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先生、お化けは「ある」?「いる」?
日本語は存在を表す言葉として「ある」と「いる」を使い分けます。
もちろん、日本語を勉強している人たちも初級の早い段階でこの言葉を
学習します。
そんなある日のこと。
一人の学習者がこんな質問をしてきました。
『先生、お化けは「ある」ですか?「いる」ですか?』
この質問。
日本人にとっては『お化けは「いる」に決まっているじゃない!』と
簡単なことに思われますが、外国人にとっては
『どうして「ある」じゃなくて、「いる」なの???』と
疑問に思うのことなのです。
なぜか。
手元の国語辞書を見ると、
・「いる」:人・動物が存在する。生きているものが存在する。
・「ある」:人、動物以外のものが存在する。無生物が存在する。
と書かれています。
となると、「お化け」は「人・動物以外のもの」であり、「生きていないもの」ですから、
当然、『そこに お化けが 「ある」』と考えるわけです。
では、どうして、私たち日本人は『そこに お化けが 「いる」』と
いうのでしょうか。
それは、実は私たち日本人は無意識に
・「いる」=動くもの
・「ある」=動かないもの
と使い分けているからなのです。
(親切な国語辞書はきちんとここまで書いています♪)
例えば、こんな場面、実際に見聞きしたことはありませんか?
道を歩いているとき、お母さんが子供に
「ほら!自転車、あるから 気をつけなさい!」といった時
「ほら!自転車、いるから 気をつけなさい!」といった時
この二つの場面、「ある」か、「いる」かで、自転車が「静止している」のか、
「動いている」のかのイメージが違いますよね。
とういことで、まとめると「お化け」は「動くもの」ですから、
「ある」ではなく、「いる」なのです。
日本語を教えていると、普段、意識せず使っている「日本語」の奥深さを
しみじみ感じます。