日本語教師養成コラム
日本語学校で働く日本語教師の1日のスケジュールと業務を紹介します!
公開日:2024.07.26 更新日:2024.09.10
監修者情報
ルネサンス日本語学院 日本語教師養成講座講師
日本語教師を目指している方に向けて、日本語教師の1日のスケジュールについて解説します。
「日本語教師になりたい」と思われている方は少なくありません。
しかし日本で生まれた方であれば、どのようなスケジュールで働くのか想像しにくいのではないでしょうか?
日本語教師として働きはじめる前に、日本語教師の働き方や1日の流れが気になるという方も多いため、今回の記事では、日本語学校で働く日本語教師の1日のスケジュールや業務内容をご紹介します。
担当する業務も解説しますので、参考にしていただければ日本語教師の仕事についてより理解を深められるはずです。
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日本語教師の働き方
日本語教師の1日を見ていく前に、まずは教師の種類についてご紹介します。
日本語教師には「常勤講師」と「非常勤講師」の2種類の働き方があります。
<関連記事>日本語教師とはどんな仕事? 需要や向いている人の特徴を解説
常勤講師
常勤講師とは常時学校にいる教師のことです。
会社員として考えたときのフルタイム勤務の正社員のような存在となります。
授業を受け持つだけでなく、テストの作成や生活指導、進路相談、入学式行事への参加など、学校のさまざまな業務・運営に関わる働き方です。
1日の流れとしては学校の常駐するため、学校のスケジュール通りに働きます。
8:00から8:30ごろに出勤して、17:00から17:30ごろに退勤するのが一般的で、 夏休みや冬休みでも固定給がもらえることから会社員同様収入が安定しやすいのが特徴です。
非常勤講師
非常勤講師は常勤講師とは違い、日本語の授業だけを受け持ちます。
常勤講師がフルタイム勤務の正社員であれば、非常勤講師は派遣社員のような感覚です。
進路指導や生活指導などは行わず、担任になることもないでしょう。
ただし学校によっては非常勤講師が担任を受け持つこともあります。
非常勤講師は常勤講師とは違い、主に日本語の授業を受け持ちます。
常勤講師がフルタイム勤務の正社員であれば、非常勤講師は派遣社員やパートタイマーのような感覚です。
非常勤講師の業務内容は学校により異なります。
授業のみを担当する場合もあれば、進路指導や生活指導、担任業務を担うこともあります。
本人の希望や経験などから、任される業務内容は変わってくることが多いでしょう。
非常勤講師はフルタイム勤務ではないため、担当する授業の時間がそのまま給与となります。
働けば働いただけ給与が増えるシステムですが、夏休みや冬休みには授業が行われないため給与がなくなります。
非常勤講師として働くと、休暇を増やせるものの給与が少なくなるという働き方になります。
常勤講師の1日のスケジュール
午前のスケジュール
それでは常勤の日本語教師の1日のスケジュールについてご紹介します。
このスケジュールでは、午前に授業があり、午後に授業がない場合の例で説明しています。
常勤講師の勤務時間は、8時半~17時半が一般的です。
なぜなら、午前の授業開始時間は9時前後、午後の授業終了時間は16時半前後の学校が多いからです。
午前中にはその日やその週のスケジュールを確認する朝礼などが行われることが多いです。
常勤講師だからといって、1日中ずっと授業を担当しているわけではありません。
授業がない時間は、テストの作成や採点、時には来客の対応や、職員会議が行われることもあります。
午後のスケジュール
午後に授業がない場合、午後の時間は午前中の授業の処理(例えば、テストの採点や出席の処理など)や
学習者の相談に乗ったり、今後の行事に向けての準備をしたりする時間です。
また、進路を考える時期になると、毎日数人の学習者が相談に来ることもあり
学習者一人一人の希望に応じて、出願スケジュールを確認したり
志望理由書や出願書類の添削をしたりと、大切な業務も多いです。そのため、時間が余るということはあまりないでしょう。
午後の授業が終わった後は、授業後の処理、翌日の授業準備などを行い、退勤となります。
時には、退勤時間通りに退勤できない日もあります。
例えば、行事が近ければ、行事の準備をしたり、新しい学習者の募集に関する業務など、常勤講師の仕事は多岐にわたります。
