ブログ
横断歩道「で」歩きます?
新米先生:ジョンさん、この作文の日本語は変ですよ。
「私は横断歩道で歩きます」って・・・。
ジョンさん:え?どうしてですか?
だって、「ご飯をレストランで食べます。」、
「テレビを家で見ます。」、「本を図書館で読みます。」・・。
先生は「場所の言葉+で+動詞」と教えましたよ。
「歩く」は動詞だから、「横断歩道で」でしょう?
新米先生:う~ん。そうですが・・・。
日本人は普通「横断歩道を歩きます」と言います。
ジョンさん:横断歩道「を」?
どうして???
さて、皆さん。
どうして「横断歩道で歩く」というと変な感じがするのでしょうか?
実はこの場合、ポイントになるのは、「どんな動詞を使っているか」
という点です。
確かに、新米先生がジョンさんに教えたように、何かの動作をする場所を
表す時は、「場所の言葉+で+動詞」で日本語は表現します。
しかし、その「+動詞」が、「渡る、通る、歩く、走る・・・」など移動を
表す動詞の場合、その移動する場所は「で」ではなく、「を」を使って示す
というルールが日本語にはあります。
例えば、
「川を渡る」とは言いますが、「川で渡る」とは言いませんよね。
また、「道を通る」とは言いますが、「道で通る」とは私たち日本人は
言わないはずです。
なぜなら、「渡る」も「通る」も、ある地点からある地点への移動を表す
動詞だからです。
私たち日本人はこういった「を」や「で」などの「助詞」の使い方を
子供の頃から体得的に身につけてきていますので、いざ説明する
となると「え~っと・・・。」と困ってしまうのですが、だからといって、
日本人は適当に助詞を選んで使っているわけではありません。
「助詞」というと、国語の時間の文法を思いだし、苦手意識を持つ日本人も
多いですが、「どんなルールで使い分けているんだろう」という視点から
見ると、今までとは違う世界が見えてきて、面白いかもしれませんよ。
◆◇◆ 次回(9/28)予告 ◆◇◆
ジョンさん:先生!
昨日、日本人の友達から「日本語が上手になったね」
と言われました。
新米先生:そう!それは良かったわね。
ジョンさん:はい!先生のせいです。ありがとうございます。
新米先生:・・・・。先生のせい?
ジョンさん、そういうときは「先生のおかげ」でしょう?
ジョンさん:せんせいのおかげ?どうして?
皆さん。
確かに「先生のせい」は変ですね。
「せい」と「おかげ」何が違うのでしょうか。
答えは、9月28日(月)に!