日本語教師養成コラム
海外で働くには英語が話せないと難しい?おすすめの仕事9選
公開日:2024.07.26 更新日:2024.09.10
監修者情報
ルネサンス日本語学院 日本語教師養成講座講師
「将来海外で働きたいけれど英語が話せない」
「十分な英語力を身につけてから海外に行くべき?」
「英語力に自信がないけれど、すぐに海外で働きたい」
このように、海外で働くことを夢見ているけれど、英語力に自信がないと悩んでいる方もいるでしょう。英語で話せるに越したことありませんが、話せないとしても海外で働くことは可能なのでしょうか。
本記事では、海外で働きたいと考えている方のため、英語が話せなくても海外で働けるのか、どのような仕事が向いているのかなどを解説します。この記事を読むことで英語力に自信がない方が確認しておきたいポイントがわかるので、ぜひご覧ください。
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英語が話せなくても海外で働けるのか
英語が話せなくても海外で働くことは可能です。実際に、海外で働いている日本人すべてが完璧に英語を話せるわけではありません。
もちろん、簡単な英語に関してはできるだけ覚えておいたほうが良いでしょう。ですが、難しい言い回しなどまで覚える必要はありません。
英語が話せなくとも海外で働ける理由
なぜ英語が話せなくとも海外で働けるのかというと、大きな理由は海外でも日本語を使って働ける仕事があるからです。
日本人顧客を相手とする仕事や、現地の外国人とコミュニケーションをとる必要がない仕事であれば、英語を使う機会は非常に少ないといえます。
例えば、日本企業の海外法人の場合、職場に多くの日本人がいるケースも珍しくありません。こういった環境で働ければ、日本国内で働いているのとそれほど変わらない感覚で過ごせるでしょう。
また、日常生活においても特に日本人観光客が多い地域は現地の外国人に日本語が通じることもあります。
語学力以外に必要なスキル
海外で働くには、語学力以外にも必要なスキルがあります。
例えば、コミュニケーション能力や適応力です。これらは英語が話せること以上に重要と考える方もいるほどです。コミュニケーション能力が高い方であれば、英語が話せなくても身振り手振りなどで言いたいことを伝えられるでしょう。
英語力が求められない職場で働いたとしても、何かスーパーでものを買う際などに店員さんとコミュニケーションを取ることもあります。
また、日本とは習慣や文化が異なる海外で働くことになるので、日本の常識は通用しません。海外で生活するためには日本との違いを理解し、受け入れる適応力も必要です。
<関連記事>海外に行ける仕事17選&業界8選!求められるスキルや経験とは?
英語が話せない人でも海外で働ける仕事9選
英語力に自信がないのであれば、十分に英語が話せない人でも働ける仕事を選ばなければなりません。英語力が必須の仕事を選んでしまうと仕事で指示されたことが全くわからなかったり、うまくコミュニケーションが取れないために業務上のトラブルにつながったりすることもあるので、注意しましょう。
ここでは、英語が話せない人でも検討しやすい仕事を9つ紹介します。興味があるものをチェックしてみてください。
①日本語教師
日本語教師は、日本語を母語としていない外国の方に、日本語を教える仕事です。日本の人気は高まっており、これに伴って日本語を学びたいと考えている外国人も増えてきました。
海外で日本語教師として働く場合、学校で働く際には英語力や資格が必要になります。ですが、例えば個人で家庭教師として英語を教えるような場合は特に資格は求められません。
もちろん、教師として教えるための知識は必要になります。授業の時間以外は英語を話す機会もあるので、基本的な英語程度は身に付けておいたほうが良いでしょう。
<関連記事>日本語教師になるには?求められる条件や向いている人&主な仕事内容
②コールセンター
コールセンターの中でも顧客が日本人である場合は日本語で受け答えをすることになるので、それほど英語が話せなくても問題ありません。語学力に自信がない方が外国で働きたいと考えた際、日本人向けのコールセンターから挑戦するケースも多いようです。
注意点として、日本人向けのコールセンターだったとしても、一緒に働くコールセンター内には日本語が話せないスタッフがいる可能性も考えられます。そういった方とコミュニケーションを取る際は英語が必要になる可能性もあるので、少しずつ英語を学んでいくと良いでしょう。
また、コールセンターで働く場合は基本的なパソコンスキルが求められることもあります。
③料理人
日本料理は海外でも人気が高く、料理人としての実績がある方なら海外のレストランでも就職が可能です。
