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立ちています?書きています?

日本語を勉強する外国人は動詞を勉強し始めると、急におしゃべりになります。
それまでは、「~は~です。」といった文が中心なので、自分の行動などが
表現できないのですが、「動詞(文)」という手段を手に入れると、今までの
ストレスを発散するかのように、積極的に日本語でコミュニケーションをとって
くるようになるのです。

そんな彼らが乗り越えなければならない大きな山があります。
それが「動詞の変化」です。

私たち日本人も国語の文法の時間に「五段活用・上一段活用」や、
「未然形、連用形、終止形」などといった動詞の変化の勉強をしますが、
日本語を勉強する外国人もこの変化を学ばなければなりません。

外国人に日本語を教える場合は、私たち日本人が勉強してきたような
「未然形、連用形・・」というような方法では教えません。
例えば、「立ちます、読みます」といった「動詞+ます」は「ます形」、
「立つ、読む」というように辞書に載っている形のものは「辞書形」と
いうように教えます。

その動詞の変化の中でも、「ひええええ~」と学習者が思う一番高い山が、
「立っています」とか、「書いてください」の「動詞+て」の変化です。

これの何が「ひええええ~」なのかというと、
って/書/話して/読んで・・・というように「って」、「いて」、
「して」、「んで」と色々な変化をするからです。
何も知らない外国人は『動詞一つひとつの「~て」の形を覚えなければならないのか!!』と青ざめるのです。

しかし、私たちの母語である日本語にはこの複雑そうな「~て」の変化にも
きちんとルールがあります

このルールは動詞の辞書の形(立つ/書く・・など)の最後のひらがなに
注目します。
そうすると、最後のひらがなが

「う・つ・る」の動詞+「て」「って」になる。
 (例)歌→歌って/立→立って/座→座って
「ぬ・む・ぶ」の動詞+「て」「んで」になる。
 (例)死→死んで/読→読んで/遊→遊んで
「く」の動詞+「て」「いて」「ぐ」の動詞+「て」「いで」になる。
 (例)書→書いて/泳→泳いで
「す」の動詞+「て」「してになる。
 (例)話→話して

という大きなルールが見えてきます(注1)。

こんな風に、「外国語としての日本語」という視点から見ると、日本人でも、
なかなか気づかないルールがあり、面白いのです。

国語で勉強した「文法」が苦手だったという方。
外国人が勉強する「外国語としての日本語」という視点から日本語を考えると、
「文法」も楽しくなるかもしれませんよ。

(注1)
「見る」、「起きる」、「寝る」、「食べる」など「る」で終わっても
「って」にならないものもありますが、これはまた、ちょっと違う
グループの動詞なので、次の機会(水曜日)にお話します。


◆◇◆ 次回(11/2)予告 ◆◇◆

次回から、数回はこの「動詞の変化のヒミツ」をご紹介していきたいと
思います。
この動詞の変化。日本人も「あっ!」と驚くヒミツがあるのです。

「未然、連用、終止、連体・・・」なんて呪文のように唱えて、覚えた記憶が
ある方。
もっと早く知っていれば、文法アレルギーにならなかったかもしれません。

では、また来週月曜日に。

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