現役日本語教師の日本語豆知識
日本語教師ってどんな仕事?第10回 日本語教師に求められるもの(導入編)
公開日:2015.06.22 更新日:2023.04.26
監修者情報
ルネサンス日本語学院 日本語教師養成講座講師
色とりどりの紫陽花が梅雨のうっとうしさを忘れさせてくれますね。
さて、これまで色々な角度から「日本語教師ってどんな仕事?」ということで、
語学力や年齢、前職などは問わないことをお話してきました。
今日の第10回からは、ズバリ!!
「日本語教師に求められるもの」
について、お話したいと思います。
このブログをずっと読んでくださっている皆さまは、
もうご存知かと思いますが、改めて言います。
日本語を「話せること」と「教えられること」は
全くの別ものです!!!
では、具体例として、皆さまがほぼ毎日「話している」と思われる挨拶
「こんにちは。」
を教えてみましょう。
さて、「こんにちは。」の使い方、何と教えますか?
「昼、人に会った時に言う挨拶」
と考えた方。
おめでとうございます!
あなたは「普通の日本人」です!
でも、「日本語教師」ではありません。
では、「普通の日本人」であった方、次のことを考えてみてください。
① 「昼」って何時~何時までですか?
② 冬の夕方5時に「こんにちは。」と使っていますか?
③ 「人に会う」って、自分の家族に会った時にも言いますか?
④ 同じ人に同じ日に2回会ったとき、2回目も「こんにちは。」と
言っていますか?
さて、みなさん。どうですか?
これが「話せること」と「教えられること」は全くの別もの
ということなのです。
今日は「導入」としての「普通の日本人」と「日本語教師」の違いを
ほんの少し体感していただきしました。
来週月曜日からは、もっと具体的に「日本語教師に求められるもの」について
紹介していきますので、ぜひ、訪問してください!!
この記事の監修者
ルネサンス日本語学院 日本語教師養成講座講師
《資格》日本語教師養成課程修了・日本語教育能力検定試験合格
《経歴》日本語教師養成講座を修了後、約30年に渡り、大使館、留学生、インターナショナルスクール、企業などで日本語教育に従事。また、(社)国際日本語普及協会の「地域日本語教育コーディネーター研修」修了後は、地域の日本語教育、ボランティア支援や教育委員会日本語研修プログラム、NHK文化センター、一部上場企業などへの日本語教育コーディネイトや日本語教師養成に携わり、日本語教育総合支援など多方面で活躍中。
《専門分野》就労者・生活者・年少者に対する日本語教育。
《監修者からのコメント》
日本語教師の勉強は、「知識」だけでも、「技術」だけでもだめです。 両方揃って初めて「学習者」という同乗者が安心して授業を受けられます。単なる知識の講座ではなく、皆さんより少し先を歩く私たち現役日本語教師が考え、悩み、苦労してたどり着いた答えを多く取り入れた「現場目線」を意識しています。
私自身、国語教師を目指し、日本語の文法にも自信があったにもかかわらず、「こんにちは。」の使い方を外国人に教えられなかった…というショックから、「日本語」に興味を持ち、日本語教師になりました。日本語教育業界は、わかりやすそうでわかりにくいですから、この業界の専門知識のある人に相談することがおすすめです。ぜひお気軽にお問い合わせください。