日本語教師養成コラム

40代からのセカンドキャリアを成功させるおすすめの資格

公開日:2025.01.28 更新日:2025.02.21

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松田 良子 Ryoko Matsuda

ルネサンス日本語学院 日本語教師養成講座講師

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「人生100年時代」といわれる現代では、新たな業界・業種で活躍する"セカンドキャリア"を意識する人も少なくありません。

特に40代以降でセカンドキャリアにチャレンジするとなると、
まったく新しい世界に飛び込むのですから、専門の資格を持っていると安心です。

そこで本記事では、40代からのセカンドキャリアを成功に導いてくれる、おすすめの資格を紹介いたします。

新しい人生のスタートをお考えの方は、ぜひご一読ください。

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40代からのセカンドキャリアが注目を集めている理由

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転職サービスを運営する株式会社エン・ジャパンが30~50代の社会人に実施した調査では、
いずれの年代でも「セカンドキャリアを考えたことがある」と回答がありました。

そのうえで、35歳以下~45歳のユーザーの多くが40代でのセカンドキャリアへの移行を考えているそうです。

では、なぜ40代からのセカンドキャリアが注目を集めているのでしょうか? これには、主に2つの理由が考えられます。

参照元:第170回アンケート集計結果「「セカンドキャリア」について - ミドルの転職

40代はキャリアの転換期であるため

40代という年代は、人生においてキャリアの転換期といえます。

仕事では年齢とともに求められる業務の質や難易度が上がっていくのが、わが国におけるスタンダードです。

多くの人にとって20代は知識や技術を習得する時期であり、30代になると20代のあいだに培った
知識・技術を活かして実践を重ね、経験を蓄積していきます。

そして40代では、これまでの経験を基に組織のマネジメントを担うこととなりますが、
なかには「マネージャーではなく、生涯プレイヤーでいたい」と思う方もいるでしょう。

そのタイミングで、これまで培ってきた社会人経験を土台に、
新たなフィールドで活躍するセカンドキャリアを目指すというケースがあるのです。

働き方が多様化しているため

近年は価値観の多様化に伴い、「仕事とは、こうあるべきだ」という
ひとつの正解にこだわらない風潮が形成されつつあります。

それによって、キャリアの転換期である40代が、より"自分らしい働き方"を模索し、
セカンドキャリアへのチェンジを目指していると考えられます

コロナ禍以降、リモートワークが普及し、従来の"出社して仕事する"といったスタイルに
とどまらない働き方が市民権を得るようになりました。

また、フリーランスや個人事業主といった働き方も広まっています。
働き方そのものに対し、いろいろな価値観が生まれてきているということです。

40代からのセカンドキャリアを積みたいときにやるべきこと

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40代からセカンドキャリアへのチェンジをお考えであれば、資格の取得をおすすめします。

40代になると多くの職場ではマネジメントを任されることからもわかるように、
世間一般では、40代であれば"一定のスキル・経験がある"と見なされるためです。

未経験の業界・業種にチャレンジするのであれば、資格を取得して専門知識を身につけておくと、
転職や独立をするうえでも安心でしょう。

40代からのセカンドキャリアにおすすめの国家資格9選

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それでは、40代からのセカンドキャリアを目指すにあたり、おすすめの資格を紹介します。

まずは国家資格からです。


<関連記事>セカンドキャリアに活かせるおすすめの資格10選!

①登録日本語教員

登録日本語教員は、2024年に新たに作られた国家資格です。

従来、日本語教師の資格は民間資格のみでしたが、在留外国人の増加に対し日本語教師が不足している状況を受け、
国家資格として登録日本語教員が生まれました。

登録日本語教員の資格を取得すれば、文部科学大臣が認定した
"認定日本語教育機関"(いわゆる日本語学校)で働くことができます。
日本語教育の第一線といえる場で、教育者としてスキルアップしながら学習者をサポートし、
充実したセカンドキャリアを目指せるでしょう。

