コラム

オンライン日本語教師は誰でもなれる? 働き方や必要な資格、気になる需要を解説

2023.07.07

日本語教師就職活動中の女性イメージ

「オンライン日本語教師の仕事ってどんな内容?」
「オンライン日本語教師を始めるには資格が必要?」
「オンライン日本語教師の平均年収は?」

最近では、気軽に日本語教師の仕事を始められる、オンライン日本語教師の仕事が人気です。
オンライン日本語教師とはいったいどんな仕事なのか、疑問をお持ちの方も少なくないでしょう。

本記事では、オンライン日本語教師の仕事内容、必要な資格、そして、実際の給与例などを紹介します。

オンライン日本語教師とは

オンライン日本語教師とは、SkypeやZoom、Microsoft Teamsといったオンライン会議サービスを利用して、日本語を学びたい外国人に向けて日本語の授業を行う教師です。
個人でオンライン日本語教師として活躍する人もいれば、企業や教育機関と非常勤講師や業務委託といった形で契約をし、学習者を紹介してもらう形でオンライン日本語教師として活躍している人もいます。

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オンライン日本語教師の仕事内容

大学や日本語学校で教える場合と、個人でオンライン教師として教える場合の違いについて、一例をご紹介します。

大学・日本語学校で日本語教師 個人でオンライン日本語教師
授業形態 対面 オンライン
1クラスの学習者数 20名程度 1名~複数名
授業時間 1コマ:45分~90分ぐらい
(教育機関により異なる)
1コマ:60分~
(学習者の希望により決定)
授業内容 ・文法、語彙、読解など
・JLPT、EJU対策
・日本文化、課外授業など
*授業スケジュールに沿って実施
・文法、語彙、読解など
・JLPT、EJU対策
・日本文化、課外授業など
*学習者の希望に沿って実施

授業内容については対面と変わらない場合もあると思いますが、大きく違うのは、誰が授業内容を決定するかということです。
個人でオンライン日本語教師として働く場合は、学習者の数やニーズに合わせた具体的なレッスン計画の提示などの仕事も重要になります。また、会話レッスンの授業なら特に準備をしなくても、その場で自由に話せば授業が成立するように思われるかもしれません。

しかし日本語教師の仕事は、自由な会話だけではありません。
学習者が何について話したいのか、どのような場面で誰と話すための日本語の会話力向上を目指しているのか、学習者のニーズを知ることもオンライン日本語教師の大切な仕事の一つです。
それらを把握したうえで、日常会話や趣味、日本文化についてなど、学習者が必要とする内容について自由に話す場を作ることで、学習者がネイティブの日本語を直接学べる場となるのです。

オンライン日本語教師は副業できる?

オンライン日本語教師の仕事は、副業として始めることも可能です。
言語学習プラットホームや、言語学習マッチングサービスを利用すれば、学習者の集客やレッスン管理などを効率よく行いながら、オンライン日本語教師として活躍することが可能です。

オンライン日本語教師のメリット

ここからはオンライン日本語教師のメリットについて見ていきましょう。

オンライン日本語教師という仕事のメリットには、以下の3つが挙げられます。
①働く時間を自由に選べる
②どこでも仕事ができる
③国内の日本語学校で働く際の3つの条件を満たしていなくても働き始められる場合もある

①働く時間を自由に選べる

オンライン日本語教師の最大のメリットと言えるのが、働く時間を自由に選べることです。
24時間365日のなかで、自分が都合の良い日時を選んで仕事ができます。
自分のパフォーマンスが最大限発揮できるタイミングを選んで仕事ができるので、ストレスなく仕事を続けられます。

②どこでも仕事ができる

オンライン日本語教師の仕事は、ネット回線が繋がる環境であれば、場所を選ばずどこにいても仕事ができます。
学校への出勤や学習者宅への訪問などの必要がないため、自分の好きな場所でストレスなく働くことができるでしょう。
また、通勤時間がなくなるため、時間を有効活用した働き方ができることもオンライン日本語教師のメリットです。

