コラム

【2023年度版】日本語教育能力検定試験の合格点・合格率の傾向を徹底解説

2023.04.21

合格・不合格

「日本語教育能力検定試験の合格点・合格率の推移は?」
「日本語教育能力検定試験の合格にはどんな勉強法が効果的?」

近年では、日本国内の外国人労働者の需要の増加にともない、国内外における日本語教育のニーズも高まっています。
そこで、活躍が求められているのが日本語教師という仕事です。
日本語教師は、教えることが好きな人、外国人と関わることが好きな人、日本の文化を世界に広めていきたい人などにおすすめです。

日本語教師を名乗るのに必須の資格等はありませんが、取得しておくと就職や給与面で有利に働くのが、日本語教育能力検定試験です。
日本語教育能力検定試験では、日本語教育に関する基礎的知識や、教育現場における問題解決に対する応用力が求められます。

では、日本語教育能力検定試験の合格点や合格率はどうなっているのでしょうか。
本記事では、日本語教育能力検定試験の合格点・合格率、そして合格に必要な勉強法についてご紹介します。
日本語教育能力検定試験の受験を考えている人、挑戦する予定がある人は必見です。

日本語教育能力検定試験とは

日本語教育能力検定試験は、日本語教員となるために学習している者、日本語教員として教育に携わっている者を対象として、日本語教育の実践につながる体系的な知識が基礎的な水準に達しているかどうか、状況に応じてそれらの知識を関連付け多様な現場に対応する能力が基礎的な水準に達しているかどうかを検定することを目的としています。
(参考:JEES 日本語教育能力検定試験ホーム

日本語教育能力検定試験では、日本語教育に関する基礎的知識から、異文化理解、そしてコミュニケーション論まで、日本語教育において必要な能力を問う内容が出題されます。

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<試験の構成>

科目 解答
時間
配点 測定内容
試験Ⅰ 90分 100点 原則として,出題範囲の区分ごとの設問により,日本語教育の実践につながる基礎的な知識を測定する。
試験Ⅱ 30分 40点 試験Ⅰで求められる「基礎的な知識」および試験Ⅲで求められる「基礎的な問題解決能力」について,音声を媒体とした出題形式で測定する。
試験Ⅲ 120分 100点 原則として出題範囲の区分横断的な設問により,熟練した日本語教員の有する現場対応能力につながる基礎的な問題解決能力を測定する。

日本語教育能力検定試験の概要についてしっかり把握しておきたい方は、公益財団法人日本国際教育支援協会のHPとあわせて、以下の記事もご覧ください。

日本語教育能力検定試験の平均点と傾向

2022年度(令和4年度)日本語教育能力検定試験の合格最低点は、非公開になっておりますが、試験ごとの平均点は公開されています。
試験によって満点が異なるため、以下の表は満点に対する百分率で比較しています。
2022年度(令和4年度)と2021年度(令和3年度)の結果を見てみましょう。

【2022年度(令和4年度)・平均点】

試験Ⅰ 57.7%
試験Ⅱ 57.9%
試験Ⅲマーク式 61.7%
試験Ⅲ記述式 56.3%

【2022年度(令和4年度)・標準偏差】

試験Ⅰ 11.9%
試験Ⅱ 14.1%
試験Ⅲマーク式 12.4%
試験Ⅲ記述式 16.3%

【2021年度(令和3年度)・平均点】

試験Ⅰ 59.9%
試験Ⅱ 62.8%
試験Ⅲマーク式 57.0%
試験Ⅲ記述式 51.6%

【2021年度(令和3年度)・標準偏差】

試験Ⅰ 11.2%
試験Ⅱ 14.1%
試験Ⅲマーク式 11.8%
試験Ⅲ記述式 21.0%

2022年度と2021年度を比較すると、試験Ⅲマーク式の平均点がかなり上がっていることがわかります。
しかし、2020年度以前は試験Ⅲマーク式の平均点が、2022年度よりも高かった年度もあるため、年によって変動があると言えます。
しかしながら、標準偏差の順番は例年大きな変わりはなく、例年通り試験Ⅲの記述式と、試験Ⅱの聴解問題で差がついています。
マークシートの記入ミスをしないことは大前提とし、記述式と聴解試験に対応できる力をつけていけば、合格が見えてくるでしょう。

