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「~のほう」は敬語?

皆さん、シルバーウィークは楽しく過ごされましたか?
(「シルバーウィーク」という言葉はすっかり市民権を得たようですね)

さて、「日本語教室からこんにちは!」は昨日が祝日だったので、
今日更新です。

あるネパール人学習者のインタビューテストをしていた時のことです。

私はネパールのほうから参りました。
今、●●(会社名)のほうで働いています。
「みんなの日本語」の第20課のほうまで勉強しました。
・・・・と「~のほう」を連発する学習者がいました。

テストの後で「~のほう」の使い方がおかしいことを指摘すると、
『え?!「~のほう」は敬語ではありませんか?日本の店でよく聞きます。』
との返事が返ってきました。

う~ん・・・・。
確かに店ではこの「~のほう」を聞きますよね。
一部マスコミでは「バイト敬語と呼ばれているぐらいですから、
何も知らない外国人が聞いたら、「~のほう」をつけると丁寧な表現になると
勘違いしても仕方ないのかもしれません。

「~のほう」はTVや新聞などで「気になる日本語」として取り上げられる言葉
ですが、何も「~のほう」を使った表現の全てが間違いというわけではあり
ません。
「物事をぼかして言ったり、遠まわしに言ったりする」時や
「何かと比較して一方を選ぶ」時に使うのは本来の使い方で、正しいのですが、
そういう必要・対象がない時に使うと、いわゆる「耳障りな日本語」と指摘
されてしまうのです。

ネパール人の彼の場合は、正しい使い方も知っていましたが、普段利用する
スーパーや飲食店でよく耳にする「~のほう」を聞いて、
「~のほう」=「店員が使う言葉」=「敬語」と勘違いしてしまったようです。

外国人に勘違いされるほど日本の店で「~のほう」が使われているのか
わかりませんが、皆さんも機会があれば、気をつけて聞いてみてください。

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