ほかにも大学などの教育機関で講師として日本語を教えたり、
また外国人が多い企業で従業員に日本語のレッスンを行ったり......といった働き方が挙げられます。

フリーランスとして独立し、日本語のプライベートレッスンを開くことも可能です。

さらに、海外の日本語学校に就業し、日本語を使いながら海外で働くといった選択肢もあります。

登録日本語教員は、慣れ親しんだ日本語という言語を追求し、グローバルな働き方もできる、
多大な可能性を秘めた資格といえます。

②行政書士

雇用形態の選択肢が多く、将来性があるためセカンドキャリアに向いている国家資格としては、行政書士も挙げられます。

そもそも行政書士とは、官公署に提出するさまざまな書類の作成や、書類提出手続きの代理業務、相談業務などを行う職業です。

"業務独占資格"とよばれる、専門の資格がなければ就くことのできない職業なので、
行政書士として働くには国家試験に合格する必要があります。

なお、行政書士の主な就職先は法務相談所や弁護士事務所などの"士業事務所"となります。
士業事務所で働いて経験を積んでから、独立開業するケースも珍しくありません。

また、建設業や不動産業を営む一般企業に就職し、法務部または総務部などの
法律に関わる機会の多い部署で働くといった選択肢もあります。

雇用形態としては、正社員とアルバイトがありますが、実務経験がない状態で正社員として働くのは
あまり現実的ではないでしょう。

基本的には、アルバイトから始めてキャリアを重ねながら正社員を目指すこととなります。

③税理士

税理士も行政書士と同様に、業務独占資格に該当する職業および国家資格の一つです。

主な業務として、企業または個人の税務署への申告・申請の代行や、税務に関係する必要書類の作成、
税務相談への対応などを行います。

就職先としては会計事務所を連想する方も多いかもしれませんが、
近年は一般企業の経理・財務でも有資格者が求められています

また、金融機関やコンサルティングファームでも税理士資格を持っている人材の需要があるようです。

なお、就職にあたっては「若ければ若いほど有利」とされていますが、40代の方にもチャンスはもちろんあります。

管理能力や折衝能力のある人材を求めている会計事務所では、
40代以降の採用を考えているケースもあるため、むしろ重宝されるかもしれません

また収入に関しては、会計事務所の場合は低めの給与からスタートするのが一般的です。
最初からある程度の給与を求めるのであれば、税理士資格を活かせる一般企業への中途入社を検討するとよいでしょう。

④社会保険労務士

社会保険労務士は、社会保険や労働関連の法律に則り、人事や労務管理の業務を行う職業および、
そのために必要な国家資格です。

事業活動では欠かせない雇用や労働問題、公的年金などの分野で唯一の国家資格であるため、需要が高い仕事といえます。

主な就職先には、社会保険労務士事務所・会計事務所・弁護士事務所といった士業事務所のほか、
一般企業もあります。 社会保険労務士としてのスキルをフルに活用して業務にあたれるのは、社会保険労務士事務所です。

ただし、40代の場合は資格があったとしても、未経験で社会保険労務士事務所に採用されるケースは稀のようです。

近年は資格保持者が増加している一方で、求人が少ないので狭き門となっているという実情もあります。
就職活動にあたっては、ご自身の専門知識やスキルの活かせる事務所を選び、
マネジメント経験をアピールすると有利にはたらくかもしれません。

また社会保険労務士の資格を活かすことのできる一般企業に就職するといった選択肢もあります。

⑤宅地建物取引士

不動産業界でのセカンドキャリアをお考えであれば、宅地建物取引士の資格を検討するとよいでしょう。

宅地建物取引士は、簡単にいうと「不動産取引の専門家」です。

具体的には、買主や借主に対して、契約締結前の重要事項の説明や重要事項説明書および契約書の作成などを行います。
不動産会社では、従業員5名につき1名以上の宅地建物取引士の所属が義務付けられているので、
需要の高い資格といえます。

さらに、宅地建物取引士の就職先は不動産会社だけにとどまりません。
自社で建築した物件を販売している住宅メーカーでも、販売にあたって宅地建物取引士が必要です。

また不動産への融資を行っている金融機関では、融資の際に不動産の担保価値を評価することとなり、
その際不動産の専門知識が必要となるため宅地建物取引士が求められます。

なお、宅地建物取引士として登録するには、2年以上の実務経験あるいは登録実務講習の受講が必要です。
セカンドキャリアを積むにあたっては、その点もご留意ください。

⑥マンション管理士

不動産に関連する国家資格としては、マンション管理士とよばれるものもあります。

マンション管理士は、マンションの管理規約の作成や修繕工事の計画作成、
住民間のトラブル解決など、マンション管理の専門家となる職業です。

多くの場合、マンションの住民が管理組合を運営しているので、
管理組合に対し専門家の立場でさまざまなアドバイスを行うこととなります。

従来はマンション管理会社や建築会社で勤務するのが主流でしたが、
近年は不動産会社で勤務するケースが増えつつあります。

独立開業というルートもありますが、マンション管理士の資格のみでの独立は一般的ではありません。
行政書士や土地家屋調査士など、ほかの資格がある方のセカンドキャリアとして、
マンション管理士の資格を取得したうえでの独立が挙げられます

