日本語教師養成コラム

日本語教師の年収はどれくらい?高収入を目指すためのポイントも解説

公開日:2024.09.06 更新日:2024.09.06

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監修者情報

松田 良子 Ryoko Matsuda

ルネサンス日本語学院 日本語教師養成講座講師

「日本語教師ってどれくらい稼げるもの?」
「日本語教師になって高収入を目指したい」
好きなことを仕事にしたいと考えた際、気になるのが収入に関することです。
日本語教師の仕事に興味はあっても、十分な収入が得られるのか心配に思われる方もいらっしゃるでしょう。

本記事では、日本語教師を目指している方のために、
日本語教師の平均年収や、年収を上げるためのポイントを解説します。
この記事を読むことで、年収に影響を与える要因も把握できるようになりますので、ぜひご覧ください。

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日本語教師の平均年収

日本語教師の平均年収は、常勤講師か非常勤講師かによって大きく異なります。
常勤講師(専任講師)は日本語学校の正式な職員であり、
会社でいうと正社員として雇用されており、報酬は月給制で、年収の目安は300万~400万円程度です。
一方、非常勤講師は担当する授業のコマ数で収入が変動します。
多くの学校で1コマは45分とされており、1コマ当たりの報酬の平均は1,800~2,000円の学校が多く、年収の目安は100~200万円程度です。
経験やスキルにより担当授業数が増えることで収入が安定していきます。
年収を考えると「常勤として働きたい」と思われるかもしれませんが、
2022年のデータでは日本語学校で働く常勤講師6,500人程度に対して、非常勤講師は16,000人程度と実際には多くの方が非常勤で働いています。

特に、まだ日本語教師としての十分な経験がない方の場合、
少ないコマ数で教育現場に出ることが可能な非常勤からスタートするケースが多いです。

また、リタイア後に日本語教師になる方や、主婦としても働いている方の場合はたくさんの授業コマ数を持たないこともあり、
非常勤として働くほうが都合がよいという事情から収入が少なくなっていることもあります。

日本語教師の給料は近年上がってきている

日本語教師の給料は、年々高くなる傾向にあります。
例えば非常勤講師の場合、2013年頃は45分1コマで1,500円程度だったのが、2024年現在は2,000円程度まで上がっており、
スキルによってはさらに上を目指すことも可能です。

学校によっては、講座の報酬だけでなく事務給が支給されることもあり、待遇も良くなっています。
未経験のうちはそれほど高い給料は期待できませんが、経験を積めば高収入を目指すことができます。
常勤講師になれば、安定した生活にもつながるでしょう。

日本語教師の年収を決める要因

同じ日本語教師でも、人によって年収は大きく異なります。
日本語教師の年収を左右する、5つの要因を解説します。

資格の有無

日本語教師に関連した資格を取得しておくと、多くのクラスや仕事を任されやすくなります。
特に正社員の常勤講師として採用する条件に、資格取得者である旨を定めている求人は多くみられます。

なお、日本語教師の資格はこれまで民間資格のみでしたが、2024年4月には国家資格「登録日本語教員」が登場しました。
登録日本語教員の資格を取得すると、日本語学校やその他の認定日本語教育機関での就職が可能になり、
就職先の選択肢が広がると共に、日本語教師の立場や収入の向上も期待されています。

勤務時間・勤務形態

勤務時間や勤務形態も、収入に大きく影響を与えます。
まず、勤務時間に関しては長く働く方が給料は高くなりますし、
夜間や週末は平日の昼間と比較して高い報酬が設定されている求人も、多くあります。
「短時間で効率良く稼ぎたい」と考えているのであれば、夜間や週末の契約を増やすと良いでしょう。

勤務形態に関しては、契約社員やパート、アルバイトといった非正規雇用よりも、正社員の常勤講師として正規雇用される方が収入は高くなります。
日本語教師の仕事は非正規雇用の非常勤であるケースが多いものの、常勤の募集もないわけではありません。
条件を満たしている求人が見つかれば、正規雇用にも積極的に挑戦しましょう。

勤務先

知識や経験はそれほど変わらなくとも、勤務先が変わるだけで収入が大きく変化することもあります。
また、より専門性の高い知識や経験を必要とする勤務先だと、高収入が期待できます。
勤務先でどのような仕事を担当することになるのかによっても、収入は変わってきます。
例えば、通常の授業に加えて、経験を積みカリキュラム管理や進路相談、
面談などを担当していくこともあり、それだけ収入アップも見込めます。

働く地域

日本語教師に限ったことではありませんが、働く地域によっても収入は左右されます。
やはり大都市圏のほうが好条件の求人が出ており、地方と比較すると収入が高い傾向にあります。

ただし、都市部は物価も高いため、収入が多くとも金銭面で余裕のある生活ができるとは限りません。
一方で、地方は都市部と比較すると給与設定が低いものの、物価も安く、また住環境も良いことも多いでしょう。
都市部と地方はそれぞれ一長一短ですので、ご自身が重視したい条件に当てはまる方を選んでみてください。

経験年数

経験年数は、日本語教師の収入を左右する非常に大きなポイントです。
非常勤講師は初心者でも目指すことができますが、常勤講師として働く場合は最低でも2年以上の実務経験が必要とされることが多いです。
未経験者を積極的に育てる方針の日本語学校もあるため、経験のない方は、未経験者の採用に力を入れている学校の求人情報を調べてみると良いでしょう。

