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学校「に」行きます。/学校「へ」行きます。
学校に行きます。
学校へ行きます。
【問】この二つの文の違いを説明しなさい。
日本語教師になるための試験で見かけるような問題です・・・。
この二つの文の違いは「に」か、「へ」かですが、
皆さん、上手く説明できますか?
今まで色々な「日本人の知らない日本語の仕組み」をご紹介してきましたが、
この「に」と「へ」の違いは、日本人でも説明するのが難しいかもしれません。
(私たちの日常生活の中では「に」の方が優勢で、「へ」を使う場面は少なく
なってきているようですので・・・。)
しかし、日本語のテキストでは、「に」と「へ」は勉強しなければならない
項目として出てきますので、私たち日本語教師はこの違いを学習者に
教える必要があります。
では、「に」と「へ」は何が違うのか?
実は、
「に」は動作、移動の到達点
「へ」は動作、移動の方向
を示すという、本来の意味があります。
どういうことか、というと・・・
「私は学校に行きます。」と言った場合は「学校」という場所が私の到達点
(ゴール)であることを示しています。
それに対し、「私は学校へ行きます。」と言った場合は「学校」は私が「行く
方向」であることを示しています。
(つまり、「学校」が到達点かどうかは示してません)
と、日本語教師は教えるのですが、こう話しても、「え~。そうかな~。」
という日本人は多いのも現実です。
しかし、「電車に乗る」と言っても、「電車へ乗る」とはあまり言いません
よね。
他にも、「駅へ着いた」よりも、「駅に着いた」の方が自然ですよね。
こういう「乗る」とか「着く」という「そこが行き止まり」というニュアンスの
ある動詞と一緒に使うときは「へ」より「に」を使う方が自然と感じるのは、
私たち日本人が無意識のうちに「に=到達点」というイメージを持っているから
ではないでしょうか。
現在は「へ」よりも、「に」の方が優勢な状況ですが、「へ」と言わずに
「に」と言ったほうが自然な感じがする(または、その反対)・・という
場合はどんな時だろう?と考えてみるのも、秋の夜長の楽しい過ごし方
かもしれません(楽しく感じるのは日本語教師だけですか?!?)。
◆◇◆ 次回(10/19)予告 ◆◇◆
ジョンさん:先生、今日先生が着ているズボンの色はいいですね。
新米先生:ジョンさん、「着ているズボン」ではありません。
「履いているズボン」です。
ジョンさん:「履いている」?
先生、「着ている」と「履いている」は何が違うのですか?
来週月曜日に訪問してくださることを楽しみにしています。