またマンション管理士は、年齢が高くても働くことができるので40代からのセカンドキャリアにも適しています。
さまざまな人と関わる都合上、社会経験が豊富な人材が求められるためです。

⑦キャリアコンサルタント

キャリアコンサルタントは、2016年4月に創設された比較的新しい国家資格です。

求職者からの相談に応じる相談員の国家資格で、有資格者のみがキャリアコンサルタントを名乗ることができます。

具体的には、働いている人や「働きたい」と思っている人の相談に乗り、
その人が希望を叶えて働くためのアドバイスを行う仕事です。

40代からのキャリアチェンジをお考えであれば、実際にキャリアコンサルタントに相談することとなるかもしれません。

資格を取得し、登録手続きを行ってからは、キャリアコンサルタントとして企業や団体に所属します。
未経験者の就職先としては、大学や専門学校などの教育機関や、各自治体の就職相談窓口などが挙げられます。

後者に関しては、たとえば地域若者サポートステーションや就労移行センターなどがあり、
地域の求職者に寄り添ったサポートを行えるでしょう。

また資格取得の際に培った知識を活かして、人材エージェントや人材派遣会社に就職するといった選択肢もあります。

⑧ファイナンシャル・プランニング技能士

"お金の専門家"であるファイナンシャルプランナーになるための国家資格が、
ファイナンシャル・プランニング技能士です。

ファイナンシャルプランナーは、一般の人々に対し、家計管理や教育資金の準備、
老後の生活設計など、暮らしとお金に関するアドバイスを行います。

ファイナンシャル・プランニング技能士の試験には1級、2級、3級があり、
仕事上の肩書で有効とされているのは2級以上です。

就職先の選択肢が多いのがファイナンシャルプランナーの特徴で、特に資格を活用できるのは、
銀行の相談窓口や保険会社の営業職、証券会社のコンサルタントです。
不動産会社で働いて、顧客に住宅購入の資金計画をアドバイスするといった活躍の可能性もあります。

また、既に税理士の資格を持っている方がファイナンシャル・プランニング技能士にも合格すれば、
将来的な独立も夢ではありません。

税理士の資格だけでも独立開業は可能ですが、ファイナンシャル・プランニング技能士の資格が、
仕事の幅をより広げてくれます。

⑨保育士

子どもと関わる仕事に興味のある方は、保育士を目指してみてはいかがでしょうか。

保育士は、有資格者でなければ名乗ることのできない"名称独占資格"であるため、
国家資格に合格すれば保育士となることができます。

「そうは言っても、若い先生が多いイメージだし、40代からなれるものなの?」と思われるかもしれません。

しかし近年は、日本国内で保育士不足が続いているので、
保育士未経験の40代であっても採用される可能性は十分にあります。

60歳を過ぎても現役で活躍している方もいるので、決して「若くなければ働けない仕事」ではないのです。

むしろ40代であれば、ご自身の社会人経験や子育ての経験をフルに活かして、
セカンドキャリアとして活躍することができるかもしれません。

特に子どもたちの保護者の対応は、若手の保育士よりも人生経験が豊富な40代の保育士のほうが得意といえます

選考を受ける際は、ご自身のスキルや経験が保育士業務にどのように活かせるか? をアピールするとよいでしょう。

40代からのセカンドキャリアにおすすめの民間資格5選

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続いて、おすすめの民間資格も紹介いたします。

なお、ここで取り扱うのはあくまでも資格の大まかなカテゴリとなります。

実際の資格名は運営元の会社により異なりますので、詳細を知りたい方は個別にご確認ください。

①医療事務

未経験から医療業界へのキャリアチェンジをお考えの方には、医療事務の資格取得がおすすめです。

資格がなくとも働くことはできますが、未経験なら資格があると安心でしょう。

医療事務の仕事では、患者さんの受付や案内、カルテの管理や会計業務など、
病院の受付・事務に関する業務全般を担います。
窓口として患者さんの役に立ち、時には感謝されることもある、やりがいのある仕事です。

