大阪校ブログ

教室でよくある"日本語あるある"とその対処法

2025.07.03

~笑いあり、発見あり!リアルな授業現場から~

こんにちは。
授業中、思わずクスッと笑ってしまう場面や、「ああ、またこの質問きた!」と思う瞬間、ありませんか?

今回は、教室でよく見られる"日本語あるある"と、それに対して私が試行錯誤していたちょっとした対処法をご紹介します!


① 「"は"と"が"の違いがわかりません!」

あるあるシーン

学習者:「先生、"私は田中です"と"私が田中です"はどう違うんですか?」
先生:(き、きた......!)

「は」と「が」の違いは、日本語教育界でも永遠のテーマ。理解の深さが求められます。

対処法

まずは、役割の違いをシンプルに説明します。

  • 「は」=テーマ(何の話かを示す)

  • 「が」=主語(新しい情報・強調)

例文を複数提示して、イメージを掴んでもらいます。
あとは「使いながら慣れていく」しかないので、実際の会話例やイラスト付きプリントで繰り返し使ってもらいます!


② 「"あげます"と"もらいます"が逆になっちゃう!」

あるあるシーン

学習者:「先生、昨日、田中さんにプレゼントをもらいました!」
先生:「あれ?プレゼントをあげたんじゃなかったの?」
学習者:「あ、そうでした...!」

この「あげます/もらいます」の使い分け、特に主語の視点が関係するので、初級学習者がよく混乱します。

対処法

まずは、だれを基準にした文かを一緒に確認します。

  • 「私 → あげます(与える)」

  • 「私 ← もらいます(受け取る)」

図や矢印を使って、視点を視覚化するのが効果的です。

また、学習者自身の例を使って練習すると理解が深まりやすくなります。
「先生におみやげをあげました」や「先生からプレゼントをもらいました」など、自分の経験とリンクさせると、楽しく覚えられます。

ポイント:間違えても「気持ちは伝わってるよ!」とフォローしながら、自然な使い方を繰り返しインプットしていくことが大切です。


③ 「"いいえ、行きません"が正解?」

あるあるシーン

先生:「あなたは、明日学校へ行きますか?」
学習者:「はい、行きません!」(ん...?)

日本語では質問の肯定・否定と返事の仕方にズレが起こりやすいんです。
英語などと違い、「はい=そうです」「いいえ=違います」の構造が混乱を生みます。

対処法

ロールプレイや絵カードで、質問→返事→理由まで一連の流れで練習します。

例:
A「先生、今日宿題をしましたか?」
B「いいえ、していません。すみません...」

また、「英語と日本語では答え方がちがうよ」と文化的な違いもあわせて紹介すると、理解が深まります。


④ 「"さようなら"って言いすぎ問題」

あるあるシーン

学習者:「さようなら!」(毎時間、毎日、さようなら...)

実は「さようなら」は、一生会わないような別れのときに使われることが多い表現。
ネイティブはあまり頻繁には使いませんよね。

対処法

「バイバイ」「じゃあね」「また明日」など、より自然な言い換えを教えると喜ばれます。
クラス内でも「今週のあいさつ」などのコーナーを設け、日替わりで別れのあいさつを紹介すると楽しく学べます!


⑤ 漢字は書けないけど、読めるよ!

あるあるシーン

学習者:「"飲"は読めるけど、書けません!」
先生:「大丈夫!それはみんな一緒です(笑)」

漢字は「読む」と「書く」の難易度に差があり、読みはできても書けないことが多いです。

対処法

まずは書けなくてもOK!まずは読めれば大丈夫!と安心させてあげます。
タブレットやホワイトボードで、部首・形の意味を分解して楽しく覚える工夫も有効です。


最後に:あるあるの中に、学びのヒントがある

どんな"あるある"も、見方を変えれば大切な学びのチャンス。
教室でのこうしたやりとりを楽しみながら、学習者が「わかった!」「伝わった!」と実感できる瞬間を大切にしていきたいですね。

日本語教師として働いている方、これから目指す方にも、「あるあるって共感できる!」「こんな工夫があるんだ!」と感じてもらえたら嬉しいです。