現役日本語教師の日本語豆知識

黄色い線の内側ってどこ?

公開日:2016.06.08 更新日:2023.04.26

日本語が少し分かるようになってきたタイ人の学生がこんな質問をして
きました。

「先生。黄色い線の内側ってどこですか?

駅のホームでよく耳にするアナウンスです。
日本人は「黄色い線の内側=ホーム側」と考えますが、外国人にとっては戸惑う
表現のようで、私も学生からよく質問を受けます。

外国人は「黄色い線の内側=黄色い線を境にした線路側」と考えるようです。
ですから、電車が来るのに、「どうして線路に近づくの???」と思うのだ
そうです。

他の解釈をする外国人もいます。
「黄色い線の内側=黄色い線の中」と理解して、「こんな狭い所に?????」
と理解しがたい行動を要求されていると思う方も。

日本人にとっては何でもない表現ですが、「内側」をどう捉えるかによって、
意味が変わってしまいますね。

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この記事の監修者

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松田 良子 Ryoko Matsuda

ルネサンス日本語学院 日本語教師養成講座講師

《資格》日本語教師養成課程修了・日本語教育能力検定試験合格

《経歴》日本語教師養成講座を修了後、約30年に渡り、大使館、留学生、インターナショナルスクール、企業などで日本語教育に従事。また、(社)国際日本語普及協会の「地域日本語教育コーディネーター研修」修了後は、地域の日本語教育、ボランティア支援や教育委員会日本語研修プログラム、NHK文化センター、一部上場企業などへの日本語教育コーディネイトや日本語教師養成に携わり、日本語教育総合支援など多方面で活躍中。

《専門分野》就労者・生活者・年少者に対する日本語教育。

《監修者からのコメント》

日本語教師の勉強は、「知識」だけでも、「技術」だけでもだめです。 両方揃って初めて「学習者」という同乗者が安心して授業を受けられます。単なる知識の講座ではなく、皆さんより少し先を歩く私たち現役日本語教師が考え、悩み、苦労してたどり着いた答えを多く取り入れた「現場目線」を意識しています。
私自身、国語教師を目指し、日本語の文法にも自信があったにもかかわらず、「こんにちは。」の使い方を外国人に教えられなかった…というショックから、「日本語」に興味を持ち、日本語教師になりました。日本語教育業界は、わかりやすそうでわかりにくいですから、この業界の専門知識のある人に相談することがおすすめです。ぜひお気軽にお問い合わせください。