現役日本語教師の日本語豆知識

日本語教師ってどんな仕事?第14回  広告は宝の山です。

公開日:2015.07.21 更新日:2023.04.26

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松田 良子 Ryoko Matsuda

ルネサンス日本語学院 日本語教師養成講座講師

一気に「夏本番!」といった感じですね。
皆さま、連休はどこかにお出かけになったでしょうか。

さて、「日本語教師ブログ」。昨日は休日でしたので、本日、更新です。
(昨日、ご訪問してくださった皆さま、申し訳ありませんでした)

本日のテーマは「広告は宝の山です」ということで、
日本語教師の必須アイテムである「教材について、ご紹介します。

日本語を日本語で教える私たちですから、授業では、何かを単語を一つ教える
にしても、それが何かわかるような「教材」を用意します。
例えば、「鉛筆」を教えたいなら、「鉛筆」の実物を見せるというように。
学習者にとって「実物」はとても分かりやすい教材です。

しかし、実際のところ、「実物」で用意できるものは数が限られています。
そこで活躍するのが写真や絵」の教材です。

自分で写真をとったり、絵を描いたりする先生もいますが、それは少数派。
多くの日本語教師は、新聞の折り込み広告や、通販のカタログ、
家電製品のパンフレットなどの写真を教材に変身(?)させて、
活用しています。

例えば、こんな風に。
手作り絵カード


ですから、休日の新聞はとても楽しみ!
なぜなら、いつもより多めに折り込み広告が入るからです。
家電量販店も、日本語教師にとっては「教材の宝箱」です。
また、一般的には、迷惑がられるポストへの投函チラシも、
日本語教師にとってはうれしいもの。
商品の内容よりも、まず、「これ、授業で使えるかな?」と考えています。

これから日本語を教えてみようかな・・と考えている皆さん。
今のうちから少しずつ広告やパンフレットをためておいてください
「欲しい」と思ったときに限って、その広告は入ってこないものです(笑)。

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この記事の監修者

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松田 良子 Ryoko Matsuda

ルネサンス日本語学院 日本語教師養成講座講師

《資格》日本語教師養成課程修了・日本語教育能力検定試験合格

《経歴》日本語教師養成講座を修了後、約30年に渡り、大使館、留学生、インターナショナルスクール、企業などで日本語教育に従事。また、(社)国際日本語普及協会の「地域日本語教育コーディネーター研修」修了後は、地域の日本語教育、ボランティア支援や教育委員会日本語研修プログラム、NHK文化センター、一部上場企業などへの日本語教育コーディネイトや日本語教師養成に携わり、日本語教育総合支援など多方面で活躍中。

《専門分野》就労者・生活者・年少者に対する日本語教育。

《監修者からのコメント》

日本語教師の勉強は、「知識」だけでも、「技術」だけでもだめです。 両方揃って初めて「学習者」という同乗者が安心して授業を受けられます。単なる知識の講座ではなく、皆さんより少し先を歩く私たち現役日本語教師が考え、悩み、苦労してたどり着いた答えを多く取り入れた「現場目線」を意識しています。
私自身、国語教師を目指し、日本語の文法にも自信があったにもかかわらず、「こんにちは。」の使い方を外国人に教えられなかった…というショックから、「日本語」に興味を持ち、日本語教師になりました。日本語教育業界は、わかりやすそうでわかりにくいですから、この業界の専門知識のある人に相談することがおすすめです。ぜひお気軽にお問い合わせください。