日本語教師養成コラム

リスキリングでは何を学ぶべき?学習内容の選び方も解説

公開日:2025.02.07 更新日:2025.02.21

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監修者情報

松田 良子 Ryoko Matsuda

ルネサンス日本語学院 日本語教師養成講座講師

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急激に変化するビジネスの場において、「何か新しいスキルを身につけ、
自分の市場価値を高めたい」と思う方が増えてきています。

そこで生まれたのが、新しい知識やスキルを学び直す"リスキリング"という考え方です。

そこで本記事では、リスキリングの概要をおさらいしたうえで、習得すると役に立つスキルを紹介します。

仕事に使える効果的なスキルを知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

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そもそもリスキリングとは?

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リスキリングとは、急速に変化するビジネス環境に対応するために、新しい知識やスキルを学び直すことです。

英語では"Rreskilling"と表記され、日本語に訳すと"学び直し"や"スキル再習得"といった意味になります。

2021年以降、デジタル技術の進化やトレンドの変化に伴い、ビジネスの場で大きな注目を集めるようになりました。

リスキリングは、従来のスキルのみでは対応が難しい、
新しい職務や業務課題に適応するための取り組みを指すことが多いです。

たとえば、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進において、ITスキルが必須となるケースが増えています。

プログラミングやデータ分析などのデジタル技術を習得することで、
新たなビジネスチャンスのための人材として、企業から高い評価を得られるでしょう。

また企業にとっても、リスキリングを通じて社員が新しいスキルを習得することは、
業務効率化や新しいアイデアの創出に欠かせない取り組みになっています。

そのため、現代のビジネスにおいては、リスキリングが人材育成の重要な施策として位置づけられているのです。


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リカレント教育や生涯学習との違い

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リスキリングとよく似た概念に"リカレント教育"や"生涯学習"がありますが、
それぞれ目的や学習方法に違いがあります。

以下では両者の概要を解説し、リスキリングとの違いを明らかにします。

リカレント教育

リカレント教育とは、社会人が必要に応じ、キャリアの途中で学び直しを行うことです。

リカレント(Recurrent)は"反復"や"循環"を意味する言葉で、
その名の通り、リカレント教育では就業と学習を交互に行います。

多くの場合、教育機関での長期的な研修や専門的な講座が活用され、
新しいスキルを得たり、知識を深めたりするための時間を確保します。

リカレント教育は、個人が休職などで労働から一時的に離れて、主体的に学ぶのが一般的です。

一方リスキリングは、就業しながらスキル習得に取り組む再教育の方法であり、
企業にとってはスキルアップした社員を即戦力とすることが期待されます。

生涯学習

生涯学習は、仕事やキャリアに限定されない"生涯にわたる学び"を指す概念です。

文部科学省の定義では、学校教育だけではなく、家庭や地域、職場での学び、
趣味やボランティア活動に至るまで、人生を通じて行うあらゆる学習が含まれます。

「生涯学習」とは,一般には人々が生涯に行うあらゆる学習,すなわち,学校教育,家庭教育,社会教育,
文化活動,スポーツ活動,レクリエーション活動,ボランティア活動,企業内教育,趣味など様々な場や
機会において行う学習の意味で用いられます。

引用元:文部科学省「平成30年度文部科学白書

リスキリングとは異なり、生涯学習は職業スキルに限定されるものではありません。

より広い範囲で、人生を充実させるための知識や技能の習得を目的とし、多様なシーンや手段で行われる点が特徴です。


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リスキリングが注目を浴びているのはなぜ?

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リスキリングの定義を確認したところで、新しいスキルを習得することが、なぜこれほど注目されているのか、
その背景を深掘ってみましょう。

