コラム

日本語教師は独学で目指せる? 必要な資格やおすすめの本

2023.08.07

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「日本語教師は独学で目指せる?」
「独学の場合、日本語教育能力検定試験の勉強におすすめの本は?」
「日本語教師を独学で目指すメリット・デメリットは?」
近年、需要が高まり続けている日本語教師の仕事。
日本語教師は、独学で目指せる職業の一つです。
独学で日本語教師になるためには、効率よく勉強を進め、幅広い知識をしっかりと定着させる必要があります。

本記事では、独学で日本語教師を目指す方法、日本語教育能力検定試験の勉強におすすめの本、そして、独学で日本語教師を目指すメリット・デメリットなどについて紹介します。
※2023年8月7日時点のため、変更になる可能性もあります。

独学で日本語教師になれる?

2023年現在、日本語教師には小中学校のような教員免許というものはなく、日本語教育に最低限必要な基礎的知識を独学で勉強すれば、日本語教師になれます。

しかし、国内の日本語学校に勤めるかたちで働く場合には、日本語教師養成講座420時間カリキュラムの修了など、3つの条件のうち1つを満たす必要があります。
その中の1つ、日本語教育能力検定試験は独学でも合格を目指すことは可能です。
この試験は、受講要件に年齢や学歴などの縛りはありませんが、合格率は25~30%と比較的難易度が高い試験です。
過去問や参考書が多く出版されているので、計画的に学習を進めることで、独学で合格を目指せるでしょう。

日本語教育能力検定試験についての関連記事もご覧いただくと、日本語教育能力検定試験について理解を深めていただくことができます。

<関連記事>【2023年度版】日本語教育能力検定試験の合格点・合格率の傾向を徹底解説
<関連記事>日本語教育能力検定試験はどんな試験?合格ラインや勉強方法を徹底解説<関連記事>日本語教師の資格は難易度が高い?試験の合格率やおすすめの勉強法を公開

日本語教師の働く場所

国内で日本語教師が働く代表的なところとしては、以下が挙げられます。

<教育機関>

  • ・日本語学校
  • ・大学の留学生別科
  • ・小学校、中学校、高等学校
  • ・インターナショナルスクールなど

<企業など>

  • ・外国人労働者を採用している企業
  • ・外国人技能実習生の研修センター
  • ・地域の日本語教室

今回は、日本語学校と最近人気のオンラインでの働き方についてご紹介します。
日本語教師の就職先について、興味を持たれた方はこちらもご覧ください。

<関連記事>日本語教師とはどんな仕事? 需要や向いている人の特徴を解説

日本語学校で働く

日本語学校とは、日本語を母語としない人(主に外国人)を対象に日本語教育を実施する機関です。
日本語教育のニーズが多様化している現在、ビジネス日本語を学べるコースや、働きながら通学ができる夜間・週末コースなどを設置する学校も増えています。

2023年8月現在、日本語学校で日本語教師として働く場合には、次の3つの条件のうち、いずれかを満たす必要があります。

  1. ①4年制大学を卒業し、日本語教師養成講座420時間カリキュラムを受講し修了する。
  2. ②日本語教育能力検定試験に合格する。
  3. ③大学または大学院において「日本語教育に関する教育課程」を主専攻(45単位)または副専攻(26単位)し、卒業する。

但し、日本語教育機関認定法施行後の2024年4月以降は日本語学校で働くための条件は新たなものになりますので、詳細はルネサンス日本語学院の個別相談などでお問い合わせください。

<関連記事>【日本語学校とは】日本語教師になりたい人必見!概要と就職するために必要な条件

オンライン日本語教師として働く

日本語学校以外の場所で働く場合、最近、特に人気が高いのがオンライン上でプライベートレッスンを実施する方法です。 個人で日本語教師として働く場合には、授業内容や働く時間・場所などを講師が自由に設定できます。

<関連記事>オンライン日本語教師は誰でもなれる? 働き方や必要な資格、気になる需要を解説

独学で日本語教師を目指す際に何を勉強する?

