大阪校ブログ
国籍別に見る学習者の特徴と授業の工夫 ~中国・ベトナム・ネパールの学習者の場合~
2025.09.17
こんにちは、ルネサンス日本語学院です。
日本語学校や養成講座でよく話題になるのが「学習者の国籍によって特徴や学習スタイルに違いはあるのか?」という点です。
もちろん、個人差はありますが、背景となる言語や文化が学習に影響を与えるのは事実です。
今回は、特に日本語学校で学ぶ人の多い 中国・ベトナム・ネパール の学習者に注目し、それぞれの特徴と授業での工夫を紹介します。
1. 中国の学習者
特徴
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母語が「漢字文化圏」なので、漢字に強い。
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文法の理解や読解は速いが、発音(特に「つ」「ざ・じゃ」など)が難しい。
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「書き言葉」中心で学んできた人が多く、話す・聞く力に課題を感じることが多い。
授業の工夫
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会話練習を増やす:「漢字で理解できても、口に出すのは別」というケースが多いため、口頭練習を意識的に取り入れる。
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似ている漢字の誤用に注意:「宿題」と「作業」など、意味が似ている漢字を混同しやすいので、文脈での使い方を示す。
2. ベトナムの学習者
特徴
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母語はアルファベットを使用。漢字やカタカナに苦手意識を持つ人が多い。
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発音は声調があるので、日本語のアクセントに混乱することもある。
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文法は暗記に強いが、「て形」や助詞の使い分けに苦戦しやすい。
授業の工夫
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文字指導を丁寧に:特にカタカナは学習初期から繰り返し練習を。
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助詞の使い分けを視覚化:「に」「で」「へ」などを絵や図で示すと理解が早い。
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声調との違いを意識させる:日本語のピッチアクセントを音声教材で繰り返し聞かせる。
3. ネパールの学習者
特徴
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母語はデーヴァナーガリー文字。日本語の文字体系は一から学ぶ必要がある。
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英語教育を受けている人も多く、英語経由で日本語を理解する学習スタイルが見られる。
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積極的で明るい性格の人が多く、会話練習では発話量が多い。
授業の工夫
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文字の定着をじっくり:ひらがな・カタカナの習得に時間をかけること。
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生活場面に直結する教材:アルバイトや日常生活で役立つ会話練習が効果的。
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英語に頼りすぎない工夫:英語を使うと理解は早いが、日本語で考える習慣をつけさせることも大切。
まとめ
日本語学習者は、それぞれの 母語・文化・教育背景 によって得意・不得意が異なります。
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中国:漢字に強いが、会話力・発音に課題。
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ベトナム:文字と助詞に課題、暗記力を活かした指導が効果的。
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ネパール:文字習得に時間が必要だが、会話に積極的。
日本語教師は「国籍別の特徴を知る」ことで、より学習者に寄り添った授業ができるようになります。
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