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「~なければいけない」と「~なければならない」
投票日が近づくにつれ、街頭演説も盛んになりますね。
その街頭演説でよく使われる言葉に
「~なければいけない」と「~なければならない」があります。
「~なければいけない」と「~なければならない」。
いったい何が違うのか?
こういった似ている表現の違いを考えるとき、日本語教師は「同じところは
同じ意味。違うところにその差がある。」と考えます。
つまり、「~なければ」までは両方とも同じですから、ここは同じ意味。
違うのは「いけない」と「ならない」の部分。
だから、この違いを考えよう!となるのです。
辞書で調べると、「いけない」も、「ならない」も「禁止・義務・必要」という
意味があり、この部分では同じです。
しかし、「いけない」には、「話者がそれを好ましくないと思う」という意味が
あるのに対し、「ならない」にはその意味はなく、「当然」という意味がある
ことが分かります。
つまり、
「ならない」は、ルールや社会の慣習などに基づき「当然である」ということを言いたいときに使う客観的な表現で、
「いけない」は、話し手が好ましくないと思うことを言うときに使う主観的表現
であると言えます。
「~なければいけない」と「~なければならない」。
日常生活でこれを頻繁に使うと、人に嫌われてしまいますが、今は選挙期間中。
耳にする機会が、いつもより多いです。
「投票に行かなければいけない」と「投票に行かなければならない」。
「●●を変えなければいけない」と「●●を変えなければならない」。
こんな風にニュアンスの違いを意識して聞いてみると、
面白いかもしれませんね。