国際化への政策について幅広く学ぶのが「社会・文化」の領域です。
地政学や比較文化論も含めて学びます。
学習内容2:言語に関わる領域
続いての「言語」に関わる領域では、日本語について深く掘り下げていきます。
日本語が社会の中でどのように関係しているのか、性別による日本語表現の違いやボディランゲージなどが学習の中心です。
他国でのコミュニケーションは、言語を学べば終わるものではありません。
それぞれの国特有の非言語コミュニケーションについても知る必要があります。
学習内容3:教育に関わる領域
日本語教師としての素養を身につけるため、「教育」に関することも学びます。
日本語の教え方や評価の方法、カリキュラムの作成方法など、教師として必要な知識を身につけ、教育について学ぶことで学習を客観的に見る能力が育ちます。
また、教育に関する領域においては、実践に役立つ生徒が抱える問題を解消する方法やニーズの分析なども学習内容の一部です。
日本人であればほとんどの方が日本語を話せますが、日本語の教育を行う上では、教育に関わる領域を学ばなければなりません。
日本語教師養成講座を受ける学校を選ぶポイント
それではこれから講座を受講するなら、どのように学校を選ぶべきか見ていきましょう。
ポイント①各学校の受講スタイル
まずは、受講を検討している各学校の受講スタイルを確認してください。
Eラーニングを提供している学校もあれば、通学で実施する学校もありますし、通学については、平日昼間や夜間、または土日を活用して通学をする学校もあります。
ご自身にあった学習スタイルの学校を選ぶ必要があるでしょう。
各学校のHPを確認すればわかることがほとんどですが、セミナーへの参加やパンフレットの取り寄せをすることをおすすめします。
ポイント②通いやすさ
自宅からの通いやすさも学校選びの重要なポイントです。
日本語教師養成講座は420時間と学ぶことが多いため、1年以上通学しなければならないこともあります。
説明会などに参加し、実際に現地に足を運び学校の立地を確認して、自宅や職場から通いやすいところを選びましょう。
入学する前に、実際にご自身の生活導線の中で立ち寄ってみると、通いやすさが判断できるはずです。
ポイント③学習や就職のサポート体制
実際に日本語教師として働くには、学習や就職の支援体制が整っている学校を選ぶことも大切です。
学校によって学習や就職の支援体制は違います。
まずは過去の受講者がどの程度の割合で就職できているか確認してください。
学校によっては日本語学校と提携しており、卒業生を紹介していることもあります。
講座の修了後、日本語教師として働くことが目標の方も多いと思いますので、就職の支援体制が整っている学校を選びましょう。
学習していく中でわからないことがあったとき、質問できる体制が整っているかも判断材料です。学習進捗の確認や、就職の支援があることで安心して学習できるでしょう。ご自身にとって学習しやすい環境の学校を選ぶことが重要です。
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日本語教師養成講座を受講せずに日本語教師を目指す方法
日本語教師養成講座を受講せずに日本語教師の国家資格を取得するには、
①日本語教員試験の合格、②実践研修の修了の2つの条件をクリアする必要があります。
日本語教員試験は、基礎試験と応用試験の2種類があり、いずれも多肢選択式の筆記試験で論述形式ではありません。
日本語教師養成講座を受講していなくとも、基礎試験に合格したのち、応用試験の合格、実践研修を修了すれば、登録日本語教員の資格を取得できます。
2023年までは、日本語教育能力検定試験に合格すれば日本語教師を目指すことができましたが
国家資格が制定されたことで、今後は資格取得の目的が変わっていくと考えられます。
2024年の日本語教育能力検定試験の実施は発表されていますが、2024年度の試験に合格したとしても、国家資格の取得には直接的に結びつきません。
2023年度の合格率は、25%と比較的難易度が高い試験であるため、より日本語教師としての実力を示しやすくなると考えられます。
出典:日本国際教育支援協会:(PDF)令和5年度日本語教育能力検定試験結果の概要
日本語教師が国家資格化されることで、いくつかのルートが示されました。