世界的にDXが推進されているため

リスキリングが脚光を浴びる背景には、世界的なDXの進展が関係しています。

AIやクラウド技術の発展により、従来のスキルが陳腐化し、国内外を問わず、
多くの組織においてデジタルスキルの習得が急務となっています。

その流れを受け、2020年に開催された世界経済フォーラムの年次総会"ダボス会議"では、
「2030年までに10億人のリスキリングを目指す」と宣言されました。

新しい時代を生き残るために、企業や個人が新たなスキルを獲得し、
急速な社会の変化に対応することが求められているのです。

デジタル人材が求められているため

DXの推進に伴い、IT人材の需要が急増しています。

しかし、日本では少子高齢化による労働力不足により、こうした人材の供給が追いついていないのが現状です。

企業はプログラミングやデータ分析、サイバーセキュリティなどの専門スキルをもつ人材を必要としていますが、
確保が難しい状況が続いています。

リスキリングは、このギャップを埋める解決策として注目されており、政府も大規模な支援を行い始めています。

リスキリングは国や企業にとって、デジタル変革を後押しし、競争力を高めるための重要な戦略といえるでしょう。


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日本政府から支援を受けられるため

日本政府は、リスキリングを国の成長戦略の一環として強力に推進しています。

2022年10月に、岸田文雄総理(当時)は5年間で1兆円を投じる、リスキリング支援のための総合政策を発表しました。

これにより、中小企業や個人がデジタルスキルなどの新たなスキルを習得する際、
補助金や研修プログラムを活用できるようになりました。

この支援は、労働市場の流動性を高め、企業に成長分野への人材移動を促進させる、重要な施策です。

官民一体となった取り組みにより、日本全体でリスキリングが進めば、経済の活性化につながると期待されています。

リスキリングに活用できる助成金

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ここまでで説明した通り、これからの日本社会が発展するために期待されるリスキリングですが、
企業が社員にスキルを習得させるには、コストがかかります。

政府や自治体は、そうした費用を支援するさまざまな助成金制度を用意しており、
それらを活用することで、費用負担を軽減できます

ここでは、企業や個人が活用できる3つの助成金制度を見てみましょう。

ご自身が働く企業が、これらの助成金制度を活用しているかどうか、確認してみてください。

①人材開発支援助成金

厚生労働省が提供する人材開発支援助成金は、企業が社員に職業訓練を実施する際に、
訓練の経費や訓練期間中の賃金の一部を助成する制度です。

2022年12月に設立された"事業展開等リスキリング支援コース"では、
デジタル化や新規事業展開に向けた、社員のスキル習得を支援しています。

②DXリスキング助成金

DXリスキリング助成金は、東京都が都内の中小企業や個人事業主向けに提供している助成金制度です。

この助成金は、デジタル技術の習得に必要な研修にかかる費用を補助します。

たとえば、"DX推進のためのマネジメント講座""情報セキュリティ対策講座""Excelのマクロ講座"などの費用が対象です。

③社内スキルアップ助成金・民間派遣型スキルアップ助成金

社内スキルアップ助成金・民間派遣型スキルアップ助成金もまた、都内の中小企業を対象とする、
東京都の助成金制度です。

社内研修や民間教育機関への派遣による訓練が対象となっており、スキルを習得するための経費を助成します。


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リスキリングを始めるメリット

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リスキリングの重要性や、国の取り組みについては理解していただけたでしょうか。

また企業にとっても、リスキリングによって時代に即した
新たなスキルを習得した人材を求めている現状もおわかりいただけたと思います。

ここからは、リスキリングによって得られる6つのメリットを解説します。

メリット①市場価値が高まる

リスキリングの最大のメリットは、個人の市場価値を向上できることです。

現代のビジネス環境では、AIや自動化技術の発達によって、単純作業の多くが機械に代替されてきています。

人の仕事は創造性や高度な思考力が求められるものへとシフトし、
これに対応できるスキルをもつ人材が重宝されつつあります。

リスキリングを通じて新しいテクノロジーやデジタルスキルを習得すれば、現職での専門性を高め、
より多くの可能性が広がるはずです。

また、最新の技術や知識を学ぶことで、異なる業界や職種への転職が容易となり、キャリアの柔軟性も高まります

さらに、より効率的に業務を遂行できるようになれば、昇給や昇進の交渉に有利にはたらきます。

メリット②自律型人材へと成長できる

現在、多くの企業は自律型の人材を求めています。

自律型人材とは、変化の激しいビジネス環境において、自ら学び成長し、主体的に行動できる人材のことです。

このような人材は、組織に柔軟性とイノベーションをもたらし、企業の競争力を大いに強化させるでしょう。

また、自律型人材が増えると、ほかの社員にも「変わらなければならない」というメッセージが伝わり、
組織全体に成長マインドが醸成されます。

結果として、変化に強い環境が手に入り、未来に向けて持続的に成長できる基盤が築かれるのです。

リスキリングを通じて新しい知識やスキルを習得することで、自己成長への意識を高め、
主体的に学びつづける姿勢が身につきます。

その結果、企業が求める自律型人材として、期待される存在になりえるのです。

メリット③新しいアイデアが生まれやすくなる

新たなスキルの習得は、アイデアが生まれやすくなることにも寄与します。

異なるスキルや視点をもった社員が集まり、活発な意見交換や議論を重ねることで、
これまで考えもしなかった革新的なアイデアが生まれる可能性が高まります。

スキルの多様化が、チームや組織に新たな知識と視点をもたらし、
それが企業全体のイノベーションの促進へとつながるのです。

たとえば「社内の知識は最新のものか?」「非効率な業務はないか?」といった疑問が生まれると、
その結果、業務の改善案や新たなアイデアが提案されることが期待できます。

