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「させていただく」の使い方
最近、TVを見ていて、気になることがあります。
それは、「させていただく」の使い方。
「させていただく」は謙譲語で、自分の行為が相手の許容の内にあるという、
へりくだった遠慮がちな気持ちを表します。
ですから、本来は相手に同意・許可を求める場面で使う言葉です。
しかし、最近はそうではない場面で使われることが多くなってきているように
思います。
例えば、
「(私は)今度、○○さんと結婚させていただくことになりました」
「私は○○を卒業させていただきます」
「(私は)○○賞をとらせてただきました」
のような使い方です。
「させていただく」という謙譲語を使うことによって、丁寧な感じを出そうと
しているのかと思われますが、こういう使い方を聞くと、
「いったい誰の許可を求めているの?」と違和感を覚えます。
結婚の許可を親にもらう場面では、「結婚させていただけますか」というよう
に、「させていただく」を使うのは不自然ではありませんが、結婚することが
決まってから、それを周りに伝える際に「結婚させていただく」というのは
「???」ではないでしょうか。
他にも、「金メダルをとらせていただきました」というのも、変ですよね。
金メダルは誰かの許可を得て、とるものではありませんから。
「させていただく」は日本人の価値観が詰まった、日本人らしい表現です。
単に「とにかく語尾につければ、丁寧な感じになる」というような曖昧な感覚
ではなく、場面に応じて使いたいですね。