料理人として働ける場所の選択肢はさまざまありますが、中でも日本食レストランであれば日本語が話せるスタッフがいたり、オーナーが日本人だったりします。
一緒に働くスタッフの中に外国人がいる可能性も高いですが、すべてのスタッフに日本語が全く通じないことはほぼないでしょう。
料理人として働く場合、接客は接客担当のスタッフが行うことになるので、直接外国人のお客さんとやりとりをすることもほとんどありません。
また、海外は実力主義なので日本人向け以内のレストランでも実力があれば採用してもらえる可能性があります。
④ウェイター・ウェイトレス
ウェイターやウェイトレスは高い英語力が必須のように感じるかもしれませんが、基本的なフレーズさえわかれば対応できる可能性が高いです。
例えば、お客さんが来店した際の挨拶や席に案内する際のフレーズ、注文を取る際のフレーズなど、業務の中で使うフレーズは限られています。
難しい質問などをされた場合は、英語が得意なスタッフに助けを求めると良いでしょう。現地の外国人とコミュニケーションをとる機会が増えるので、積極的に英語を学びたいと考えている方にもぴったりです。
また、日本料理のお店で働く場合はお客さんのほとんどが日本人観光客であるケースも多く、接客しやすいといえるでしょう。
⑤ドライバー
アメリカには「Uber」や「Lyft」といった配車サービスがあり、登録することによって自家用車を使ってタクシードライバーとしての活動が可能です。個人で対応することになるので、英語力がなければ勤まらないように感じる方もいるでしょう。
ですが、事前にお客さんがアプリで行き先を指定しており、降車後に自動で決済が行われることになるので、英語で行き先を聞いたり代金を受け取る際に難しい会話をしたりする必要もありません。
基本的に、乗り降りする際の挨拶程度の英語力があれば問題ないでしょう。ただ、個人によって稼げる金額は変わるので、安定した収入につながらない可能性がある点には注意が必要です。
⑥日本人向けのツアーガイド
海外の中には日本人観光客が多く訪れている地域もあり、そういった地域で日本人向けのツアーガイドとして働くのも一つの方法です。顧客は日本人であることから、難しい英語は求められません。
現地のガイドをする際も日本語で良いので、海外で行う初めての仕事としても検討しやすいでしょう。
就職先となるのは、ほとんどが日系の旅行会社です。そのため、会社とやりとりをする際も日本語で済みます。
注意点として、ホテルの予約や、レストランのオーダーなどをガイドが担当する場合、英語でのやりとりが必要になるケースが多いです。英語が話せないのであれば、求人に応募する際にどの程度の英語力が求められるのかよく確認しておきましょう。
⑦ホテルの清掃員
ホテルの客室清掃員が行う仕事といえば、部屋の掃除やベッドメイキング、各種備品の補充などです。これらはお部屋を利用しているお客様がいない状況で行うことになるので、英語を使って会話する機会は多くありません。
一般的には担当の部屋が割り当てられ、そこを回りながら清掃を行っていく形になります。日本人はマメな性格の方が多いこともあり、ホテルの清掃員のようなマメさが求められる仕事では高く評価されることも多いです。
短期契約でしか仕事が見つからなかったとしても、仕事ぶりが評価されて他の仕事先を紹介してもらえるケースもあります。経験が重視されるので、海外に渡る前に日本で清掃員の仕事を経験しておくと良いでしょう。
⑧ITエンジニア
日本でITエンジニアとして知識や経験を重ねてきた方は、海外でもそれを活かせます。中には会社に所属するのではなく、フリーランスとして日本の案件を請け負っている方もいるので、すでに仕事を受注している方はそのままのスタイルを継続して海外で暮らすことも可能です。
インターネットに接続されているパソコンがあればどこでも働きやすいので、出社することなく働ける方法を探している方にも向いているでしょう。
仕事に関連するやりとりをする際は、チャットツールを活用することもあります。外国の会社と英語でやりとりが必要な場合も翻訳ツールなどを活用して働くことが可能です。
⑨バイヤー
日本人の顧客を対象としたバイヤーも需要があります。
例えば、買い物代行のような仕事です。海外で販売されているものの中には日本では入手できないものがたくさんあります。そういったものを現地で探して日本に送る仕事です。
指定されたものを購入して後は日本に発送すれば良いだけなので、高度な英語力は求められません。ただ、大量の依頼を受けるのは難しいケースが多いので、どちらかというと副業のような働き方を検討しておいたほうが良いでしょう。
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海外で働くことのメリット
