現役日本語教師の日本語豆知識

うれしい報告

公開日:2016.11.09 更新日:2023.04.26

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松田 良子 Ryoko Matsuda

ルネサンス日本語学院 日本語教師養成講座講師

ちょうど1年前。ひらがなも読めない状態で日本語教室のドアを叩いた
ネパール人のビドゥーラさん。
彼の夢は、日本の飲食店で働いて、日本式の飲食店経営を学び、
お父さんのレストランを助けること。

しかし、片言の日本語は話せても、字も読めず、会話もできないため、
「話さなくてもできる仕事」にしか就くことができませんでした。
その仕事でも、理不尽なことで怒られたり、馬鹿にされたりと言葉が
話せないが故の辛さもありました。

そんな彼が、週1回の教室に通い、ひらがな、カタカナ、漢字の読み書きが
できるようになり、日本語で会話もできるようになりました。

そして、ついに!!
夢だった日本のレストランにアルバイトとして採用されました!!

「先生!ちゃんと履歴書が書けたよ!漢字で書いたよ!」と満面の笑みで
報告してくれました。

そうなのです。
字の読み書きができなかった彼は、今まで履歴書さえも提出できなかった
ので、職場の選択も限られてしまっていたのです。

まだ裏方の仕事が多いようですが、先週は、「先生!今日、初めて一人で
接客させてもらえたよ!ちゃんと日本語でできたよ!」とうれしそうに話してく
れました。

こういう時。
本当に日本語教師をしていてよかったな・・・と思います。

独り言のような今日のブログで、すみません。
しかし、本当に、本当に嬉しくて・・。

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この記事の監修者

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松田 良子 Ryoko Matsuda

ルネサンス日本語学院 日本語教師養成講座講師

《資格》日本語教師養成課程修了・日本語教育能力検定試験合格

《経歴》日本語教師養成講座を修了後、約30年に渡り、大使館、留学生、インターナショナルスクール、企業などで日本語教育に従事。また、(社)国際日本語普及協会の「地域日本語教育コーディネーター研修」修了後は、地域の日本語教育、ボランティア支援や教育委員会日本語研修プログラム、NHK文化センター、一部上場企業などへの日本語教育コーディネイトや日本語教師養成に携わり、日本語教育総合支援など多方面で活躍中。

《専門分野》就労者・生活者・年少者に対する日本語教育。

《監修者からのコメント》

日本語教師の勉強は、「知識」だけでも、「技術」だけでもだめです。 両方揃って初めて「学習者」という同乗者が安心して授業を受けられます。単なる知識の講座ではなく、皆さんより少し先を歩く私たち現役日本語教師が考え、悩み、苦労してたどり着いた答えを多く取り入れた「現場目線」を意識しています。
私自身、国語教師を目指し、日本語の文法にも自信があったにもかかわらず、「こんにちは。」の使い方を外国人に教えられなかった…というショックから、「日本語」に興味を持ち、日本語教師になりました。日本語教育業界は、わかりやすそうでわかりにくいですから、この業界の専門知識のある人に相談することがおすすめです。ぜひお気軽にお問い合わせください。