大阪校ブログ

大阪万博のトルクメニスタンパビリオンに"びっくり教科書"現る!

2025.07.10

こんにちは!
今日は今アツいネタからご紹介したいと思います!
ちょっとユニークで、じわじわ笑えて、でも「なるほど!」と唸ってしまう日本語学習のリアルをご紹介します。


◆ 大阪万博に、日本語教科書が⁉

現在開催中の大阪・関西万博。各国の文化や技術を紹介するパビリオンが注目を集めていますが、その中でも一風変わった展示があるのが、トルクメニスタンパビリオン

なんとそこに展示されていたのが......
\ 実際に現地で使われている日本語の教科書! /

これだけでも「おお!」なのですが、問題はその内容。
目に飛び込んできたのは――

おかあああああさん
おにいいいいいいいさん
おねええええええさあああん

!?!?!?!?


◆ なぜそんなに伸びているのか

気になって、パビリオンのコーディネーターの方に聞いてみると、

「トルクメン語には"長母音"がないんです。だからどこで伸ばせばいいのか分からないんですよ」

とのこと。

そう、日本語学習者が最初につまずくポイントのひとつがこの「長母音」なんです。


◆ 長母音ってなに?

たとえば...

  • おにさん → 正解

  • おにさん → 別人(鬼さん...?)

  • おねえさん → 正解

  • おねさん → ...?

長母音とは、「同じ母音を2回続けて伸ばす発音」のこと。
意味の違いも生まれるので、実は超重要!

でも、トルクメン語のように母音の長さで意味が変わらない言語では、なかなかピンとこないのも当然です。


◆ 「救急車」が「くうくうしゃ」に!?

さらに日本語のややこしさは、「拗音(きゃ・きゅ・きょ)」にもあります。

たとえば、「救急車」は
きゅうきゅうしゃ(kyuukyuu-sha)と読むのが正解。

でも、学習者の中には...

「くうくうしゃ!」(kuu-kuu-sha)

と言ってしまう人も!

それじゃまるで、お腹が空いてる車!?(笑)


◆ 笑えるけど、実は深い

日本語ネイティブにとっては当たり前の「長母音」や「拗音」ですが、母語にない音を身につけるのはかなり大変です。

それでも、トルクメニスタンでは日本企業の進出に伴い、日本語学習のニーズが高まっているとのこと。

万博に展示されたあの"びよ〜ん"と伸びた教科書も、
「どうやったら正確に伝えられるか?」を考えた、学習者と先生たちの知恵の結晶なのかもしれません。


◆ 教える側としてできること

今回のエピソードを通して改めて思うのは、
「発音」は、ただ正せばいいものではないということ。

・音声でたくさんインプット
・その背景にある言語差を理解すること

...これが、日本語教師にとっても大事な視点だなと感じました。


◆ まとめ:びよーんと伸びる教科書にこめられた思い

おかああああさん、おにいいいいさん、おねえええええさあん――
つい笑ってしまうその教科書には、「日本語を話せるようになりたい!」という、トルクメニスタンの人たちの真剣な気持ちが詰まっていました。

万博に行かれる方は、ぜひ"日本語教科書コーナー"をのぞいてみてください。
世界のどこかで、"日本語"ががんばって発音されている。
そんな現実に、ちょっとほっこりするかもしれません。