③国内の日本語学校で働く際の3つの条件を満たしていなくても働き始められる場合もある

国内の日本語学校などに勤める場合には、「日本語教育能力検定試験の合格」、「日本語教師養成講座420時間カリキュラムを受講し修了する」といった条件を満たす必要があります。
しかし、オンライン日本語教師はこれらの条件を満たさない場合でも、例えば、会話レッスンの授業を担当する日本語教師として働けることもあります。

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オンライン日本語教師のデメリット

では、オンライン日本語教師として働くにあたり、デメリットとしてはどのような点が挙げられるのでしょうか。
①個人でオンライン日本語教師を始める場合は集客が難しい
②外部のサービスを利用すると手数料が高い場合がある

①個人でオンライン日本語教師を始める場合は集客が難しい

個人で学習者を集客するには、高いマネジメント能力と、SNSや口コミを利用したマーケティング力が必要となります。
そのため、SNSのフォロワーが一定数いたり、レッスンを受けてくれそうな知り合いがいたりする場合を除いて、学習者の集客は難関な課題になります。

②外部のサービスを利用すると手数料が高い場合がある

個人で学習者を集めるより、言語学習マッチングサービスなどを利用する方が学習者を集めやすいでしょう。
しかし、言語学習マッチングサービスなどの外部サービスを利用する場合には、サービスを利用するための手数料がかかってきます。
特に個人でオンライン日本語教師を始めたばかりのころは、学習者を効率よく集客するためにはこのようなサービスの利用が必要になると思うので、手数料を考慮して自身の収入を計算する必要があるでしょう。

オンライン日本語教師の平均年収

では、オンライン日本語教師の平均年収はどのくらいになることが予想されるのでしょうか。
一例をご紹介します。

一般的にオンライン日本語教師の仕事では、1時間換算で約1,500円から5,000円ほどの授業料でサービスを提供しますが、所属する日本語教室や、利用している言語学習マッチングサービスに対して、手数料が20%から35%ほど発生します。
たとえば、授業料が1時間2,000円、手数料が25%の場合、生徒3名に対し週1回の授業を実施すると、単純計算ではありますが、年収は216,000円になります。

他の職業でも同じだと思いますが、オンライン日本語教師を始めたばかりころはいきなり大きな額を得るのは難しいのが現状です。

オンライン日本語教師に資格は必要?

日本語教師としての資格を持たない人でも、言語学習プラットホームや言語学習マッチングサービスを利用すれば、気軽にオンライン日本語教師を始められます。

しかし、日本語を教えるプロとして学んだ人と、そうでない人なら、学習者はどちらに日本語を習いたいと思うでしょうか。
これからオンライン日本語教師を目指すなら、学習者のニーズに合わせ、上質なレッスンを提供できる日本語教師として活躍したいと思いませんか。
そのためには、日本語教育能力検定試験に合格したり、日本語教師養成講座に通ったりするなどして、日本語教育に必要な知識を十分に得ることが必要です。

日本語教育に必要な知識を有する日本語教師としては、日本語教師養成講座を修了するなどの3つの条件のうち1つを満たすこととされています。
この3つについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

<関連記事>日本語教師の資格は難易度が高い?試験の合格率やおすすめの勉強法を公開

また、ルネサンス日本語学院では、日本語教師の国家資格化に関する記事も随時公開しています。

<関連記事>第1回:日本語教師が国家資格になる
<関連記事>第2回:新しい法律で、日本語教師の国家資格取得後の就職先はどう変わる?
<関連記事>第3回:新しい法律「日本語教育機関認定法」で、日本語教師養成講座はどうなる?

オンライン日本語教師は次世代の日本語教育の選択肢

気軽に日本語教師として仕事を始められる、オンライン日本語教師。
自由に時間を選んで仕事ができたり、資格なしでも仕事が始められたりするなど、仕事を始めるうえで多くのメリットがあります。
日本語教師を始めたいと考えている人は、「オンライン日本語教師」という働き方も検討してみてはいかがでしょうか。

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