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辞書から分かる日本語の語彙の特長

読書の秋ですね。
皆さんはどんな本を読んでいますか?

「本」と言って良いのかは「?」マークのつくところですが、今日は
「辞書を読む」ことでわかる「日本人の知らない日本語の仕組み」を
ご紹介したいと思います。

皆さんのお手元にある国語辞書は、言葉の意味や使い方を知りたい、
確認したいときに使われることが多いかと思います。
しかし、ちょっと見方を変えると、日本語の特長が分かる面白い書籍です。

では、どう見るのかというと「日本語は何行の言葉の数が多いのか」という
視点です。

辞書の側面(辞書を引くときに見る背表紙の反対側です)を見てください。
行ごとに灰色などで色を付けて分類されていると思います。

そうすると、あることに気づきます。

それは、
「日本語はア行からサ行までの言葉のページが多い
ということと、
ヤ行以下の言葉のページは少ない
ということです。

ちなみに、私の手元にある明鏡国語辞典は、語彙の総ページ1784ページの
963ページまで、つまり全体の半分以上が「ア行~サ行」の言葉で占められて
います

一方、ヤ行以下の語彙のページはたった137ページ。全体の約8%です。

更に、面白いのは、「ヤ行~ワ行」のなかでもラ行の語彙は漢語と外来語
ばかりで、和語はほとんどありません

つまり、昔の日本語は「ラ行の音で始まる語彙はほとんどなかった」ということが分かります。

辞書もこういった見方をすると、日本語の特長が分かる面白い「読み物」に
なります。

秋の夜長。
皆さんのお手元にある辞書を「読んで」みてはいかがでしょうか。

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