日本語教師として年収を上げるためには

日本語教師として働こうと考える方には年収は高いほうがよいと考える方もいるでしょう。
基本的には、経験を積んで非常勤講師から常勤講師として雇用され、安定した収入を得ていくことになりますが、より収入を得る方法もあります。
ここでは、特におすすめの4つの方法を紹介します。

経験を積んで主任教員になる

日本語学校に就職する場合、非正規雇用の非常勤講師に比べて、
正社員雇用の常勤講師として採用される専任教員の方が収入は高くなります。
さらにキャリアアップを目指すなら、カリキュラムの編成や教員の育成などを担当する、主任教員を目指しましょう。

主任教員になるためには、専任教員として3年以上の勤務経験が必要です。
なお、これはあくまで"専任教員として"なので、非常勤講師として勤務した期間は含まれません。
初めから専任教員として採用されるのは難しいので、まずは非常勤講師として働き、その後に常勤講師、さらに経験を積んで主任教員を目指していくというルートが一般的です。

自らスクールを起業する

簡単な話ではありませんが、日本語教育分野での起業も、高収入を目指す有効な手段の一つです。
ビジネスがうまくいけば、1,000万円以上の年収を得ることも不可能ではありません。
新規に日本語学校や日本語教室を設立するほか、日本語教育の教材やツールを開発するという選択肢もあります。
事業が軌道に乗るまでには時間がかかる可能性がありますが、
日本語に興味を持つ外国人は多いため、これをビジネスチャンスと捉えましょう。
もちろん、まずは日本語教師として経験を積むことが重要です。 日本語教師として経験を積む中で、将来一緒に起業を検討できる仲間を見つけましょう。

海外で就職する

日本語教師の仕事は、海外でも需要があります。
海外赴任や、海外での就職も検討してみてはいかがでしょうか。
例えば、民間企業の海外支社に赴任し、現地での人材育成の一環で日本語を教える、
あるいは海外の大学などの教育機関で日本語教師として働くといった選択肢が挙げられます。

海外での給与は、基本的にはその国の水準によります。
日本語教師の給与としては、その国の一般市民の水準と同程度、あるいはそれより少し高い程度であることが多いようです。
海外の中でも大手企業に就職できた場合は、日本では勤続年数が長い方でも実現が難しいような高収入が得られるケースもあります。
もちろん、海外で生活する以上、日本語だけではなく英語など現地語も理解しておく必要があります。
海外で日本語教師として働きたいのであれば、早い段階から英語をはじめとする外国語を身に付けると良いでしょう。

副業を行う

「今の仕事でどのように高収入を目指すか」ばかり考えてしまいがちですが、
副業を始めて収入を増やすのも一つの手段です。
日本語教師を本業としながら、日本語教師の知識や経験を活かせる副業に挑戦してみましょう。
例えば、個人でオンラインの日本語教室を開いたり、SNSやYouTubeなどを通じて日本語学習についての情報を発信して収益化したり、などの方法が挙げられます。

近年はWebサイトやSNSを活用して集客することもできるので、工夫次第で高収入を得ることも可能です。

日本語教師は、工夫と経験次第で年収アップを目指すことも可能

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今回は、日本語教師の年収について解説しました。
金額の目安や、高収入を目指すために知っておきたいことなどがご理解いただけたかと思います。
非常勤講師でも副業をしながら高収入を得ている方もいる一方で、
主婦業の合間やリタイア後の生活を維持するために自分のできる範囲で収入を得たいという方もいるため、収入の幅はそれぞれの状況にあったものになっているといえます。

これから日本語教師を目指す方の場合、まずは日本語教師として働くための準備を整える必要があります。
いくつか方法はありますが、日本語教師養成講座を受講することでも条件が満たせます。
日本語教師養成講座ならルネサンス日本語学院におまかせください。
eラーニングと通学を組み合わせた学習が可能です。
教育実習では経験豊富な講師が丁寧に指導しているため、教育実習を重視する方からも選ばれています。

学習スタイルや教育実習の詳細を知りたい方は、個別相談フォームよりお気軽にお問い合わせください。
お申し込みはこちら (個別相談フォーム | ルネサンス日本語学院 日本語教師養成講座)

この記事の監修者

監修者の写真

松田 良子 Ryoko Matsuda

ルネサンス日本語学院 日本語教師養成講座講師

《資格》日本語教師養成課程修了・日本語教育能力検定試験合格

《経歴》日本語教師養成講座を修了後、約30年に渡り、大使館、留学生、インターナショナルスクール、企業などで日本語教育に従事。また、(社)国際日本語普及協会の「地域日本語教育コーディネーター研修」修了後は、地域の日本語教育、ボランティア支援や教育委員会日本語研修プログラム、NHK文化センター、一部上場企業などへの日本語教育コーディネイトや日本語教師養成に携わり、日本語教育総合支援など多方面で活躍中。

《専門分野》就労者・生活者・年少者に対する日本語教育。

《監修者からのコメント》

日本語教師の勉強は、「知識」だけでも、「技術」だけでもだめです。 両方揃って初めて「学習者」という同乗者が安心して授業を受けられます。単なる知識の講座ではなく、皆さんより少し先を歩く私たち現役日本語教師が考え、悩み、苦労してたどり着いた答えを多く取り入れた「現場目線」を意識しています。
私自身、国語教師を目指し、日本語の文法にも自信があったにもかかわらず、「こんにちは。」の使い方を外国人に教えられなかった…というショックから、「日本語」に興味を持ち、日本語教師になりました。日本語教育業界は、わかりやすそうでわかりにくいですから、この業界の専門知識のある人に相談することがおすすめです。ぜひお気軽にお問い合わせください。