現役日本語教師の日本語豆知識

ブラジルにはアイスコーヒーがない?!

公開日:2016.03.09 更新日:2023.04.26

「日本の食べ物、飲み物の中で何が一番好きですか。」

私たち日本語教師が「好き/嫌い/一番~」を教える時による投げかける
質問です。

よくある答えは、「ラーメン」、「寿司」、「牛丼」、「天丼」、「緑茶」
なのですが、ある授業で ブラジル人たちが「アイスコーヒー!!」 
と口をそろえて言いました。

この答えに、私は一瞬思考停止状態に・・・。

私:え????
  アイスコーヒー???

  ブラジルはコーヒーの国でしょう??
  どうして、日本のコーヒーが好きなの???

ブラジル人たち:先生。ブラジルにはアイスコーヒーがありません。
        いつも熱いコーヒーを飲みます。

        日本に来て、夏にアイスコーヒーを飲みました。
        とてもおいしかったです。
        夏にアイスコーヒーを飲んで、冬に熱いコーヒーを飲む。
        日本人は頭がいいですね~。

私:!!!!!
  (そうなんだ!ブラジルは暑い国なのにアイスコーヒーがないんだ!!)

びっくりしました。
コーヒーの本場、ブラジルでも当然夏は「アイスコーヒー」を飲んでいる
と思っていたので。

そういえば、十数年前に中国人に日本語を教えていた時、彼らが
「アイスウーロン茶」に驚いていました。
「お茶=熱いもの」だから、アイスウーロン茶なんて考えたこともない!
日本人が作ったんだ!と。

日本人にとっては当たり前でも、本場の人たちからみたら「びっくり」な
ものは、きっとたくさんあるのでしょうね。

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この記事の監修者

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松田 良子 Ryoko Matsuda

ルネサンス日本語学院 日本語教師養成講座講師

《資格》日本語教師養成課程修了・日本語教育能力検定試験合格

《経歴》日本語教師養成講座を修了後、約30年に渡り、大使館、留学生、インターナショナルスクール、企業などで日本語教育に従事。また、(社)国際日本語普及協会の「地域日本語教育コーディネーター研修」修了後は、地域の日本語教育、ボランティア支援や教育委員会日本語研修プログラム、NHK文化センター、一部上場企業などへの日本語教育コーディネイトや日本語教師養成に携わり、日本語教育総合支援など多方面で活躍中。

《専門分野》就労者・生活者・年少者に対する日本語教育。

《監修者からのコメント》

日本語教師の勉強は、「知識」だけでも、「技術」だけでもだめです。 両方揃って初めて「学習者」という同乗者が安心して授業を受けられます。単なる知識の講座ではなく、皆さんより少し先を歩く私たち現役日本語教師が考え、悩み、苦労してたどり着いた答えを多く取り入れた「現場目線」を意識しています。
私自身、国語教師を目指し、日本語の文法にも自信があったにもかかわらず、「こんにちは。」の使い方を外国人に教えられなかった…というショックから、「日本語」に興味を持ち、日本語教師になりました。日本語教育業界は、わかりやすそうでわかりにくいですから、この業界の専門知識のある人に相談することがおすすめです。ぜひお気軽にお問い合わせください。