現役日本語教師の日本語豆知識

テレビ番組のテロップ

公開日:2015.11.04 更新日:2023.04.26

今では当たり前になっているテレビ番組のテロップ
これが多用されるようになった頃は「見づらい」とか、「目障りだ」とか
いう意見が多くでていました。
しかし、日本に住む外国人には好評のようです。

学習者たちも「先生、テロップは便利ですね♪」とよく言います。

日本に住んでいる外国人たちも、日本のTV番組を見ます。
その中でバラエティ番組は「難しい」と言います。
バラエティ番組は話すスピードが早いし、省略文だらけだし、さらには
方言(よしもと語?)もたくさん使用されます。
そのため、日本語を勉強中の外国人にとっては、とても難しい番組です。
そんな時、「便利」なのが、テロップなのだそうです。

バラエティ番組のテロップは、発言の内容や声のトーンなどによって、
字体が変わったり、デザイン、色も変わったりと、通常の「字幕」とは
違います。
学習者たちは、その字体の変化や、デザイン、色で「どんなニュアンス
なのか?」、「どういう意味の笑いなのか」を理解している
そうです。

こういう彼らの意見を聞くと、「日本人からは嫌がられることもあるテロップの
多用も、それによって助かっている人もいるんだな」と思い、バラエティ番組
を見るときにじーっと見て、考えてしまいます(日本語教師病ですね・・・)。

皆さんも、機会があるときに、「テロップ」をよく見てみてください。
今までとは違う感覚で、見られるかもしれません。

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この記事の監修者

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松田 良子 Ryoko Matsuda

ルネサンス日本語学院 日本語教師養成講座講師

《資格》日本語教師養成課程修了・日本語教育能力検定試験合格

《経歴》日本語教師養成講座を修了後、約30年に渡り、大使館、留学生、インターナショナルスクール、企業などで日本語教育に従事。また、(社)国際日本語普及協会の「地域日本語教育コーディネーター研修」修了後は、地域の日本語教育、ボランティア支援や教育委員会日本語研修プログラム、NHK文化センター、一部上場企業などへの日本語教育コーディネイトや日本語教師養成に携わり、日本語教育総合支援など多方面で活躍中。

《専門分野》就労者・生活者・年少者に対する日本語教育。

《監修者からのコメント》

日本語教師の勉強は、「知識」だけでも、「技術」だけでもだめです。 両方揃って初めて「学習者」という同乗者が安心して授業を受けられます。単なる知識の講座ではなく、皆さんより少し先を歩く私たち現役日本語教師が考え、悩み、苦労してたどり着いた答えを多く取り入れた「現場目線」を意識しています。
私自身、国語教師を目指し、日本語の文法にも自信があったにもかかわらず、「こんにちは。」の使い方を外国人に教えられなかった…というショックから、「日本語」に興味を持ち、日本語教師になりました。日本語教育業界は、わかりやすそうでわかりにくいですから、この業界の専門知識のある人に相談することがおすすめです。ぜひお気軽にお問い合わせください。