資格があれば一度退職しても再就職しやすいため、ライフスタイルの変化によって退職を余儀なくされても
比較的すぐに就職先を見つけられます。

また就職先の病院によっては、資格取得をサポートする福利厚生が用意されている場合もあるので、
働きながらスキルアップが期待できます

②調剤薬局事務

医療事務のほかにも、セカンドキャリアで目指せる医療関係の職業としては調剤薬局事務も挙げられます。

調剤薬局事務は、その名の通り調剤薬局に勤務し、患者さんの窓口対応や
処方内容の入力をはじめとする事務作業を担う職業です。

また一般的な事務業務のほか、薬剤師のサポートや薬の管理といった、医薬品を扱う業務も行います。

そのため、事務スキルのみならず医薬品やレセプト(調剤報酬明細書)に関する知識も求められ、
業務にあたっては医療関係の法律を遵守する必要があります。

無資格・未経験でも就業は可能ですが、このように覚えることが多いため、40代からのセカンドキャリアとしてお考えであれば、関連資格を取得しておくとよいでしょう。

③介護士

40代からのセカンドキャリアを考えている段階で、比較的すぐの転職を希望しており、
給与の条件も求めるのであれば介護業界を検討してみてはいかがでしょうか。

介護業界もまた人手不足が叫ばれている業界で、未経験・40代での転職も決して珍しくはありません。

さらに、介護職の給与は年々上昇傾向にあるので、安定した収入を望むのであればおすすめの業界といえます。

先述の通り、介護業界は未経験でも採用される可能性が高いので、事前の資格取得は必須ではありません

しかし選考の段階で資格があると、給与面で有利にはたらく可能性があるので
介護業界への本格的なキャリアチェンジをお考えであれば資格は取得しておくとよいでしょう。

④簿記

簿記は、さまざまなキャリアにつながる資格です。 簿記3級を取得していれば、
40代からでも会計事務所の事務や一般企業の経理部門などに挑戦することができます。

特に会計事務所では、業務を通じて税に関する知識が培われます。
簿記のスキルを活かして働きながら、セカンドキャリアとして税理士を目指すことができるというわけです。

また簿記1級を取得できれば、さらに選択肢が広がります

たとえば経理業務の経験があれば、これまでのキャリアと簿記1級の資格を活かして、
会計系コンサル企業に転職し年収アップを狙うことも可能です。

ほかにも英語のスキルのある方は、簿記1級と組み合わせて外資系企業への転職も視野に入れることができます。

⑤Webデザイナー

クリエイティブな仕事でセカンドキャリアを積みたい方には、Webデザイナーという選択肢があります。

Web業界は人手不足なので、未経験可の求人を出している企業も少なくありません。
そしてWebデザイナーに求められるのは年齢よりもスキルの高さです。

そのため、資格を取得して独学でスキルを積み、説得力のあるポートフォリオを作成することができれば、
40代でのキャリアチェンジも夢ではないでしょう。

またWebデザイナーは、パソコンと専用ツールさえあればどこでもできる仕事なので、
フリーランスで働くこともできます

まずは副業としてWebデザイナーの案件を請け、
経験を重ねて自信がついたら独立する、といったルートであれば未経験からの独立も可能です。

セカンドキャリアのために40代で資格を取得するメリット

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ここで改めて、40代からセカンドキャリアを積むにあたり、資格を取得するメリットを確認しておきましょう。

メリット① 未経験でも有利にはたらく

一般的に、40代は採用の場において「自社の即戦力になるかどうか」という観点で判断されることが多いです。

その際、資格があれば実務未経験でも選考で有利にはたらく可能性があります。
ですから「未経験だからセカンドキャリアは難しそう......」「大卒じゃないからダメかな」と諦める必要はありません。

