大阪校ブログ

学生役をやってみて気づいた日本語の難しさ

2025.10.04

日本語教師養成講座の授業では、受講生同士が「教師役」と「学生役」に分かれて模擬授業を行うことがあります。
この"学生役"をやってみると、普段は気づかない日本語の難しさを肌で感じられる貴重な体験になります。


1. 知っている言葉でも、聞き取りは別問題

例えば「て形」や「〜たい形」をすでに知っているつもりでも、先生がテンポよく話すと「今の形、何だったっけ?」と頭が真っ白になることがあります。
学習者は知識があっても即座に聞き取って理解するのは大変なのだと実感します。


2. 日本語は助詞がやっぱり難しい

「が」と「を」、「に」と「へ」...学生役をすると、ほんの小さな助詞の違いで意味が大きく変わり、混乱する気持ちがよくわかります。
教師側に立つと「こんなの簡単でしょ?」と思ってしまいがちですが、学習者にとっては助詞こそ最大のハードルなのです。


3. 見本があると安心できる

学生役をしてみると、説明を聞くだけでは理解が追いつかないことも多いですが、絵カードやジェスチャー、板書例があると理解がグッと深まります。
「なるほど、こういう工夫があると伝わるんだ」と教師の立場では気づけない発見があります。


4. 「間違える」ことへの緊張感

学習者役をしていると、答えが分からずに黙ってしまう瞬間があります。
そのときに先生役が励ます声かけをしてくれるとホッとします。逆にプレッシャーを感じるとさらに話せなくなってしまいます。
学習者が安心して間違えられる雰囲気づくりの大切さを、身をもって理解できます。


まとめ

学生役を体験すると、

  • 聞き取りの難しさ

  • 助詞の混乱

  • 視覚的サポートの効果

  • 安心できる教室雰囲気の重要性

といった日本語学習のリアルな課題を体感できます。

日本語教師を目指す方にとって、学生役体験は"教える力"を磨く近道
これからの模擬授業や教壇実習でも、ぜひ「学習者の目線」を意識してみてください。