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「そして、」と「それから、」は何が違う?
先生:「あなたは昨日何をしましたか?」
学生A:「私は朝7時に起きました。そして、散歩に出かけました。」
学生B:「私は朝7時に起きました。それから、散歩に出かけました。」
「そして、」と「それから、」。
私たちは行為を順番に列挙する時、この二つの言葉をよく使います。
日本語教育でもこの二つの言葉は初級レベルの日本語として教えます。
そうすると、必ず外国人から出てくるのが、
「そして、」と「それから、」は何が違うのですか?
という質問です。
上の学生Aと学生Bの答えを見る限り、「そして、」と「それから、」は同じ
ように感じる人も多いかと思われます。
しかし、次の例文ではどうでしょうか。
①-A 昨日は朝7時に起きました。そして、夜10時に寝ました。
①-B 昨日は朝7時に起きました。それから、夜10時に寝ました。
①-Bの文は、変な感じがしませんか?
では、この①-Bの文を次のように変えると、どうでしょうか?
①-B 昨日は朝7時に起きました。それから、すぐ寝ました。
日常のシチュエーションとしてはあまりないことかもしれませんが、
文としては、「夜10時に寝ました」よりは、「すぐ寝ました」の方がしっくり
きます。
ここに「そして、」と「それから、」の違いがみえます。
「そして、」と「それから、」はどちらも行為の順序を表しますが、
「それから、」の方は、「前の行為のその次に、●●をする」ことを表す時に
使います。
「朝7時に起きる」の次に続く行為が「夜10時に寝る」ということは、通常
ありませんから、ここでは「それから、」を使うと、変な感じがする・・という
わけです。
こんな話をすると、「そんなこと考えて話してないよ!」という方もいるか
もしれません。
しかし、私たち日本人は、何かを根掘り葉掘り聞きだしたい時は、相手に
「それから、それから」と言って話を促し、そんなに詳しく知る必要がない時
は、「そして、どうしたの?」と言っていませんか?
(ちなみに、興味がないと、「それで、」と一気に結論を求める言葉を投げかけ
ていますね・・・)
普段意識していなくても、日本人はきちんと使い分けているんですね。