なお、2024年の日本語教員試験は、11月17日(日)に行われることが文部科学省より発表されています。
出願期間や受験料などもすでに公開されているので、申し込みを検討されている方はお早めにご確認ください。
※ルネサンス日本語学院では現在、「日本語教育能力検定試験対策講座」の受付を一時停止しております。
日本語教師養成講座の「420時間コース」は受付中ですので、これから登録日本語教員の資格取得を目指される方は、お気軽にご相談ください。
日本語教師養成講座に関してよくある質問
講座の受講についてさまざまなことをご紹介してきました。
しかしこれから受講を考えている方にとっては、まだ疑問点があるのではないでしょうか。
そこで日本語教師養成講座に関するよくある質問をピックアップしてお答えします。
質問1:通信講座で受講することはできるのか
420単位時間のコースは、通信講座でも受講できますが、通信講座だけでは日本語教師になるための資格は手に入りません。
現状は、通信を希望される方でも、eラーニングを含む通信と、通学での学習とを組み合わせた学習が必要です。
さらに、国家資格を得るためには、国家試験の合格と実践研修の修了が求められます。
こちらの国家試験対策講座は、通信講座として提供されていることもあります。
質問2:受講にはどれほどの費用がかかるのか
受講にかかる費用は、500,000~700,000円を目安としてください。
もちろん学校により受講費は変わります。
中には200,000円前後で受講できる学校も見られます。
学校により、教育訓練支援金や、リスキリング制度など、公的機関による支援金制度を導入しているところもあり、
こうした制度を活用することで費用を抑えることができます。
その他、クレジットカードでの分割の支払いなども検討できます。
質問3夜間や土日の受講が可能な講座はあるのか
夜間や土日に受講できる講座もあります。
通学での通いやすさや、講義開催のスケジュールを確認しておくとよいでしょう。
420時間の日本語教師養成講座は強みに
いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでいただくことで、420時間の日本語教師養成講座についてご理解いただけたと思います。
日本語教師になるために420単位時間以上が必要だと考えると、遠い道のりだと思われるかもしれません。
しかし確かな教育の技術や知識を身につけるには大切な講座です。
ご自身にあった学校を選んで、能力のある日本語教師を目指しましょう。
ルネサンス日本語学院では、ライフスタイルに合わせて学習できる日本語教師養成講座「420時間コース」をご用意しております。
平日夜や土曜日の朝昼も開講しており、eラーニングにも対応しているため、どのような方でも通学しやすい授業形態です。
日本語教師養成講座ならルネサンス日本語学院におまかせください。
この記事の監修者
ルネサンス日本語学院 日本語教師養成講座講師
《資格》日本語教師養成課程修了・日本語教育能力検定試験合格
《経歴》日本語教師養成講座を修了後、約30年に渡り、大使館、留学生、インターナショナルスクール、企業などで日本語教育に従事。また、(社)国際日本語普及協会の「地域日本語教育コーディネーター研修」修了後は、地域の日本語教育、ボランティア支援や教育委員会日本語研修プログラム、NHK文化センター、一部上場企業などへの日本語教育コーディネイトや日本語教師養成に携わり、日本語教育総合支援など多方面で活躍中。
《専門分野》就労者・生活者・年少者に対する日本語教育。
《監修者からのコメント》
日本語教師の勉強は、「知識」だけでも、「技術」だけでもだめです。 両方揃って初めて「学習者」という同乗者が安心して授業を受けられます。単なる知識の講座ではなく、皆さんより少し先を歩く私たち現役日本語教師が考え、悩み、苦労してたどり着いた答えを多く取り入れた「現場目線」を意識しています。
私自身、国語教師を目指し、日本語の文法にも自信があったにもかかわらず、「こんにちは。」の使い方を外国人に教えられなかった…というショックから、「日本語」に興味を持ち、日本語教師になりました。日本語教育業界は、わかりやすそうでわかりにくいですから、この業界の専門知識のある人に相談することがおすすめです。ぜひお気軽にお問い合わせください。