こうした新しい視点やアイデアをもつ人材は、業績の向上やビジネスチャンスの拡大に貢献する、
大きな力となるでしょう。

メリット④業務の効率化が図れる

リスキリングは、業務の生産性に大きな影響を与えます。

新しいスキルや考え方を習得することで、より効率的な進め方が可能となります。

たとえば、これまで手作業で行っていた作業を自動化したり、無駄な工程を省いたりと、
少ない人数や時間で同じ業務をこなせるように工夫できるかもしれません。

また、業務の効率化は、社員の労働環境にも良い影響を与えます。

残業や休日出勤が減少すれば、ワークライフバランスの実現が進むことで、
さらに仕事へのモチベーションアップにもつながります。

限られたリソースで生産性を高めることが求められる現代において、
リスキリングは組織全体の生産性向上にも役立つのです。

メリット⑤業務の質が高まる

業務内容を精査して改善する視点が養われると、業務を効率化できるだけではなく、
質を向上させることにもつながります。

なぜなら従来の方法にとらわれないことで、無駄な業務を削減し、より効果的な手法を採用できるからです。

また、業務の質を向上させることは、取引先からの評価にも直結します。

提供する商品やサービスのクオリティに満足してもらえれば、顧客との信頼関係の強化が期待できるでしょう

メリット⑥人材不足に対応できる

リスキリングは、企業が抱える人材不足に対する効果的な対策となります。

日本では少子高齢化が進んでおり、業界によっては深刻な人手不足に直面しています。

外部から新しい人材を獲得するのが難しくなっている現状において、社内の人材に新たなスキルを学ばせることで、
必要なスキルに対応できる人員を確保できるのです。

また、既存社員のリスキリングを推進することは、外部からの新たな人材採用と比べてコストパフォーマンスが良く、
採用コストの削減にもつながります

さらにリスキリングによって得た知識やスキルは、チーム内や部門間で共有され、組織全体の能力向上にも貢献します。

リスキリングで学ぶべきスキル

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リスキリングのメリットを学んだところで、具体的にどのような種類のスキルを習得すればよいのか、
実際に確認してみましょう。

日本語教育

外国人労働者が増加傾向にある日本では、日本語教師の需要が高まってきています。 

外資企業だけでなく、日本企業においても外国人スタッフが増えているなか、効果的にコミュニケーションをとり、
業務上の食い違いをなくすため外国人スタッフに正確な日本語を使えることが求められることもあります。

