現役日本語教師の日本語豆知識

日本語教師ってどんな仕事?~第2回:どんな人が日本語教師に向いているの?~

公開日:2015.04.27 更新日:2023.04.26

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松田 良子 Ryoko Matsuda

ルネサンス日本語学院 日本語教師養成講座講師

毎週月曜日は「日本語教師ってどんな仕事?」というテーマで更新します。

第2回の今日は「どんな人が日本語教師に向いているの?」です。


「日本語教師に興味はあるんですけど、
私にできるかどうか不安なんです・・・。」
というご相談をよく受けます。

実際、私自身も日本語教師に興味を持ってから、養成講座に通い始めるまでには
2年近くかかりました。

まず最初に興味を持ったときは
「自分には無理だろう」と諦めて、
1年後に「やっぱり・・・」と諦めきれずに
養成講座探しをスタートし、選ぶまでに1年。

私の中での【日本語教師像】は

「英語がペラペラ」

「高学歴」

「文法が好き(得意)」

というものでした。

私の場合、そのどれにも該当していなかったため、「私は無理だろうな・・・」
と勝手に諦めてしまったのです。

一度は諦めた私が日本語教師の勉強をスタートしたのは、実際の日本語教師に
出会って、私の【日本語教師像】が間違っていたことがわかり、
「私でも頑張ればなれるんだ!」と思ったからです。

そして、日本語教師になった今、
冒頭のような質問をされた時には
「人が好きで、『誰かのために何かしたい!』そう思える方なら、
向いていると思いますよ。」とお話します。

決して「自己満足」ではなく、
目の前にいる学習者のために自分は何ができるのか?
それを常に考えることができるか?

それができる先生なら、
たとえ最初は下手な授業しかできなかったとしても、
きっと学習者はついてきてくれると思います。
そして、学習者からさまざまな事を教わりながら、
共に成長していくのだと・・・。

こういうことを「おもしろそう」と少しでも感じるのなら、
「日本語教師」に向いていると思います。

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この記事の監修者

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松田 良子 Ryoko Matsuda

ルネサンス日本語学院 日本語教師養成講座講師

《資格》日本語教師養成課程修了・日本語教育能力検定試験合格

《経歴》日本語教師養成講座を修了後、約30年に渡り、大使館、留学生、インターナショナルスクール、企業などで日本語教育に従事。また、(社)国際日本語普及協会の「地域日本語教育コーディネーター研修」修了後は、地域の日本語教育、ボランティア支援や教育委員会日本語研修プログラム、NHK文化センター、一部上場企業などへの日本語教育コーディネイトや日本語教師養成に携わり、日本語教育総合支援など多方面で活躍中。

《専門分野》就労者・生活者・年少者に対する日本語教育。

《監修者からのコメント》

日本語教師の勉強は、「知識」だけでも、「技術」だけでもだめです。 両方揃って初めて「学習者」という同乗者が安心して授業を受けられます。単なる知識の講座ではなく、皆さんより少し先を歩く私たち現役日本語教師が考え、悩み、苦労してたどり着いた答えを多く取り入れた「現場目線」を意識しています。
私自身、国語教師を目指し、日本語の文法にも自信があったにもかかわらず、「こんにちは。」の使い方を外国人に教えられなかった…というショックから、「日本語」に興味を持ち、日本語教師になりました。日本語教育業界は、わかりやすそうでわかりにくいですから、この業界の専門知識のある人に相談することがおすすめです。ぜひお気軽にお問い合わせください。