【2022年度】日本語教育能力試験の合格率

2022(令和4)
全科目受験者数
合格者数 合格率
7076 2182 29.8%

2022年度(令和4年度)の日本語教育能力検定試験の合格率は29.8%でした。
前年度の28.9%と比較すると、合格率は0.9%増加しています。

2022年度に実施された社会福祉試験の合格率が31.3%であったことから、一部の国家試験と同じぐらいの難易度であるとも言えます。
ですが、合格率だけに気を取られるのではなく、対策をしつつ、自分の苦手をつぶしていくことが非常に重要です。

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日本語教育能力試験の平均合格率と合格率の推移

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2018年度から2022年度にかけての平均合格率は28.2%です。

年々、日本語教育能力検定試験の合格率は上昇傾向にあります。
1987年からの長い歴史のなかで、近年では出題傾向や出題範囲がより明確されているため、受験対策がしやすくなっていることも、合格率上昇の理由だと考えられます。

日本語教育能力検定試験は難易度の高い試験ではありますが、長い歴史の中で多くの問題集も出版されており、しっかり対策すれば、十分に合格する可能性がある試験とも言えます。

<関連記事> 日本語教師の資格は難易度が高い?試験の合格率やおすすめの勉強法を公開

日本語教育能力検定試験に合格するためには

まず合格に必要なのは、基礎内容の網羅的理解です。
テキストや用語集を使用し、基本内容を徹底的に頭に入れましょう。家族や友人に問題を出してもらうのもおすすめです。

次に必要なのは、問題への応用力を身につけるための問題演習です。
単に知識を取り入れるだけでは実際に試験で出題される問題に対応することができません。
テキストなどで頭に入れた知識を、問題に応用できる実践的な知識へと転換しなければなりません。
応用力をつけるのに必要なのは、過去問を繰り返し演習することです。
知識をどのように活用して問題を解くかを理解しながら、実際に問題を解いていくことに慣れましょう。

過去問を繰り返し演習すれば、近年の出題傾向や頻出の出題形式などもわかり、出題されやすい問題を把握したうえで試験に臨めます。
最低でも、過去5年分の過去問題集を購入することをおすすめします。
過去問題集で間違えた問題はそのままにせず、解けるようになるまでテキストや用語集で復習しましょう。
着実に知識を定着させながら、問題を解くための応用力も手に入れることで、試験合格に必要な知識と能力が身につきます。

また、独学で日本語教育能力検定試験の勉強を進めるのであれば、勉強時間やペースについて計画的なスケジュールを作り、管理するのが効率的です。
覚える内容や演習する問題の量を1日ごとに区切ってスケジュールを立てることで、目標を明確にしながら十分な勉強量を着実にこなせます。

お仕事や家事があり、なかなか自分でスケジュール管理をするのが難しい・・・という方には、対策講座がおすすめです。
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日本語教育能力検定試験は挑戦しやすくなっている

日本語教育能力検定試験の合格率は年々上がっており、多くの人にとって合格しやすい試験になってきていると言えます。

日本語教育能力検定試験は、基本知識を徹底的にインプットし、過去問を繰り返し演習すれば、合格が難しい試験ではありません。
現在では国内外で日本語教育の需要が増えてきていますので、日本語教育能力検定試験に合格すれば、さまざまな場所で日本語教師として活躍することができます。

教えることが好きな人、外国人と交流の機会を持ちたい人、日本の文化を世界に広めていきたい人は、ぜひ日本語教育能力検定試験に挑戦してみましょう。
しっかりと学習計画を立て、対策を行っていけば、決して合格が難しい試験ではありません。

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