社内で日本語教育を行うためにも、日本語教師養成講座を受講することで、
日本人スタッフと外国人スタッフと円滑なやり取りを実現する
ことができます 


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ITスキル

ITスキルは、リスキリングにおいて非常に重要なスキルの一つです。

多くの業界でIT技術は不可欠となっており、プログラミングやITツールの活用は、
生産性の向上と切っても切れない関係にあります。

たとえば、社員がスケジュール管理ツールを活用するだけで、業務効率が飛躍的に向上することがあるかもしれません。

また、プログラミングと聞くと、難易度が高く感じるかもしれませんが、
まずは基本的なツールやプラットフォームの使い方を学び、論理的思考力を養っていきましょう。

情報セキュリティ

IT技術が進化するなかで、情報セキュリティに関する知識は欠かせません。

企業が扱うデータは、漏えいや攻撃から守らなければならないため、すべての社員に必要なスキルといえます。

適切なデータの管理方法や、ネットワークのリスク管理の方法を学べば、企業全体のセキュリティ体制を強化できます。

万が一、情報漏えいやシステムトラブルが起これば、企業の信頼を一瞬で失うことになりかねません。

これらを未然に防ぐための策を講じることは、信頼性を高め、長期的なビジネスの安定にもつながるはずです。

データ分析

企業が日々蓄積している膨大なデータのなかから、価値のある情報を引き出し、
経営戦略に活用することが求められています。

こうしたデータ分析もまた、現代のビジネスにおいて極めて重要なスキルです。

データ分析を学ぶことで、顧客や業務のデータを整理し、改善点や新たなビジネスチャンスを発見できるようになります

さらに、スキルが向上すれば、客観的なデータに基づいた問題解決が実現し、組織内での価値が一層高まることでしょう。

また、データサイエンティスト検定やPython3エンジニア認定データ分析試験といった、資格試験に合格すれば、
能力の客観的な証明が可能です。

マーケティングスキル

デジタル化が進む現代においては、WebサイトやSNSを活用したデジタルマーケティングが欠かせません。

効果的なマーケティング戦略を立案し、実行するためには、
消費者のニーズや市場の動向を的確に把握する能力が求められます

リスキリングを通じて、マーケティング戦略の企画立案やSEO(検索エンジン最適化)などのスキルを学べば、
新規顧客の獲得や既存顧客の満足度向上につながるでしょう。

インターネット広告やSNSマーケティングは、今後ますます重要になる分野であり、
これらのスキルは企業の成長を支える強力な武器となります。

マネジメントスキル

マネジメントスキルは、組織の目標達成に向けて、リーダーシップを発揮し、
チームを導いていくために不可欠な能力です。

目標設定や進捗管理だけではなく、メンバーの評価やフィードバック、
そして傾聴能力といったヒューマンスキルも、マネジメントスキルとして大切な要素となります。

リスキリングによって、これらのスキルを高められれば、チームの生産性や業務効率を向上させ、
組織の成長を支えることが可能です。

管理職や経営者、そして幹部候補生などの将来を担う人材にとって、特に重要なスキルであり、
このスキルを磨くことで、より多くの企業で活躍できる可能性が広がります。

英語

グローバル化が進むにつれて、ますます注目されているスキルが英語です。

海外進出を目指す企業や、国際的なビジネスを展開する企業にとって、英語は身につけておかなければならない能力です。

英語を駆使できるようになることで、外国の顧客や取引先と円滑にコミュニケーションをとり、
販路や事業を拡大できます。

また、日本の少子高齢化を背景に、外国人労働者の増加が見込まれており、
今後は英語でのコミュニケーションや教育が必要な場面が増えていくでしょう。

TOEICやTOEFL、ケンブリッジ英語検定などの資格を取得すれば、語学力を証明でき、キャリアアップにもつながります

コーチングスキル

コーチングスキルは、ほかの社員の成長をサポートし、モチベーションを向上させるために用いられる能力です。

コーチングは、単に指示を出すだけではなく、質問や提案を通じて相手の内面にアプローチし、
個々のポテンシャルを引き出す手法です。

このスキルには、傾聴力や質問力、承認力が含まれており、相手の感情や価値観に寄り添いながら、
自己理解や問題解決へと導きます。

特に、管理職やリーダーにとっては部下の成長を促し、チームの生産性向上を支えるために欠かせないスキルです。

コーチングを活用することで、部下との信頼関係を築き、業務のモチベーションや自主性を高めることができます。

営業スキル

営業スキルは、顧客との関係を構築したり、製品・サービスの提案を行い、企業と顧客をつないだりするための能力です。

このスキルを活かせる業務は、新規顧客の開拓や既存顧客の維持、製品やサービスのプレゼンテーション、
見積もりの作成、契約の締結など、多岐にわたります。

営業職には、高いコミュニケーション能力や顧客のニーズに応じた専門的な知識などが求められます

顧客が抱える課題を発見し、論理的な思考を活かしながら解決策を提案できる力は、
営業職として成果を上げるために重要です。

リスキリングで学ぶスキルの選び方

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リスキリングで学ぶべきスキルは、所属する企業の課題や戦略に大きく影響されます。

ただし、現代のビジネス環境では、DXに代表される第4次産業革命により、技術革新が急速に進んでいるため、
デジタルスキルの習得は業界を問わず重要だといえるでしょう。

プログラミングやビッグデータ分析、AI、情報セキュリティ、マーケティングなどのスキルは、
これからの企業活動に不可欠な要素です。

自社のニーズに合わせて、リスキリングの学習内容を選ぶことが、個人が成長し、
ひいては企業全体の競争力を高める鍵となります。


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リスキリングの始め方

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リスキリングのための学習を始めようと思ったときに起こすべきアクションを、実際の流れに沿って紹介します。

