現役日本語教師の日本語豆知識
「さつま」は果物です。
公開日:2015.09.02 更新日:2023.04.26
皆さん、「さつま」という果物をご存知ですか?
こんな質問をされたら、日本人のほとんどは「知りません」と
答えると思います。
しかし、実はこの「さつま」。
私たち日本人にとって、とっても身近な果物なのです。
ある時、イギリス人の学習者が自己紹介でこんなことを言いました。
私は「さつま」が好きです。
これを聞いたとき、私は
「さつま?さつまいも?それとも、さつま揚げのこと?」
と思ったのですが、彼の話を聞いていると、
「さつま」はジューシーです。とても甘いです。
私の国では「さつま」は高いですが、日本のスーパーでは「さつま」は安い
です。だから、私は毎日「さつま」を食べています。
と続きます。
私の頭の中は、「ジューシー?とても甘い??いったいなんのこと???」と
段々「????」だらけになっていき、
(私)ジェイミーさん、「さつま」は何ですか?
(ジェイミーさん)「さつま」は果物です。
(私)果物?どんな果物ですか?
(ジェイミー)え?先生は知りませんか?オレンジみたいな果物です。
皆さん!お分かりになりましたか?
そうです。この「さつま」という果物。実は「みかん」のことだったのです。
イギリスでは「さつま」という名前で売られているそうで、
反対に、イギリス人の彼は日本人がみかんを「さつま」とは呼ばないことに
驚いていました。
後で調べてわかったのですが、なんでも昔、薩摩藩からイギリスに送られた
のが始まりで、それで「さつま」というのだとか。
歴史を感じさせるエピソードでした。
この記事の監修者
![監修者の写真](https://www.rn-ac.jp/teacher_ryoko_matsuda.webp)
ルネサンス日本語学院 日本語教師養成講座講師
《資格》日本語教師養成課程修了・日本語教育能力検定試験合格
《経歴》日本語教師養成講座を修了後、約30年に渡り、大使館、留学生、インターナショナルスクール、企業などで日本語教育に従事。また、(社)国際日本語普及協会の「地域日本語教育コーディネーター研修」修了後は、地域の日本語教育、ボランティア支援や教育委員会日本語研修プログラム、NHK文化センター、一部上場企業などへの日本語教育コーディネイトや日本語教師養成に携わり、日本語教育総合支援など多方面で活躍中。
《専門分野》就労者・生活者・年少者に対する日本語教育。
《監修者からのコメント》
日本語教師の勉強は、「知識」だけでも、「技術」だけでもだめです。 両方揃って初めて「学習者」という同乗者が安心して授業を受けられます。単なる知識の講座ではなく、皆さんより少し先を歩く私たち現役日本語教師が考え、悩み、苦労してたどり着いた答えを多く取り入れた「現場目線」を意識しています。
私自身、国語教師を目指し、日本語の文法にも自信があったにもかかわらず、「こんにちは。」の使い方を外国人に教えられなかった…というショックから、「日本語」に興味を持ち、日本語教師になりました。日本語教育業界は、わかりやすそうでわかりにくいですから、この業界の専門知識のある人に相談することがおすすめです。ぜひお気軽にお問い合わせください。