独学で日本語教師を目指す場合、とくに国内の日本語学校で働きたいと考えている人は、日本語教育能力検定試験に合格する必要があります。
試験に合格するためには、日本語教育に関する基礎的知識や、日本語教育を行う上で必要とされる問題解決へのアプローチについて、知識をしっかりと頭に入れておく必要があります。

<関連記事>日本語教師になるにはどうすればいい?必要な条件や方法を解説

独学で日本語教師を目指す際におすすめの本

ここからは、独学で日本語教師を目指す際におすすめの本を3冊紹介します。

  • ・日本語教育能力検定試験 試験問題(公益財団法人日本国際教育支援協会 著)
  • ・『図表でスッキリわかる日本語教育能力検定試験合格キーワード1400』(泉均 著)
  • ・『考えて、解いて、学ぶ 日本語教育の文法』(原沢伊都夫 著)

それぞれ概要を説明していきます。

おすすめの本①『日本語教育能力検定試験 試験問題』(公益財団法人日本国際教育支援協会 著)

日本語教育能力検定試験を実施している日本国際教育支援協会出版の公式過去問題集です。
1冊につき1年分の問題と解答が掲載されているほか、巻末には試験の実施状況や平均点などに関するデータも掲載されています。
2023年6月現在の最新版は「令和4年(2022年)度 日本語教育能力検定試験 試験問題」です。
試験問題を繰り返し解くことで出題傾向に慣れることができ、ぐっと合格が近づきます。

おすすめの本②『図表でスッキリわかる日本語教育能力検定試験合格キーワード1400』(泉均 著)

日本語教育能力検定試験で合格水準に達するために必要とされるキーワード1452語がピックアップされています。
図や表も多く、はじめて試験に挑む方にもわかりやすく解説されています。

おすすめの本③『考えて、解いて、学ぶ 日本語教育の文法』(原沢伊都夫 著)

日本語教育初心者の方、これから日本語教師を目指す方はもちろん、日本語教師になった後にもう一度日本語の基礎を復習したいと思った時にも役立つ一冊です。
各章の終わりにある「まとめ」では、その章で学んだことを振り返るとともに、練習問題で復習をすることができます。
練習問題の後に掲載されているCOLUMNを読むことで、その章での学びをさらに深めることにつながります。
また、掲載しているすべての問題に解説がついているため、独学での学びにも適しています。

今ご紹介した3冊はこちらの記事でも紹介をしているので、ぜひご覧ください。

<関連記事>日本語教師に必要な本は?目的別に徹底解説

独学で日本語教師を目指すメリットとデメリット

独学で日本語教師を目指すとき、どんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
ここからは、日本語教師を独学で目指すときのメリット・デメリットについて紹介します。

メリット

日本語教師としての資格を独学で手に入れる最大のメリットは、必要な経費を最大限削減できることです。
スクールなどで日本語教師養成講座を受講するには、受講料として50万円程度の費用がかかります。
一方、独学で勉強する場合には、必要な費用は教材を購入する費用のみです。

また、自分の生活スタイルに合わせて学習時間を設定したり、苦手なところを重点的に学習したりするなど、学習の計画や項目を自由に調整できるため、無理なく、試験勉強を進めることができる点もメリットの1つと言えるでしょう。

デメリット

独学で日本語教師を勉強するときのデメリットは、勉強の仕方や勉強時間の管理をすべて自分で行う必要があることです。
日本語教育能力検定試験の対策講座を受ける場合と異なり、学習時間や学習計画など、勉強に関するすべてのことを自分で管理する必要があるため、一度怠けてしまうと効率よく勉強を進められなくなる可能性もあります。

日本語教師を目指す方法

日本語教師を目指す場合、特に日本語学校などで働く際には、日本語教育能力検定試験の合格や日本語教師養成講座420時間カリキュラムの修了などの条件を満たしていることを証明する必要があります。(2023年8月現在)
海外での就職を目指す場合は、「即戦力のある日本語教師」を求めている企業や教育機関も多いため、日本語教師としての条件を満たすことに加え、語学力や日本語教授歴などをアピールできると良いでしょう。
そのために、まずは、先ほど紹介した日本語教育に関する本で日本語教育の基本的な知識を身につけたり、ボランティア活動などを通して経験を積んだりしてみてはいかがでしょうか。

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