ステップ①理想の人物像や習得したいスキルを明確にする

リスキリングを始めるうえで、ご自身のなかで目的を明確にしておくことは重要です。

業界の動向や将来のビジョンをもとに、どのような人物になりたいのか、どのような能力を求めるのかを検討しましょう。

このプロセスは、その後の計画立案や、学習方法の選定の際、大きな指針となります。

なぜそのスキルを習得したいのかを、改めて考える時間を設けることで、モチベーションの維持にもつながるはずです。

ステップ②学習計画を立てる

なりたい姿が明らかになったら、それを実現するための具体的な学習計画を立てます。

仕事の通常業務に支障をきたしては本末転倒なので、ご自身の能力を考慮して、
柔軟に対応できるスケジュールを組んでください

なお、このとき立てた学習計画は絶対ではなく、定期的に見直し、進捗に応じて計画を調整する必要があります。

ステップ③学習方法を選び、リスキングを実施する

次に、スキルを学習する方法を選びましょう。

リスキリングの手段として用いられる方法には、多様な種類があります。

【リスキリングの学習方法】

・オンライン講座

・OJT

・社内の勉強会

・書籍

・eラーニング

これらの方法は、どれもメリットとデメリットが存在します。

実践的な内容が含まれているかどうかを確認し、ご自身に適した効率的に学べる方法を選んでください。

理想的な学習方法を選択したあとは、スケジュールに沿ってリスキリングを実施します。

ステップ④リスキングで学んだことを実践で活かす

身につけたスキルを実際の業務に活かすことが、リスキリングの最終ステップです。

学んだ内容をビジネスの場で発揮し、リスキリングの成果を具体化しましょう
職場でスキルを共有することで、組織全体のレベル向上に貢献できるかもしれません。

しかし、習得した内容によっては、すぐには効果を感じられない可能性があります。
その場合は効果を測定する方法を考え、必要に応じて追加の学習を検討し、さらなる自己成長につなげてください。


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リスキリングを始める際のポイント

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最後に、リスキリングを始めるときに意識してほしい2つのことをお伝えします。

ポイント①ゴールを設定する

リスキリングを始めるにあたり、将来的なゴールを決めておきましょう

現状とゴールとのギャップを明確にしなければ、効果的な計画が立てられません。

あらかじめ具体的なゴールを設定しておくことで、学習の要所要所で、
目標に近づけているかどうかを確認できます。

設定するゴールは、習得したスキルを活かしたい実務との整合性をとりながら、考えてください。

ポイント②モチベーションを維持できる仕組みをつくる

スキルの習得には一定の時間を要するため、途中で挫折してしまわないために、
モチベーションを維持する仕組みづくりが欠かせません。

たとえば、目標に向かって一緒に努力できる仲間を集めたり、成長していることを体感できる機会を設けたりと、
取り組みを継続できる環境を整えておきましょう

モチベーションを高く保つことは、学習による効果を増進させ、より良い成果の獲得へとつながります。


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リスキリングで学ぶべき内容は、企業の課題によって異なる

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本記事では、リスキリングの概要や学ぶべきスキルについて解説しました。

デジタルスキルやコーチングスキルなど、役立つ能力は多くあるため、
所属する企業の課題をもとにリスキリングの学習内容を決定しましょう。

なお、外国人労働者の支援のため、日本語教育の資格を取得するのも一案です。

母語話者であっても正確な日本語を教えるのは難しく、外国人労働者に指導するためには、
改めて外国語としての日本語教育を学ぶことが大切です。


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この記事の監修者

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松田 良子 Ryoko Matsuda

ルネサンス日本語学院 日本語教師養成講座講師

《資格》日本語教師養成課程修了・日本語教育能力検定試験合格

《経歴》日本語教師養成講座を修了後、約30年に渡り、大使館、留学生、インターナショナルスクール、企業などで日本語教育に従事。また、(社)国際日本語普及協会の「地域日本語教育コーディネーター研修」修了後は、地域の日本語教育、ボランティア支援や教育委員会日本語研修プログラム、NHK文化センター、一部上場企業などへの日本語教育コーディネイトや日本語教師養成に携わり、日本語教育総合支援など多方面で活躍中。

《専門分野》就労者・生活者・年少者に対する日本語教育。

《監修者からのコメント》

日本語教師の勉強は、「知識」だけでも、「技術」だけでもだめです。 両方揃って初めて「学習者」という同乗者が安心して授業を受けられます。単なる知識の講座ではなく、皆さんより少し先を歩く私たち現役日本語教師が考え、悩み、苦労してたどり着いた答えを多く取り入れた「現場目線」を意識しています。
私自身、国語教師を目指し、日本語の文法にも自信があったにもかかわらず、「こんにちは。」の使い方を外国人に教えられなかった…というショックから、「日本語」に興味を持ち、日本語教師になりました。日本語教育業界は、わかりやすそうでわかりにくいですから、この業界の専門知識のある人に相談することがおすすめです。ぜひお気軽にお問い合わせください。