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擬音語と擬態語ってどう違うの? 〜授業での教え方とコツ〜

2025.07.09

こんにちは!
今回は、初級から中級の授業でもよく扱われる「擬音語」と「擬態語」の違い、そしてそれをどう教えるかについてまとめてみました。

学習者にとっては「どちらも"オノマトペ"でしょ?」と混同されがちですが、日本語らしさがギュッと詰まった表現だからこそ、楽しく・実用的に教えたいですよね。


◆ 擬音語と擬態語の違いとは?

擬音語(ぎおんご)
→ 実際の音をまねたことば。
英語の"sound effect words"に近い。

例:

  • わんわん(犬の鳴き声)

  • ドアがバタンと閉まった

  • 雷がゴロゴロ鳴っている

擬態語(ぎたいご)
→ 音のしない「様子」や「感情」を表す言葉。
英語には対応する概念があまりなく、学習者には新鮮かつ難しい分野。

例:

  • 心がドキドキする

  • 子どもがニコニコ笑っている

  • 空がどんより曇っている

簡単にいうと、

擬音語="耳で聞こえる音"
擬態語="音のない気持ちや様子"


◆ 授業で教えるときのポイント

① イラストや写真を使う

特に擬態語は、視覚的なサポートが必須!
「にこにこ」と「くすくす」の違いなど、笑顔の種類を比べると効果的。

→ 教材例:「まるごと」や「いろどり」などの初級教材にオノマトペイラストが豊富です。

② 身ぶりや声を使って楽しく!

「ぴかぴか!」「ざあざあ!」など、教師がオーバーリアクション気味に表現すると、印象に残りやすくなります。

ゲーム形式もおすすめ:

  • オノマトペジェスチャーゲーム

  • 音を聞いてカードを取る「神経衰弱」風アクティビティ

③ 擬音語と擬態語を意識的に分けて紹介する

学習者が混同しやすいので、最初の導入では「音があるかないか」で線を引くことが大切。

例:

  • ゴロゴロ(雷の音)→ 擬音語

  • ゴロゴロ(家で寝転んでいる様子)→ 擬態語

この"同じ形で意味が違う"例は、日本語の面白さとして紹介してあげましょう。


◆ よくある学習者の疑問と対応法

「"わんわん"と"バウワウ"は違うの?」
→ 文化や聴覚的なとらえ方の違いを説明。「日本語ではこう聞こえるんだね」と紹介。

「"イライラ"と"ムカムカ"の違いは?」
→ 意味の強さや感情の種類を、表にして比較してあげると◎
(イライラ=焦り、ムカムカ=不快感)


◆ 実際の会話にどう活かすか?

擬音語・擬態語は、会話や感情表現のアクセントとしてとても便利です。
特に、日記・エピソードトーク・天気の話などに積極的に取り入れると、学習者の表現がぐっと自然になります。

例文練習のテーマ:

  • どんなときに"ドキドキ"する?

  • "ぴかぴか"のものは何?

  • "どんより"した空の日は、どんな気持ち?


◆ まとめ:オノマトペは"楽しく、使ってナンボ!"

擬音語と擬態語は、日本語の"感覚的な表現力"を育てる大切な要素です。
最初は難しく感じても、繰り返し使うことで自然に身につきます。

授業では「使って楽しい」「覚えてうれしい」をキーワードに、明るく・実践的に教えることを意識してみてくださいね。