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ディズニーランドに 「多い人」が いました。
約1か月ぶりの更新です。
さぼっていたのではなく、実は、体調を崩し、
ブログの更新ができませんでした。申し訳ございませんでした。
さて、毎週月曜更新の「日本人が知らない日本語の仕組み」。
今日から復活!です。
今日は、日本人が知らない「形容詞の秘密」を紹介しようと思います。
「この時計は大きいです。」
「壁に白い時計がかかっています。」
「私は安い時計を買いました。」
など、「大きい・赤い・安い」といった形容詞は、「形容詞+です」の形で述部
に使ったり、「形容詞+名詞」の形で修飾語として使えます。
私たち日本語教師は外国人にこのルールを教えるのですが、そうすると、
下のような文を作る学習者がいます。
A)「ディズニーランドは 人が 多いです。」
B)「ディズニーランドに 多い人が いました。」
この文を読んだとき、日本人であれば、A)の「多いです。」は正しくても、
B)の「多い人」は違う誰でも分かるはずです。
しかし、外国人にとっては 「大きい時計、赤い時計、安い時計は正しいのに、
多い人はどうして違うの???」なのです。
「多い」は形容詞の中でも注意が必要な形容詞なのです。
実は、「多い」は述語としては使えても、「多い+名詞」の修飾語には使えない
というルールがあるのです(注1)。
更に、「多い」の反対語の「少ない」も同様のルールがあります。
(例: ○ 人が 少ないです。/ × 少ない人が 来ました。)
皆さん、ご存じでしたか?
私は、日本語教師になって、「多い人」、「少ない人」という間違いをする
学習者たちに出会い、初めて気づきました。
「多い」と「少ない」は特別なルールがある形容詞なんだ!と。
このルール、なぜか国語辞書には載っていません。
日本人なら「多い人」なんて言わないのが当たり前だから、
載せないのでしょうか?
しかし、日本語を勉強する外国人にとっては大切なルールです。
ちなみに、どうして、使えないのか・・。すみません、理由はわかりません。
もし、ご存知の方がいらっしゃったら、教えてください。
(注1)
「外国人が多い店」というような使い方は、「多い+店(「多い+名詞)」の形
に見えますが、これは、「外国人が多い」という一つのかたまりが「店」を
修飾していますので、上の「多い人が います」の「多い人」とは違う文構造
です。