大阪校ブログ

登録日本語教員の資格取得ルートとは?

2025.09.12

2024年以降、登録日本語教員は国家資格となり、「どのようなルートで資格を取るか」が明確に定められています。文化庁の「登録日本語教員の資格取得ルート」資料によれば、養成機関ルート試験ルートが主軸で、それぞれに「応用試験」「実践研修」が絡む形になっています。

さらに、現在は制度移行期間=経過措置(いわゆる過渡期)が設けられていて、特定の条件を満たせば"免除"や"簡略化"されるルートもあります。


主なルートの種類と特徴

以下に代表的なルートと主な要件をまとめます:

ルート名 主な対象者 免除や修了などの要件 メリット/注意点
養成機関ルート 養成課程(大学、専門学校等)で必要な単位・時間を修了した人 養成機関で学び、応用試験を受け → 実践研修を修了する必要あり。 理論・理論+実践を体系的に学べる。基礎試験が免除されることも条件次第であり、修了まで時間がかかる。
試験ルート 養成課程を修了していない人など 基礎試験+応用試験に合格 → 実践研修を修了すること。 養成課程がない人でも挑戦可能。ただし試験対策が重要で、座学+実践の自己準備が求められる。
経過措置ルート(C, D-1, D-2, E-1, E-2, F 等) 現職教師・既に養成課程を修了している人など、制度開始前から日本語教育に関わっていた人や特定の養成課程を済ませている人 養成課程等の修了証明、学位、所定の講習修了など、各ルートで定められた要件を満たすこと。経過措置期間には"基礎試験や実践研修の免除""養成課程等修了で基礎試験免除"等が認められる場合あり。 移行期のメリットを受けられるが、期間が限られている(経過措置期間)ので、早めに確認・行動することが重要。

経過措置ルートの具体例

制度の移行期間中に利用できるいくつかのルートを具体的に見てみます。

  • Cルート:養成課程等で「必須の教育内容50項目」に対応している課程を修了し、学士以上の学位を持っている人 → 基礎試験免除などの特典がある。

  • D-1/D-2ルート:養成課程を修了した上で、現職者であり、特定の講習(講習Ⅰ/Ⅱ)を修了することが条件。

  • E-1/E-2/Fルート:過去の検定試験の合格者、一定の経験を持つ現職教師などに対しての経過措置ルート。演習不要な免除がある場合など。


登録申請までのステップ

ルートを選んだあとは、以下の流れで進みます。

  1. 必要な講習・養成課程・試験の準備
    どのルートが自分に当てはまるかを確認し、それに必要な講習(講習Ⅰ/Ⅱ)、養成機関での単位取得などを完了させる。

  2. 応用試験・実践研修の受講/修了
    基礎試験が免除されるルートでない限り、応用試験を受け、実践研修を修了することが必要。

  3. 登録申請
    合格証書、修了証書、学位証明、コース修了証明などをそろえて、文部科学省のポータルサイトから申請手続きを行う。登録費用も必要。

  4. 登録証の交付
    手続きが認められると登録日本語教員として登録証が交付され、公式に登録名簿に名前が載ります。


結びに--この制度をどう活かすか

このルート制度は、「どのような背景を持つ人でも登録日本語教員になれるパス」を複数用意している点が特徴です。養成課程を修了している人、現職者、あるいは検定を過去に合格している人など、それぞれに応じた選択肢があります。

ただし注意点も:

  • 経過措置は期間限定です。期間を過ぎると免除がなくなる可能性があります。

  • 各養成課程が「必須50項目対応かどうか」の確認が必要です。対応課程でなければルートが限られます。

制度を正しく理解し、自分に合ったルートを早めに選べることが、登録日本語教員への早道です!