現役日本語教師の日本語豆知識

さくらはトルコの代表的な花です。

公開日:2016.04.06 更新日:2023.04.26

満開の桜が美しいですね。
私たちが日本語を教えている外国人たちも、桜に感動し、写真を何枚も
撮っていますよ。
今日は、その「桜」に関連するできごとをご紹介します。

ある授業で「自分の国の花」について書く作文の宿題を出しました。
その中で、トルコ人の学習者の作文に
「さくらはトルコの代表的な花です。」
とありました。

「桜=日本の花」と考えていた私は、びっくりしました。
ええっ?トルコの花って桜なの?!?チューリップだと思ってた!と。

しかし、読み進めていくと、だんだん「???」という内容に。

「さくらは私の町では7月の下旬に咲きます
 さくらの木は農場にたくさんあります
 私たちは農場でさくらの実をたくさん採ります。」

そうなのです。
トルコ人の学習者が書きたかったのは「桜」ではなく、「さくらんぼ」のこと。
トルコは「さくらんぼ」の生産量が世界一なんです。

確かに「桜」も「さくらんぼの木」も同じサクラ属の植物ですが、見るための
「桜」と食用の「さくらんぼの木」は別のもの。
トルコ人の彼はそれを知らなかったそうです。

(おまけ)
日本とトルコの友好120周年の2010年に、3000本の桜が日本から
運ばれ、トルコの各地に植樹されたそうです。
今頃、トルコの人たちも花見を楽しんでいるのでしょうか。

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この記事の監修者

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松田 良子 Ryoko Matsuda

ルネサンス日本語学院 日本語教師養成講座講師

《資格》日本語教師養成課程修了・日本語教育能力検定試験合格

《経歴》日本語教師養成講座を修了後、約30年に渡り、大使館、留学生、インターナショナルスクール、企業などで日本語教育に従事。また、(社)国際日本語普及協会の「地域日本語教育コーディネーター研修」修了後は、地域の日本語教育、ボランティア支援や教育委員会日本語研修プログラム、NHK文化センター、一部上場企業などへの日本語教育コーディネイトや日本語教師養成に携わり、日本語教育総合支援など多方面で活躍中。

《専門分野》就労者・生活者・年少者に対する日本語教育。

《監修者からのコメント》

日本語教師の勉強は、「知識」だけでも、「技術」だけでもだめです。 両方揃って初めて「学習者」という同乗者が安心して授業を受けられます。単なる知識の講座ではなく、皆さんより少し先を歩く私たち現役日本語教師が考え、悩み、苦労してたどり着いた答えを多く取り入れた「現場目線」を意識しています。
私自身、国語教師を目指し、日本語の文法にも自信があったにもかかわらず、「こんにちは。」の使い方を外国人に教えられなかった…というショックから、「日本語」に興味を持ち、日本語教師になりました。日本語教育業界は、わかりやすそうでわかりにくいですから、この業界の専門知識のある人に相談することがおすすめです。ぜひお気軽にお問い合わせください。