海外で働くことによって、日本で働く際には感じられないようなメリットがいくつかあります。ここでは、代表的なメリットを4つ紹介します。
グローバルな視野を身につけることが可能
海外に行くと、日本では見たことがないものがあったり、それまでとは異なる習慣や文化に触れたりすることで、グローバルな視野が身に付きます。
自分にとっての常識が覆されることもあるでしょう。日本では当たり前のことが海外だとそうではなかったり、日本から離れることによりこれまでとは違う目線で日本の良い所や悪いところが見えてきたりすることもあります。
外国の文化や考え方を理解できるようになれば、さまざまな国の人と働きやすくなるので、将来的に仕事の選択肢も豊富になるでしょう。グローバル人材を求めている会社が多いので、帰国後の就職先も見つけやすくなるはずです。
キャリアアップにつながる
海外で就職してさまざまな経験を積むことは、キャリアアップにつながるポイントです。
また、日本の場合は一度就職した会社で長年働き、少しずつ上を目指す働き方が一般的といえます。一方で海外の場合は自分の成長とともに転職を繰り返すことでキャリアアップする傾向が強いです。
実力さえあれば年齢は関係なく出世できるような環境も整っています。キャリアアップしやすい環境に身を置きたいと考えている方も海外での就職を検討してみてはいかがでしょうか。
柔軟性が鍛えられる
慣れない土地で生活することはストレスが溜まりますが、何よりも柔軟性が鍛えられます。日本とは異なる生活をする中でトラブルやハプニングが発生する可能性はゼロではありません。
そういった環境の中で生活を続けていくことにより、自然と柔軟性が鍛えられます。海外で働き、生活していくためには、何かあった際にそれに適応しなければなりません。
例えば、切符が買えない、買い物の仕方がわからない、バスに乗れないなど、日本にいる時は何でもないような些細なことが問題になってしまうこともあります。ですが、一つひとつに対応できた経験は、柔軟性を鍛えてくれるでしょう。
柔軟性が鍛えられるのも海外で仕事をする大きなメリットです。
英語力が鍛えられる
英語を使う海外で生活する以上、日常生活で英語を使用する機会が増えます。そのため、気づかないうちに少しずつ英語力が鍛えられていくのもメリットです。
海外に就職した当時はそれほど話せなかったものの、何年か生活するうちにネイティブレベルの英語力を身に付けた方も少なくありません。
日常生活の中で英語力が少しずつ高まっていくのを待つほか、自分でも積極的に学ぶと良いでしょう。就職してから英語力を鍛えることも可能なので「初めから完璧に話せなければ」と考える必要はありません。
英語が話せない人が海外で働くときの注意点
英語が完璧に話せなくてもある程度理解できて、基本的な単語やフレーズをしている方であれば海外で働くことは可能です。ですが、英語力が高い方と比較すると、いくつか注意しなければならないポイントがあります。
以下の3つをおさえておきましょう。
「英語が話せない」という弱みにつけこまれないようにする
英語が話せないために損をしてしまう可能性があります。
例えば、英語が話せないことを理由にその国の最低賃金以下で採用されてしまう可能性もあるでしょう。国や地域によって法律・規則は異なりますが、多くの場合は各国の労働法や規則がその国で働く外国人にも適用されます。
そのため、英語が話せないからといって就職時に不利になることがあってはいけません。仮にこういった事態になった場合はしっかり交渉しましょう。
プライベートに関しても同様です。英語が話せないために足元を見られないように普段から注意して生活する必要があります。
大きくスキルアップできる機会は少ない
海外で就職すると大きくスキルアップすることが期待されますが、これは主に海外のスキルを習得できるためです。
ですが、そのためには英語が話せる必要があります。英語が話せない方の場合、十分な海外スキルが習得できず、結果として大きなスキルアップにはつながらないこともあるでしょう。
英語が話せなくても就職可能な職場として日系企業や日本人を顧客とする仕事が挙げられますが、こういった仕事に就いた場合は日本国内で働くのとほとんど変わらないような生活になることもあります。海外ならではの働き方に憧れているのであれば英語力を身に付け、海外だからこそ習得可能なスキルを身につけていきましょう。
スタッフ・同僚とのコミュニケーションが困難
職場によっては日本語だけで生活できる場合もありますが、現地語を使用するスタッフや同僚がいる場合、英語が話せないとそういった方とのコミュニケーションが取れません。場合によっては業務でわからないことがあった時に相談できず、それが大きなストレスや悩みにつながってしまうことも考えられます。