資格があれば、たとえ実務経験がなくとも、その分野に関する一定の知識や能力を証明できるためです。

専門の資格が、あなたのセカンドキャリアを後押ししてくれる心強い味方となってくれます。

メリット②仕事の幅が広がる

特定の資格があれば、職業の選択肢が広がります。

なぜなら本記事でもご紹介した行政書士や税理士など、
一部の職業は"業務独占資格"とよばれる専門の資格がなければ就業できないためです。

また、"名称独占資格"という資格がなければ名乗ることのできない保育士などの職業もあります。

具体的な職業名は以下をご覧ください。

専門の資格が必要な職業

業務独占資格 名称独占資格

・弁護士、弁理士

・行政書士

・司法書士

・税理士

・公認会計士

・通関士 l 医師

・看護師 l 薬剤師

・美容師、理容師

・一級建築士

・栄養士

・調理師

・司書

・介護福祉士

・社会福祉士

・保育士

上記の職業もセカンドキャリアの選択肢に入れることができます。

メリット③自信につながる

必ずしもセカンドキャリアに直結する内容ではないかもしれませんが、
資格を取得することで自分に自信を持てるといったメリットも挙げられます。

資格は誰でも簡単に取得できるわけではなく、日々の仕事や家事の合間に勉強を重ね、試験に合格する必要があります。

その努力が実り、晴れて資格取得となれば「自分はこれだけ努力したんだ」といった成功を実感し、
自信へとつながっていくことでしょう。

また、その自信がある状態で中途採用の面接を受ければ、未経験の業種でも堂々と臨めるかもしれません。

メリット④働き方を選択できる

資格があれば、定年にとらわれない働き方が選択肢に加わる場合もあるので、
ご自身のライフステージに合わせて柔軟に働いていくこともできます。

たとえば先述の通り、資格が転職を助けてくれるのはもちろん、資格を活かして副業を始めたり、
フリーランスとして働いたり......といったことも挙げられます。

また、なかには定年の存在しない職業に就ける資格も存在するので、
ご自身が希望さえするのであれば生涯現役で活躍することもできるでしょう

セカンドキャリアを積むために取得する資格の選び方

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キャリアチェンジのために、資格を取得しておくメリットはご理解いただけたでしょうか。

しかしそのうえで、
「40代からのキャリアチェンジに向いている資格がありすぎて、どう選べばよいのかわからない......」
とお悩みの方もいらっしゃることでしょう。

