大阪校ブログ

板書とパワーポイント、レアリア・絵カードの効果的な使い方 ~日本語教師編~

2025.09.26

日本語の授業をする時に使える教具はさまざま。
板書だけで進める授業もあれば、パワーポイントを活用する授業、さらにレアリアや絵カードを組み合わせることもできます。

大切なのは、それぞれの特徴を理解して「目的に合ったツール」を使うことです。
今日は、日本語教師が授業でよく使う 板書・パワーポイント・レアリア・絵カード の効果的な使い方をご紹介します。


板書の強みと工夫

板書の強み

  • 学習者のペースに合わせられる

  • その場で強調や追加ができる

  • 「教師と学習者が一緒に作る」感覚で記憶に残る

板書の工夫

  • 位置を決めて整理する(左:語彙、中央:文型、右:例文など)

  • 色チョークで役割を強調する(助詞は赤、動詞は青など)

  • 書きすぎず、ポイントだけを書く


パワーポイントの強みと工夫

パワーポイントの強み

  • 写真やイラスト、動画で直感的に理解できる

  • 一度作れば繰り返し利用可能

  • オンライン授業との相性が良い

パワーポイントの工夫

  • 1スライド=1テーマにする

  • 図やイラストで「イメージ化」する


レアリア(実物教材)の強みと工夫

レアリアの強み

  • 学習者が「実物を見て触れる」ことで記憶に残りやすい

  • 教室内外の生活に直結した学びになる
    例:時計、切符、メニュー、ポスター、スーパーのレシート

レアリアの工夫

  • 文型練習に活用(例:「~をください」で実際に商品パッケージを使う)

  • 初級の授業で特に有効(抽象的な説明より実物が効果的)

  • 日本文化を伝えるきっかけにもなる


絵カードの強みと工夫

絵カードの強み

  • 視覚的に分かりやすく、言葉を使わずに意味を伝えられる

  • 初級学習者に有効(辞書なしでも理解可能)

  • ゲーム感覚で練習でき、教室が盛り上がる

絵カードの工夫

  • 語彙導入の際に提示する(例:食べ物、動作、形容詞など)

  • ペア・グループ活動に活用(例:「これ、なんですか?」→「りんごです」)

  • 応用練習(例:「どちらが大きいですか?」で比較表現)


ハイブリッド授業のすすめ

それぞれの特徴を生かすことで、授業はより豊かになります。

  • 語彙導入 → 絵カードやパワーポイント

  • 文型練習 → 板書で整理 & レアリアを使った実践

  • 復習 → 板書の写真や配布資料で確認

こうして複数の教具を組み合わせることで、
「理解 → 定着 → 活用」の流れを自然に作り出せます。


まとめ

  • 板書は「学習者と一緒に作る」

  • パワーポイントは「視覚的に提示する」

  • レアリアは「実物でリアルな学びを」

  • 絵カードは「楽しく直感的に」

授業の目的や学習者のレベルに応じて、これらのツールを組み合わせることで、より効果的で楽しい日本語授業を実現できます。