コラム

中国で日本語教師になるのはおすすめ?需要やメリットを解説

2023.05.23

中国と日本国旗のイメージ

「中国で日本語教師になるためには?」
「中国における日本語教師の需要は?」
「中国で日本語教師になるメリットは?」

中国で日本語教師として働くことに関して、このような疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
中国は日本語教師の需要が非常に高い国で、多種多様な教育の場における日本語教育の経験を身につけることができます。

それでは、中国で日本語教師になるためには、どのような条件を満たす必要があるのでしょうか。
本記事では、中国における日本語教師の需要、中国で日本語教師として働くメリット、そして、中国で日本語教師として働くための条件などについてご紹介します。

中国での日本語教師の需要

中国では、多くの教育機関において日本語教師が必要とされており、日本語教師の需要が非常に高いと言えます。

需要が高い要因として、中国におけるセンター入試「高考」において日本語が外国語科目として設定されていること、日本文化が流入し、アニメや漫画などのポップカルチャーに興味を持ち、日本語や日本の文化を学びたいと考える人が多いこと、日系企業の進出によりビジネスシーンで日本語を使う機会が多いことなどが挙げられます。

また、国際交流基金の海外日本語教育機関調査(2021年度)によると、日本語教育機関数、日本語教師数、日本語学習者数のいずれも中国が一番多いことからも、中国における日本語教師の需要の高さがうかがえます。

<関連記事>日本語教師になるにはどうすればいい?必要な条件や方法を解説

中国での日本語教師の給与

中国で働く日本語教師の給与はどのくらいなのでしょうか。
求人情報によると、大学で働く場合は月収13万円~20万円前後と、学歴や働き方、働く地域によって変動するようです。
都市部であれば月収20万円を超えていても生活が難しいケースがある一方、地方であれば月収5万円でも十分に生活を送れる場合もあるようです。

中国での日本語教師として働くメリット

ここまで、日本語教師の需要と給与面から、中国における日本語教師の現状について紹介しました。
それでは、中国で日本語教師として働くことで、どのようなメリットを得られるのでしょうか。
ここからは、中国で日本語教師として働く際の3つのメリットについてご紹介します。

  1. メリット① 多種多様な環境で教える経験値を得られる
  2. メリット② 海外経験を得らえる
  3. メリット③ 生活インフラが安心できる

メリット① 多種多様な環境で教える経験値を得られる

中国で日本語教師として働く場合、働く場所には日本語学校、高校、大学、企業など、多種多様な環境が用意されています。
また、それぞれの場所で開設されているコースにも種類があり、学習者数もさまざまです。20人以下の小規模で教える場合もあれば、30~40人の大学生を対象に授業を行う場合、日本へ派遣予定の社員数名に授業を行う場合、マンツーマン授業を行う場合など、状況や目的に応じてさまざまな指導方法が展開されています。

日本語教育において、学習者のニーズに寄り添い、学習者にあう授業計画を立て、適切なペースで授業を進めるスキルは重要になります。
働く場所も学習者の人数も多種多様な中国で働くからこそ、それぞれの学習者の目的に応じて学習目標設定し、学習者の目標に寄り添いながら、ともに学習を進めていく経験を積むことができるのではないでしょうか。

つまり、中国で日本語教師として働くということは、多様なニーズに応じた授業の経験を身につけられる可能性が広がっているということです。

メリット② 海外経験を得られる

中国に限らず他の国でもそうですが、実際に海外で過ごした経験やその国の人を対象に、その国・地域で使用されている言語や日本語を交えながら授業を行った経験は、帰国後も重要なスキルとして役立ちます。

中国で実際に生活を送り、日本語を教えるなかで中国人学習者が日本語習得の際に難しさを感じるのはどのようなときか、直接経験できます。
中国人学習者の目線で日本語学習の難しさを感じることができれば、日本に帰ったあと、国内で中国人学習者を対象に授業を行う際にも学習者目線に立った教え方が可能になるのではないでしょうか。