日本語を全く理解していない方と仕事で接する機会がある場合は注意が必要です。
海外で働きたい人がすべきこと
海外で働きたいと考えているのであれば、いくつか実践したいことがあります。やはり海外で生活する以上、少しずつで構わないので、英語のスキルを身につけていきましょう。
その方が何かあった時に困っていることを伝えやすくなるので、生活面でも仕事面でも安心につながります。ここでは、特に実践したいことを4つ解説します。
必須の英会話フレーズを覚える
海外で働くのに完璧な英語は求められませんが、最低限の会話ができる英語力は必要です。そのため、日常会話や普段の仕事で使うような英会話フレーズは覚えておきましょう。
どのようなフレーズを覚えておけば良いのかは、人によって異なります。例えば、接客の仕事をするのであればお客様対応に必要なフレーズを覚えておかなければなりません。
お客様から英語でお願いや質問をされることもあるので、想定されるフレーズも確認しておくと良いでしょう。これらの英会話フレーズに関しては、日本にいるうちに覚えておくことをおすすめします。
<関連記事>海外で働くには英語が話せないと難しい?おすすめの仕事9選
英語で話すことを習慣づける
英語で話すことを避けていると、いつまで経っても英語力が向上しません。仕事中だけではなく、日常生活でも積極的に英語を話しましょう。
英語で話すことを習慣づけると、よく使うフレーズは自然に身につくようになります。
また、発音にも自信が持てるようになるので、現地の方と会話もしやすくなるでしょう。一度覚えた単語やフレーズは、積極的に使用してみてはいかがでしょうか。
外国人と交流する
現地の外国人と交流を重ねることにより、英語力が高まっていきます。あらかじめ英語が話せないと伝えておけば、簡単な単語を選んでくれる方もいるでしょう。
努力して英語を身につけようとしている姿を見れば、応援したくなるものです。
日本語だけで働ける職場に就職する場合も、例えば普段使用するスーパーで店員さんに話し掛けてみたり
現地の方と交流できるイベントなどに参加してみたりしてみてください。
専門的なスキルを身につける
専門的なスキルがあれば、英語が話せなくてもそのスキルを活かして海外で就職することは可能です。
例えば、シェフのスキルがあれば料理を提供するお店で働けますし、システムエンジニアのスキルがあれば地元の大手Web系企業などに就職できる可能性もあります。
特に専門性の高いスキルを身につけている優秀な方の場合
採用する企業側から見ても「英語が話せなくてもそのような優秀なスキルがあるのならぜひうちで働いて欲しい」といってもらえるはずです。
就職につながりやすいような専門的なスキルを身につけていきましょう。
英語が話せなくても積極的にチャレンジしよう
いかがだったでしょうか。英語が話せないけれど海外で働きたいと考えている方のため、
そういった働き方は可能なのか、どのような仕事があるとかなどを解説しました。
それほど英語力がなくても海外で働くことが可能であるとご理解いただけたかと思います。
海外で需要が高く、日本語を活かして働ける職業として日本語教師の仕事を検討してみてはいかがでしょうか。
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この記事の監修者
ルネサンス日本語学院 日本語教師養成講座講師
《資格》日本語教師養成課程修了・日本語教育能力検定試験合格
《経歴》日本語教師養成講座を修了後、約30年に渡り、大使館、留学生、インターナショナルスクール、企業などで日本語教育に従事。また、(社)国際日本語普及協会の「地域日本語教育コーディネーター研修」修了後は、地域の日本語教育、ボランティア支援や教育委員会日本語研修プログラム、NHK文化センター、一部上場企業などへの日本語教育コーディネイトや日本語教師養成に携わり、日本語教育総合支援など多方面で活躍中。
《専門分野》就労者・生活者・年少者に対する日本語教育。
《監修者からのコメント》
日本語教師の勉強は、「知識」だけでも、「技術」だけでもだめです。 両方揃って初めて「学習者」という同乗者が安心して授業を受けられます。単なる知識の講座ではなく、皆さんより少し先を歩く私たち現役日本語教師が考え、悩み、苦労してたどり着いた答えを多く取り入れた「現場目線」を意識しています。
私自身、国語教師を目指し、日本語の文法にも自信があったにもかかわらず、「こんにちは。」の使い方を外国人に教えられなかった…というショックから、「日本語」に興味を持ち、日本語教師になりました。日本語教育業界は、わかりやすそうでわかりにくいですから、この業界の専門知識のある人に相談することがおすすめです。ぜひお気軽にお問い合わせください。