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「~ことにする」と「~ことになる」
日本語を勉強する外国人が「???」と思う日本語の一つに「~ことにする」と「~ことになる」の違いがあります。
例えば、
A)私は彼女と結婚することにしました。
B)私は彼女と結婚することになりました。
このA)の文とB)の文、どう違うのでしょうか?
こんな質問をされると、日本人は「え~っと・・」と戸惑ってしまうのですが、私たち日本語教師は「同じところは同じ意味。違うところにその差がある。」
と考えます。
このA)文とB)文とで同じ部分は「私は彼女と結婚することに」ですから、
ここまではこの二つの文は同じ意味を持っています。
しかし、最後でA)は「しました。」、B)は「なりました。」と違う表現に
なります。
ということは、A)文とB)文の意味の違いは
「しました(する)」と「なりました(なる)」の意味の違い
を考えれば、分かるのです。
「する」には「自分の意志である動作、行為を行う」という意味があります。
一方、「なる」には「人為的ではなく、自然の成り行きで変化し、ある状態が
現れる」という意味があります。
ということは、「~ことにする」と「~ことになる」は、
「自分の意志で決めたこと」なのか、
「自分の意志とは関係なく、そういう結果になったのか」の違い
と言えます。
こういう説明をすると、外国人も「~ことにする」と「~ことになる」の違いが
理解できるのですが、それでも、彼らは「???」と思うことが多いのです。
なぜか?
それは、日本人は自分の意志で決めておきながら、
「今度、結婚することになりました」と言うからです。
これを聞いた外国人たちは、「??この人は結婚したくないのかしら?」、
「周りの人に強制されたの?」と考えてしまうわけです。
自分で決めておきながら、「~ことになりました」というのは、
いかにも日本人らしい表現ではないでしょうか。
◆◇◆ 次回(12/21)予告 ◆◇◆
次回は、「日本人が知らない日本語の仕組み」の年内最後の更新です。
8月から色々なテーマで「日本語の仕組み」をご紹介してきましたので、
半年間の「まとめ」として、こんな問題を考えてみました。
ぜひ、皆さん、考えてみてください。
A)米洗う前に蛍が一つ、二つ
B)米洗う前を蛍が一つ、二つ
C)米洗う前へ蛍が一つ、二つ
D)米洗う前で蛍が一つ、二つ
日本語の助詞の面白さを理解してもらうためによく使われる有名な俳句です。
さて、皆さん。このA)~D)の文の情景の違いを上手く説明してみてください。
答えは、来週月曜日に。