そこで以下では、セカンドキャリアに向けて資格を取得するにあたり、
どのような基準で資格を選べばよいのか? といったポイントをお伝えします。

ポイント①目的に合っているか

まずはセカンドキャリアを目指す目的を整理して、その目的と合っている資格を選びましょう。

ひと口にセカンドキャリアといっても、どのようなキャリアを歩んでいきたいのかは十人十色ですし、
当然、目指したいキャリアごとに適した資格も異なります。

たとえば「日本語学校で、海外の方と接しながら日本語教師として働きたい!」とお考えであれば、
登録日本語教員の資格を取得することが求められるようになります。

あるいは「フリーランスのWebデザイナーとして時間や場所にとらわれず活躍したい!」という方でしたら、
Webデザイン関係の民間資格が求められるでしょう。

また世の中には同じ"資格"でも、趣味の範囲で楽しむことを主な目的としたものと、仕事に役立つものが存在します

セカンドキャリアに向けて資格を取得したいのであれば当然、後者が適しているので、
「この資格は仕事の役に立つのか」も確認しておくと安心です。

ポイント②これまでの経験やスキルを活かすことができるか

これまでに培ってきた人生経験や、仕事で獲得したスキルを活かせる資格であれば、
まったく未経験の分野よりもスムーズに取得できるでしょう。

たとえば、長年人事として従事してきた方なら、業務で得た知識を活かして
社会保険労務士の資格を取得できると考えられます。

反対に、自分の経験やスキルをあまり活かせない資格を取得しようとすると、
難易度が高く挫折してしまう可能性も否めません。

勉強が苦手な方や、できるだけすぐに資格を取りたい方は、ご自身の経験と関連性の高い資格を選ぶことをおすすめします。

とはいえ、新しいことにチャレンジする姿勢自体は素晴らしいものです。

未経験の分野でも、一生懸命努力すれば資格を取得し、セカンドキャリアを重ねていける可能性は十分にあります。

専門の講座を受講するなどして資格取得を目指す方法もありますので、一般論にとらわれすぎずに、
ご自身が思い描くキャリアへとつながる資格を選ぶとよいでしょう。

ポイント③自分のレベルに合っているか

資格によって難易度や勉強の進め方が異なりますので、ご自身のレベルに合ったものを選ぶことも大切です。

『ポイント②これまでの経験やスキルを活かすことができるか』でお伝えしたのと同様に、
レベルに合っていない資格では、勉強が苦痛となり挫折することも考えられます

ご自身のレベルに合っている資格であれば、未経験の分野であっても取得しやすいかもしれません。

また、資格取得後の仕事も長く続けられると考えられます。

ポイント④ニーズのある資格かどうか

ご自身に合った資格であることも大事ですが、セカンドキャリアを考えるなら、
そもそも"社会的にニーズのある資格かどうか"も非常に大切なポイントとなります。

40代からのキャリアチェンジでこれからも稼いでいきたいならば、
完全に好きなこと"だけ"で生きていくのは現実的に難しいものです。

そのため、今現在描いているキャリアプランとマッチしたうえで、社会的ニーズの高い資格を選ぶことをおすすめします。

ポイント⑤合格の可能性は高いか

候補の資格が複数ある場合は、それぞれの合格実績や試験の出題傾向を調べて、合格しやすいほうを選びましょう。

たとえばファイナンシャルプランナーに関する資格には、日本FP協会の運営する『FP技能検定』と
金融財政事情研究会による『ファイナンシャル・プランニング技能検定』があります。

このように、同じ職業を対象としているものの運営元によって資格が複数種類に分かれている場合があり、
試験内容もそれぞれ異なります。

いくつかの資格を比較したうえで、合格しやすいものを選ぶと安心です。

ポイント⑥未経験でも使う ことができるか

もし具体的なキャリアプランが立っておらず、「とりあえず、セカンドキャリアのために何か資格が欲しい」と
お考えなら、未経験でもすぐに使える資格を選んでみてください。
慢性的に人手不足となっている業界の資格ならば、取得後すぐに即戦力となれる可能性もあるためです。

たとえば、介護業界や運送業・建設業などがそれにあたります。

このように、未経験でも人手不足の業界の助けとなれる資格はいくつも存在します。
資格選びにお悩みの方は、このような分野もぜひご検討ください。

ポイント⑦国家資格か民間資格か

先ほど、おすすめの資格をご紹介した際もそうだったように、資格は"国家資格"と"民間資格"の大きく二つに分けられます。
両者のうち、どちらを選ぶのか? といった点も考えてみましょう。

基本的に、実用性が高く世間一般からの信頼性も高いのは国家資格なので、
セカンドキャリアを積むにあたって役に立ってくれる可能性は十分にあります。

ただしその分、試験の難易度が高く、なかには取得に年単位の時間を要するものもあるため、
今後のキャリアプランも踏まえて検討したいところです。

一方の民間資格は、必ずしも「国家資格よりも需要が低い」とは言い切れません。
内容によっては、民間資格であっても保有していれば一定の知識がある旨をアピールできる可能性があります

また、民間資格を取得することで勉強へのモチベーションが上がり、
「次は国家資格にもチャレンジしてみよう」という気持ちになることも考えられます。

一概に「どちらのほうが良い」とは断言できないため、これまでにお伝えしてきたポイントも踏まえたうえで、
ご自身に合う資格を選んでみてください。

ポイント⑧長く働ける資格か

40代からセカンドキャリアを積むにあたっては、その後の人生でも長く活用して、
働いていくことのできる資格を取得するとよいでしょう。

"長く働ける資格"とは、つまり定年退職のない仕事につなげることのできる資格です。

一例としては公認会計士や税理士などの独立開業できる仕事や、
日本語教員やWebデザイナーのようにフリーランスとしても活躍できる仕事が挙げられます。

40代、50代、60代......と、これからの人生ではどのような仕事をしていきたいのか? を踏まえ、
できるだけ長く活躍できる資格を選びましょう。

セカンドキャリアのために 資格を取得するコツ

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以上、40代からセカンドキャリアを積むにあたり、資格を選ぶ際に押さえておきたいポイントをお伝えしました。

「この資格をとってみようかな」と、具体的なイメージは浮かんできましたでしょうか?
資格取得を目指すにあたっては、スクールや通信講座などを活用して勉強を進めるのがおすすめです。

質問対応や添削などのサポートが充実しているサービスであれば、独学よりも効率的に勉強することができます。

なお、スクールや講座を選ぶ際は、通い始めてから実際に資格を取得できるまでの期間を確認しておきましょう。
同じ資格であっても、カリキュラムによって取得までに要する期間が異なるためです。

転職や独立など、資格を活用したいタイミングまでに間に合うことはもちろん、
ご自身の学習ペースに合ったカリキュラムであることもきちんと押さえておきたいところです、

40代からのセカンドキャリアを成功させるためには?

