大阪校ブログ

日本語初級者の"沈黙"をどう乗り越えるか?

2025.07.23

〜話さないのは、話せないからじゃない〜

こんにちは!

初級クラスでよくあるのが、
「授業中、学習者が話してくれない...」という"沈黙"の場面。

質問をしても無言。グループワークでも声が出ない。
でも実は、それにはちゃんと理由があるんです。

今回は、初級学習者の"沈黙"の原因と、乗り越えるための工夫についてご紹介します。


◆ なぜ"沈黙"が起きるのか?

✓ ① 自信がない(間違えるのが怖い)

→「あってるかな?」「笑われたらどうしよう」
話す力がないわけではなく、"話す勇気"が出ないことが多いです。

✓ ② 考える時間が足りない

→ 日本語で文を組み立てるには時間が必要。でも、先生の問いかけが早いと焦ってしまい、口が開かない...。

✓ ③ 質問が広すぎる

→ たとえば「あなたの趣味は何ですか?」は、文型も語彙も難しく感じてしまい、答えに詰まることがあります。


◆ 沈黙をほぐす!3つのアプローチ

1. 質問を"分解"する

広い質問は、まずYes/Noや選択式にしてから、少しずつ広げていきましょう。

例)「週末、何をしましたか?」
→ 「土曜日は、家にいましたか?出かけましたか?」
→ 「どこへ行きましたか?」「何をしましたか?」

こうすると、初級者でも少しずつ答えやすくなります。


2. 書いてから話す

話す前に書く時間を設けると、沈黙がぐっと減ります!

活動例:「自己紹介カード」

  • 5分間、名前・出身・好きなこと などをカードに書く

  • その後、ペアになって発表

事前に文を整理する時間があるだけで、安心感が増します。


3. "話したくなる"アクティビティを入れる

教科書の練習だけでは、学習者の"心"が動かないことも。

そんなときは、ゲーム感覚のタスクを入れてみましょう!

例:「イエス・ノークイズ」

  • 自分のことに関するYes/Noクイズを1つ作る(例:「私は犬を2匹飼っています。Yes or No?」)

  • ペアやグループで質問し合う

正解・不正解があると、自然に会話が生まれます。


◆ まとめ:「沈黙」は悪いことじゃない

初級学習者の沈黙は、"考えている時間"であることも多いです。
焦らず、「待つ力」「聞く力」も教師のスキル

無理に話させるのではなく、安心して話せる"場づくり"を意識していきましょう。