大阪校ブログ

発音指導、どうしてる?現場で使えるアイデア集

2025.07.17

こんにちは!今週は雨が多いですね。

授業の中で意外と見落とされがちなのが「発音指導」。
でも、実際には学習者の"通じた!""わかった!"という達成感につながる、とても大事な要素なんです。

今回は、特に初級〜中級のクラスで使いやすい発音指導アイデアを集めました。
「楽しく」「わかりやすく」「続けやすく」をキーワードにしています。


◆ 発音指導、なぜ必要?

「文法や語彙はバッチリなのに、なんだか伝わりにくい...」
そんなとき、原因は"発音"にあるかもしれません。

通じやすさ(伝わる)
聞き取りやすさ(相手の負担が減る)
聞く力にもつながる(音声意識の向上)

発音が少し良くなるだけで、会話がスムーズになったり、自信がついたりと、学習者にとってもプラスが多いです。


【1】長音・促音・撥音を体で覚える

例:

  • 「おばさん(obasan)」vs「おばあさん(obaasan)」

  • 「きって」vs「きて」

  • 「ほん」vs「ほ」

✓ 長音 → 手をのばす/体を伸ばす
✓ 促音 → 拍手でタイミングを取る
✓ 撥音 → 鼻に手を当てて「ン」の振動を感じさせる

視覚・身体の感覚を使うことで定着率UP!


【2】声の高さ&イントネーション練習

日本語のピッチアクセントは、韓国語や中国語学習者にとっては特に難しいポイント。
「はし(橋/箸)」のような区別があることも伝えましょう。

♪「歌でイントネーション」
簡単なフレーズ(例:「あした いきます」)をメロディに乗せて言ってみる。
→ 音の上がり下がりを感じやすい!


【3】シャドーイングは"短く・正確に"

教材を使うときは、シャドーイング(聞いた音をすぐまねる)が効果的です。

ただし...

✓ 初級では「短く、正確に」を意識
✓ 文よりもまずは「語」や「フレーズ」で
✓ CDや動画教材でスクリプトを確認しながら

▶「1回聞く → 1回真似る → スクリプト確認 → 再度シャドーイング」の流れがおすすめ!


【4】母語干渉を意識した指導

例:

  • 中国語話者:「つ・ち・し」の区別が苦手

  • ベトナム語話者:「ふ」と「ほ」が混同しがち

  • 英語話者:「らりるれろ」が「la li lu le lo」になりやすい

→ 個別フィードバックを入れつつ、「他の学習者にも関係のある発音」として全体に解説するのがコツ。


【5】ペア練習+録音で"自分の音"を知る

スマホやタブレットで、学習者自身の声を録音し、聞いてもらうだけでも大きな気づきがあります。

「あれ、自分の"りんご"が"にんご"に聞こえる...!」

✓ ペアで聞き合いフィードバックし合う
✓ 教師が録音して返すのもOK


まとめ:楽しく、ちょっとずつがカギ!

発音指導は「正す」ことだけが目的ではありません。
"通じることば"を育てるためのサポートとして、楽しく・繰り返し取り組むことが大切です。

学習者の声に耳を傾けつつ、「伝わる日本語」を一緒に育てていきましょう!