大阪校ブログ
学習者の国籍別・文化別の特徴と授業の工夫 ~中国・ベトナム・ネパールの例~
2025.08.28
日本語学校には、さまざまな国から学習者が集まります。
同じ「留学生」でも、母語や文化の違いによって日本語学習でつまずきやすいポイントや授業での反応は少しずつ異なります。
ここでは特に学習者数の多い 中国・ベトナム・ネパール の学生について、特徴と授業の工夫をご紹介します。
1. 中国の学習者
特徴
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母語が漢字文化なので、語彙や読解は得意。
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文法的な説明も理解しやすい。
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一方で、発音(特にアクセント) に苦労することが多い。
授業の工夫
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漢字の意味はすぐ理解できるので、「使い方」や「ニュアンス」の違いを意識させる。
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発音指導は繰り返し丁寧に。特に「長音・促音・アクセント」を重点的に練習。
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文法説明は理解が早いので、実際に使う活動に時間を多く取ると効果的。
2. ベトナムの学習者
特徴
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母語に漢字文化はあるが、日常ではローマ字表記を使用。
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発音で母音や声調の影響 が強く出やすい。
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「てにをは」など助詞の使い分けが難しい。
授業の工夫
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助詞を「意味」ではなく「イメージ」で説明する。例:「へ=矢印の方向」「で=場所の中で動作」など。
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書くことよりも、話す練習の量を増やす。
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グループ活動やペアワークで積極的に発言できる場をつくると、学習意欲が高まる。
3. ネパールの学習者
特徴
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英語教育を受けている学生が多く、英語の影響を受けやすい。
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「カタカナ語」は比較的理解が早い。
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ただし、語順(SOV) が母語と似ているため、文法的には理解が早い一方で、細かい表現の違いに苦労する。
授業の工夫
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「同じ語順でもニュアンスが違う」ことを例文で示す。
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英語と比較されることが多いので、違いをシンプルに説明。
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学習者同士で助け合う傾向が強いため、グループ活動が効果的。
まとめ
学習者の国籍や文化背景を知ることで、授業の工夫がぐっとやりやすくなります。
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中国 → 発音重視、使う練習を多めに
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ベトナム → 助詞の使い方をイメージで教える、話す練習多め
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ネパール → 英語との違いをシンプルに、グループ活動で強みを活かす
もちろん、同じ国籍でも一人ひとりの個性があります。大切なのは「国籍で決めつける」のではなく、特徴をヒントにして 柔軟に対応する姿勢 です。
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