一般企業と同じように、日本語学校(日本語教育機関)にも、忙しい時期とそうでない時期があるということです。
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非常勤講師の1日のスケジュール
それでは続いて、非常勤日本語教師の1日のスケジュールを見ていきましょう。
午前に授業があった場合について例をあげます。
非常勤講師は授業が業務の中心になるため、授業前の準備と、授業の実施、授業後の事務処理を終えたら退勤するのが普通です。
午前中に授業があった場合、8:30に出勤して授業準備、授業後の事務処理を終えて退勤するのは13:30などということが多いでしょう。
午後に授業を担当する場合は、連絡事項の確認や授業前に印刷する資料などを含め、目安としては授業の1時間ほど前にくるといいでしょう。
日本語教師の仕事内容
日本語教師の1日のスケジュールを確認してきました。 それでは次に、具体的にどのような業務を行うのか、仕事の内容について詳しく見ていきましょう。
仕事内容1:日本語の授業の実施や準備
日本語教師の1日の仕事の中でも、メインとなるのが日本語の授業の実施と準備です。
授業を行う前には教案や教材、小テストを作成しなければなりません。
特に重要となるのが教案の作成です。
教案とは、自分が担当する授業の中でどんなことを解説したり、説明する手順ややりかたを時間ごとに一覧にしたものです。
教材に関しては、学校によってある程度方針が決められているはずです。
そして教案や教材に沿って授業に臨みます。 出欠の確認をしたら授業を行い、必要があれば小テストも実施しましょう。
仕事内容2:学習者の生活指導・進学指導
常勤講師であるなら、学習者の生活指導や進学指導も重要な業務のひとつです。
非常勤講師は行わないことが一般的なので、常勤講師に期待される役割とも言えます。
毎日学校に通学させること、アルバイトの管理をすることなどが生活指導です。
そして進学指導もあわせて行い、専門学校や大学への進学相談にも乗りましょう。
日本語学校を問題なく運営していくためには、生活指導・進学指導は欠かせません。
仕事内容3:各種運営業務
最後の業務としてご紹介するのは、各種運営業務です。
イベントを企画したり、求人や採用活動を行ったりすることを指します。
入学式・卒業式や遠足、スピーチコンテスト、防災訓練、日本の文化体験などが代表的なイベントです。
日本語教師を目指すなら1日の流れを把握して日本語教師の仕事内容や1日の流れのまとめ
常勤講師か非常勤講師かによって変わりますが
「日本語の授業をする」という部分については、共通します。
日本語教師として日本語学校で実際に働く場合のシミュレーションができたでしょうか。
日本語教師養成講座ならルネサンス日本語学院にお任せください!
これから日本語教師を目指す皆さんの学習から就労サポートまで一貫しておこなっております。
興味のある方はお気軽にご相談ください。
この記事の監修者
ルネサンス日本語学院 日本語教師養成講座講師
《資格》日本語教師養成課程修了・日本語教育能力検定試験合格
《経歴》日本語教師養成講座を修了後、約30年に渡り、大使館、留学生、インターナショナルスクール、企業などで日本語教育に従事。また、(社)国際日本語普及協会の「地域日本語教育コーディネーター研修」修了後は、地域の日本語教育、ボランティア支援や教育委員会日本語研修プログラム、NHK文化センター、一部上場企業などへの日本語教育コーディネイトや日本語教師養成に携わり、日本語教育総合支援など多方面で活躍中。
《専門分野》就労者・生活者・年少者に対する日本語教育。
《監修者からのコメント》
日本語教師の勉強は、「知識」だけでも、「技術」だけでもだめです。 両方揃って初めて「学習者」という同乗者が安心して授業を受けられます。単なる知識の講座ではなく、皆さんより少し先を歩く私たち現役日本語教師が考え、悩み、苦労してたどり着いた答えを多く取り入れた「現場目線」を意識しています。
私自身、国語教師を目指し、日本語の文法にも自信があったにもかかわらず、「こんにちは。」の使い方を外国人に教えられなかった…というショックから、「日本語」に興味を持ち、日本語教師になりました。日本語教育業界は、わかりやすそうでわかりにくいですから、この業界の専門知識のある人に相談することがおすすめです。ぜひお気軽にお問い合わせください。