このような「海外で日本語を教えた経験」は日本国内で就職活動をする際のアピールポイントとして効果的です。

<関連記事> 日本語教師の基礎知識

メリット③ 生活インフラが安心できる

中国では電気・ガス・水道といった生活インフラが十分に整っているため、生活面で不自由さを感じる心配はないでしょう。
医療サービスも充実しており、日本語で対応してもらえる病院も多くあります。そのため、健康的に日々の生活を送ることが可能です。

中国で日本語教師として働く

中国で日本語教師になる場合にも、日本語教師になるための条件は日本国内で日本語学校などの日本語教育機関に勤務する場合と変わらず、「4年制大学を卒業し、文化庁届出受理420時間カリキュラムを受講して修了する」「日本語教育能力検定試験に合格する」「大学・大学院で日本語教育課程を修了する」のいずれかを満たすことです。
420時間カリキュラム修了と大学・大学院での日本語教育課程修了に関しては、文化庁が認定する420時間の日本語教師養成講座や大学・大学院に入学できれば、決められたカリキュラムに沿って順に学習を進めていくことになるため、修了に至るまではさほど難しいものではありません。

一方、日本語教育能力検定試験の合格率は25~30%と、難易度がやや高いですが、過去問を使った繰り返しの演習や苦手分野の重点的な学習を行うなど、しっかりと対策をし、計画的に学習を進めることで、独学で合格を目指すことも可能です。

日本語教育能力検定試験について、詳しく知りたい方は、こちらもご覧ください。
<関連記事>【2023年度版】日本語教育能力検定試験の合格点・合格率の傾向を徹底解説
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中国で日本語教師になるには

中国で日本語教師になるには、先述した「4年制大学を卒業し、文化庁届出受理420時間カリキュラムを受講して修了する」「日本語教育能力検定試験に合格する」「大学・大学院で日本語教育課程を修了する」のいずれかを満たす必要があります。
3つの条件のうち、いずれかを満たすことが出来たら、実際に中国で募集されている日本語教師の求人に応募します。
また、大学で日本語教育課程を履修している場合は、大学教授や現地の教員からの紹介で中国の大学で雇ってもらうことも可能です。

求人に応募が完了したら、書類審査ののち、電話やオンラインで面接が行われます。状況によっては面接当日に合否が言い渡されることもありますが、基本的には面接から数日後に合否に関する連絡が入ります。
採用が決まったら、就職先を通じて就労ビザを申請します。就職先が指定する申請書やパスポートのコピー、写真などを送付し、就職先の会社を通じて就労ビザを取得します。

<関連記事>日本語教育能力試験とはどんな試験?合格ラインや勉強方法を徹底解説

中国における日本語教師の需要は非常に高い

中国における日本語教師の需要は非常に高く、必要な条件を満たしていれば多くの企業や学校から採用募集の声がかかるでしょう。
中国で日本語教師として働くメリットには、多種多様な教育現場を経験できること、現地の生活を知り、学習者の目線に立った授業ができるようになること、学習者のニーズに応じた日本語教育の経験が積めることなどが挙げられます。
また、生活インフラが安定している中国では、生活面の心配はそんなにないでしょう。

ここまでお読みいただき、中国で日本語教師として働くことに興味を持たれた方は、自分が働きやすいと感じられるような職場を検討しながら、中国で日本語教師として働くための準備を進めてみてはいかがでしょうか。

繰り返しになりますが、中国で日本語教師として働くには、「4年制大学を卒業し、文化庁届出受理420時間カリキュラムを受講して修了する」などの条件を満たす必要があります。

「日本語教師になるにはどうすればいい?」詳しく知りたい!と思った方は、こちらもご覧ください。
<関連記事>日本語教師になるにはどうすればいい?必要な条件や方法を解説

日本語教師の国家資格化に関する法案について、2023年5月17日に参議院本会議で趣旨説明と質疑が行われました。
現在、国会審議中ですが、6月中には国から発表がある見込みです。(2023年5月時点)

「日本語教師の国家資格『登録日本語教員』って?」「国家資格されてからの日本語教師のなり方」について知りたいという方は、こちらもあわせてご覧ください。
<関連記事>日本語教師が国家資格になる?概要と変更点を解説ー2023年4月更新版ー

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