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最後に、40代からのセカンドキャリアのスタートを成功させるために、大切なポイントをお伝えします。

目標を明確にする

セカンドキャリアを切り開くことで、どうなりたいのか? といった目標を明確にしましょう。

目標が決まれば、そのためには具体的に何が必要か? が浮かび上がってきます。
大切なのは「自分は何がしたいのか」なので、「独立して自分の好きなように生涯現役で働く」
「お金と自由な時間を手に入れて、世界中を旅行する」など、なんでも構いません。

家族からの理解を得る

目標を立てたら、家族とシェアして理解してもらうことも大切です。

セカンドキャリアを目指すうえでは、ときに大変なこともあります。
そのようなときに家族が寄り添って応援してくれると、きっと何よりも心強い気持ちになって勇気をもらえるはずです。

何かトラブルがあった際には、家族の協力によって解決できる可能性もあります。

自分の得意・不得意を把握する

ご自身の得意・不得意、言い換えると強みと弱みを改めて振り返ってみましょう
定めた目標と、得意・不得意を照らし合わせることで「目標の実現のためには何をすればよいのか」が明確になります。

柔軟かつ謙虚な姿勢を意識する

セカンドキャリアのための勉強や、セカンドキャリアを実現してからの業務など、
これからの日々では柔軟かつ謙虚な姿勢を意識したいものです。

セカンドキャリアを積むということはつまり、環境も人間関係も仕事内容もすべてリセットされ、
一からのスタートとなるということです。

40代であれば、これまでは部下や後輩にものを教える立場だったかもしれませんが、
セカンドキャリアでは教わる立場となります。

また、新しいことを始めるがゆえに失敗することもあるでしょう。

そのようなときこそ、柔軟な姿勢と謙虚な心が成功に導いてくれます。

積極的に学びつづける

40代という年齢で新しい分野にチャレンジするのですから、"学び"は不可欠です。

このとき意識したいのは、"必要だと感じたことはどんどん学ぶ"ということです。

たとえば起業を目指している場合、ビジネスに関することはもちろん、
もし会計の知識が乏しいならば簿記も勉強する......といったことが挙げられます。

目標達成に向けて、得意を伸ばして不得意をカバーするために知識・スキルに対して貪欲になり、ひたすら学びましょう

スキルアップを助けてくれる資格を取得して、40代からのセカンドキャリアを切り開こう

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今回は、40代からのセカンドキャリアに焦点を当て、おすすめの資格を紹介いたしました。

40代からのキャリアチェンジを成功させるには、専門の資格が心強い味方となってくれます。

今回ご紹介した内容を参考に、セカンドキャリアへの第一歩としてまずは資格取得を目指してみてください。

なお、本記事で取り上げた登録日本語教員にご興味のある方で、日本語教師として現職の方には「日本語教員国家試験対策コース」がおすすめです。未経験の方は「登録日本語教員養成・実践研修コース」であれば、登録日本語教員の国家試験でも「基礎試験」と「実践研修」が免除されます。 それぞれ経験豊富なベテラン講師が、徹底的にサポートいたします。


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この記事の監修者

監修者の写真

松田 良子 Ryoko Matsuda

ルネサンス日本語学院 日本語教師養成講座講師

《資格》日本語教師養成課程修了・日本語教育能力検定試験合格

《経歴》日本語教師養成講座を修了後、約30年に渡り、大使館、留学生、インターナショナルスクール、企業などで日本語教育に従事。また、(社)国際日本語普及協会の「地域日本語教育コーディネーター研修」修了後は、地域の日本語教育、ボランティア支援や教育委員会日本語研修プログラム、NHK文化センター、一部上場企業などへの日本語教育コーディネイトや日本語教師養成に携わり、日本語教育総合支援など多方面で活躍中。

《専門分野》就労者・生活者・年少者に対する日本語教育。

《監修者からのコメント》

日本語教師の勉強は、「知識」だけでも、「技術」だけでもだめです。 両方揃って初めて「学習者」という同乗者が安心して授業を受けられます。単なる知識の講座ではなく、皆さんより少し先を歩く私たち現役日本語教師が考え、悩み、苦労してたどり着いた答えを多く取り入れた「現場目線」を意識しています。
私自身、国語教師を目指し、日本語の文法にも自信があったにもかかわらず、「こんにちは。」の使い方を外国人に教えられなかった…というショックから、「日本語」に興味を持ち、日本語教師になりました。日本語教育業界は、わかりやすそうでわかりにくいですから、この業界の専門知識のある人に相談することがおすすめです。ぜひお気軽にお問い合わせください。