現役日本語教師の日本語豆知識

顔が広い人ってどんな人?

公開日:2016.08.31 更新日:2023.04.26

イワノワ:先生、会社で「●●さんは顔が広い」と聞きましたけど、
     「顔が広い」人ってどんな人ですか?
私:(ニコニコ笑って)イワノワさんは、どんな人だと思う?
イワノワ:う~ん。そうですね・・・。顔がとても大きい人かな?

日本の会社で働き始めた外国人を教えていると、こんなやりとりをすることが
多くなります。
「慣用句」というと、普段あまり使っていないと思う方もいるかと思います。
しかし、外国人に言わせると、「日本人はよく使っている」のだそうです。

慣用句を学習するのは、上級レベルですので、一般的な日本語テキストや文法書
には出てきません。そのため、日本の職場で初めて聞くという外国人も多いの
です。

「後の祭り」を「打ち上げ」の意味だと思ったり、
「自腹を切る」を「切腹」と勘違いしてしまったり、
何か仕事で悩んだり、苦しんだりしている人が「あ~!!頭が痛い!」と言った
ので、頭痛薬をあげてしまった
など、例はたくさんあります。

意味が分かってしまえば、こういうことは単なる笑い話ですが、外国人は
「??」と戸惑っているのです。

もし、皆さんが、慣用句を聞いて困った顔をしている外国人がいたら、ぜひ、
助けてあげてください。

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この記事の監修者

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松田 良子 Ryoko Matsuda

ルネサンス日本語学院 日本語教師養成講座講師

《資格》日本語教師養成課程修了・日本語教育能力検定試験合格

《経歴》日本語教師養成講座を修了後、約30年に渡り、大使館、留学生、インターナショナルスクール、企業などで日本語教育に従事。また、(社)国際日本語普及協会の「地域日本語教育コーディネーター研修」修了後は、地域の日本語教育、ボランティア支援や教育委員会日本語研修プログラム、NHK文化センター、一部上場企業などへの日本語教育コーディネイトや日本語教師養成に携わり、日本語教育総合支援など多方面で活躍中。

《専門分野》就労者・生活者・年少者に対する日本語教育。

《監修者からのコメント》

日本語教師の勉強は、「知識」だけでも、「技術」だけでもだめです。 両方揃って初めて「学習者」という同乗者が安心して授業を受けられます。単なる知識の講座ではなく、皆さんより少し先を歩く私たち現役日本語教師が考え、悩み、苦労してたどり着いた答えを多く取り入れた「現場目線」を意識しています。
私自身、国語教師を目指し、日本語の文法にも自信があったにもかかわらず、「こんにちは。」の使い方を外国人に教えられなかった…というショックから、「日本語」に興味を持ち、日本語教師になりました。日本語教育業界は、わかりやすそうでわかりにくいですから、この業界の専門知識のある人に相談することがおすすめです。ぜひお気軽にお問い合わせください。