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春はあけぼの・・・

ある国の外交官に日本語を教えていた時のことです。
その人は日本語がペラペラなので、仕事や、生活で困ることはないのですが、
日本が大好きなので、もっと極めたいと勉強を続けていました。

そんな彼女が読みたい!と言ってきた本が「枕草子」の現代語訳。
なんでも、国にいるときに日本の歴史を勉強し、そのときに知って以来、
いつか読んでみたい!と思っていたそうなのです。

枕草子は、色々なテーマで書かれていて、国が違っても共感できる内容もあり、
「面白い!」と彼女も喜んでいたのですが、どうしても理解できないと首を
ひねるところ
がありました。

それが、私たち日本人にとって有名な「春はあけぼの・・」という部分
「段々白くなっていく山際が、少し赤みを帯びて、紫がかった雲が細くたなび
いているのが趣がある」という内容なのですが、どうしてこれが「趣がある」
のか理解できない
のだそうです。

なんでも、彼らの国は天気の変化が激しいそうで、
『朝、こんな空の状態だったら、「今日は絶対雨が降るから、早く畑に行って、
収穫して、早く納屋に入れて、帰らなくては!」と思う。すごく嫌な気持ち
になる
』のだそうです。

う~ん。
そういう国なら、「いいわね~」なんて思っている日本人の気持ちは理解でき
ないですね・・。

日本語を極めようとすると、こういう日本人の価値観も理解できるようになる
必要がありますね・・・。

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