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チョコレートは「枚」?「個」?「本」?
新米先生:今日は「数」の勉強です。
鉛筆は「1本」、「2本」、「3本」・・・「本」です。
紙は「1枚」、「2枚」、「3枚」・・・「枚」です。
りんごは「1個」、「2個」、「3個」・・・「個」です。
ジョンさん:うわ~。「本」、「枚」、「個」・・・。難しそうです。
新米先生:そうですね。でも、覚えましょう!
ボールペンは「●本」です。マーカーも「●本」です。
ジョンさん:書く物は「本」ですか?
新米先生:書く物だけではありませんよ。傘も「●本」です。
ジョンさん:ええっ!?傘も?!
「数」の言葉の勉強。大変そうですね・・・。
この「本」、「個」、「枚」などは「助数詞」と言います。
「助数詞」は「1(一)」、「2(二)」、「3(三)」などの数字の後ろに
ついて、その数字が何の数量を表すかを示す言葉です。
ということは、私たち日本人は「本」、「個」、「枚」という言葉を聞いて、
「あ~、○○の数だね」ということが分かるということです。
しかし、何も知らない外国人は「1本」と言われても、「○○の数」という
ことが分かりませんから、私たち日本語教師はこの「○○の数」は
どういうルールで分類されているかを教える必要があります。
では、皆さん。
「本」、「個」、「枚」はどんな物を数えるときに使っていますか?
こう質問すると、日本人からは次のような答えがよく返ってきます。
「本」・・・細長い物
「個」・・・小さい物
「枚」・・・薄い物
なかなかいい線をいっていますが、こう教えると、実際の生活では不都合な
場面も出てきます。
例えば、「丸太」。私たち日本人は「1本、2本・・」と数えますが、
丸太を「細長い物」というのは抵抗がありませんか?
他にも「サッカーボール」は「1個、2個」と数えますが、
「小さい物」でしょうか?
また、「布団」。「1枚、2枚」と数えますが、
「薄い物」と言えるかは「・・・」ではないでしょうか?
こういったこともあり、私たち日本語教師はもっとシンプルに教えます。
「本」・・・長い物
「個」・・・かたまり(の物)
「枚」・・・平たい物
そして、ここでのポイントはこの「本」、「個」、「枚」の使い分けは、
その物の「形状」で分類されているということを理解させることにあります。
(だから、同じチョコレートでも、板チョコだと「枚」、チロルチョコだと「個」、フィンガーチョコレートだと「本」と私たち日本人は無意識に言って
いるんですね)
更に、もう一つ重要なことを教えなければなりません。
日本語の助数詞は約500あると言われています。
しかし、それを全部覚えるのは日本人でも難しいですし、実生活ではほとんど
使われていないものもあります。
では、どうするか?
それは、「本」、「個」、「枚」と色々あるけれど、「物」を数える時には
全て「つ」が使える(但し、9まで)ことを教えます。
そうすると、外国人も勉強した助数詞を忘れても、とにかく「つ」を使えば、
日本人に「物の数」を伝えることができます。
(日本人も小さい子供は何でも「つ」で数えてますよね)
このように一見難しい「助数詞」ですが、その使い分けにはきちんとした
「分類のルール」があります。
そして、私たち日本人はそれを知らない間にきちんと理解し、使っている
のです。面白いですね。
◆◇◆ 次回(9/14)予告 ◆◇◆
ジョンさん:先生。その赤いスカート、素敵ですね。
新米先生:ありがとう。ジョンさんの緑のシャツも素敵ですよ。
ジョンさん:「緑のシャツ」?「緑いシャツ」ではありませんか?
新米先生:いいえ、ジョンさん。「緑いシャツ」ではありません。
「緑のシャツ」です。
ジョンさん:先生。
「赤+い」はいいのに、どうして、「緑+い」は違うのですか?
新米先生:えっ?!?!それは・・・。
さて、皆さん。
「赤い●●」は言えるのに、どうして「緑い●●」は言えないのでしょうか?
答えは、来週月曜日に!