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「ひらがな」と「カタカナ」

「わたしは ジょンです。」

皆さん。ミスタイプではありません。
実際に日本語を勉強する学習者(特に、独学)によくある書き方です。


多くの初級テキストでは、表紙を開くと、当たり前のように
「ひらがな」表と「カタカナ」表があります。
そして、第1課から
「わたしは たなかです。あなたは ジョンです。」
何の説明もなしに、「ひらがな」と「カタカナ」の区別をつけて
書いています。

実は、これは とても危険なことです。
私たちが教える学習者の中には、「ひらがな」と「カタカナ」を独学で事前に
勉強してくる方が多くいます。それはそれでいいのかもしれませんが、
問題は字形と読み方」しか覚えてこないことです。

そういう学習者の場合、「カタカナ」は「ひらがな」を忘れたときの代わり
(または、その反対)という感覚を持っていることが多いです。

だから、「じょン」とか、「ビーる」とか、日本人から見たら、「・・・」の
表記をします。

カタカナを教えるときは、「字形や読み方」を教えるのは当然ですが、
それ以上に大切なのは、「カタカナは何を表記する時に使うのか
ということです。

日本人の名前は「たなか たろう」、「やまだ はなこ」と「ひらがな」で
書くのに、なぜ、外国人の名前は「ばらく おばま」とか、「ぱく くね」と
書かないのか?

なぜ、中華料理店の漢字のふりがなは「ちんじゃおろーすー」ではなく、
「チンジャオロースー」なのか・・・ということです。

これをきちんと教えないと、「カタカナ」を教えたことにはならないと
私は思うのです。

しかし、そんな説明が書いてある初級のテキストは、ほとんどありません。
だから、学習者の中には、『どうしてカタカナで書いてあるの?』というような
質問をしてくる人もいます。
いきなり第1課から「ひらがな」と「カタカナ」を使い分けるのであれば、
「カタカナ」は何に使うのか?の説明ぐらいあってもいいと思うのですが・・・。

そんなこと習うより慣れろ!ってことでしょうか。

将来、日本語を教える皆さん。
カタカナを教えるときは、何をカタカナで書くのかもセットで教えてあげて
ください。

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